Yuming Chord
松任谷由実
2020.10.30.O.A
今週は､恋愛漫画のｶﾘｽﾏ､漫画家の柴門ふみさんをｹﾞｽﾄにお迎えしています｡
今日のｺｰﾄﾞは｢助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ①〜｣です｡
■今週のChordは“助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ①〜”
朝陽の中で微笑んで
荒井 由実
●ﾏﾏ友のﾘｱﾙな恋の相談から生まれた『恋する母たち』
ﾕｰﾐﾝ：先週ｽﾀｰﾄした金曜夜10時のTBSﾄﾞﾗﾏ､『恋する母たち』､ご覧になりましたか〜？ 悩み､苦しみ､迷う母たちが､これからどんな選択をしていくのか､気になりますよね！
ちなみに私が書き下ろした主題歌｢知らないどうし｣が流れてきたとき､｢ｴﾛいｲﾝﾄﾛ｣と､Twitterでつぶやいていた方も大勢いるようなんですけど､柴門さんは1話をご覧になっていかがでしたか？
柴門：原作はﾄﾞﾗﾏとちょっと違って､1人ずつの時間をかけてるんですけど｡3人も同時の時間軸で描くということで､すごいｽﾋﾟｰﾄﾞ感で｡
ﾕｰﾐﾝ：そうですよね｡
柴門：それで､あっという間に観終わった感じなんですけれども､役者さんたちがみんなすごい｡特に､阿部ｻﾀﾞｦさんの落語家の高座のｼｰﾝとか｡
ﾕｰﾐﾝ：本当の落語家さんみたいですよね｡
柴門：ねｰ｡で､なんかｴﾛいし（笑）｡それと､女優さん3人がそれぞれに違うﾁｬｰﾐﾝｸﾞさで観る人に訴えてきて｡それがやっぱり “生身の実力のある俳優さん､すごいなｰ”と思いましたね｡
ﾕｰﾐﾝ：役者さんたちが上手でねｰ､ﾋﾞｯｸﾘしちゃった｡
柴門：仲里依紗さんの演技を観てﾋﾞｯｸﾘしたんですけど､途中で恋する女の声に変わるんですよね｡
ﾕｰﾐﾝ：電話待ってる時とかね､洗い物しながら横目で携帯見るのとか｡あれで表現できちゃうんだと思って｡
柴門：あと声のﾄｰﾝで､｢ﾄﾞﾗｲﾌﾞﾃﾞｰﾄに誘われちゃって｣って言う時の声がもう恋する少女の声になってて｡あれすごいなｰと思いましたね｡
ﾕｰﾐﾝ：改めて説明させていただくと､『恋する母たち』は､女性ｾﾌﾞﾝで連載されていて大きな反響を呼んだ柴門ふみさんの漫画で､それを大石静さんの脚本でﾄﾞﾗﾏ化したもので､主題歌は､私､松任谷由実が担当させていただいてます｡
大人の恋愛界､霊界みたいな（笑）｡恋愛界の天照大神たち､いえ､恋照大神が､半蔵門に集合します！
そこで､今日から4週にわたってお届けするのは､『助けて！｢恋する私たち｣〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ〜』
それぞれのｼﾞｬﾝﾙで恋愛の神様と言われてきた3人が､今､この時代を生きる女性たちに問う“大人の恋の醍醐味”､そして､“危険な恋の取り扱い説明書”､また､後半2週では､ﾘｽﾅｰからの恋愛相談におこたえします｡と､いうことで説明が長くなりましたが､ここで改めてご紹介しましょう！
今回のｹﾞｽﾄは､恋愛漫画のｶﾘｽﾏ､漫画家の柴門ふみさんです！
柴門：こんにちは｡よろしくお願いします｡
ﾕｰﾐﾝ：ところで､『恋する母たち』はどんな風に誕生したんですか？
柴門：えｰっと､私が40代ぐらいの時に､周りにいたﾏﾏ友たちの何人かから恋の相談を受けまして｡で､やっぱり40代前半って綺麗なんですね｡若くて魅力的で｡そうすると､声をかけてくる男もいるわけですよ｡40代前半ぐらいのﾏﾏたちって､子供もある程度手が離れて､わりと時間的なゆとりもある時に｡それまではﾎﾝﾄに育児に没頭して､子供の事しか考えてなかったのに､10年ぶりぐらいに男の人に声かけられたってだけで女子高生のように舞い上がっちゃって｡で､20代の頃ちゃんと恋愛したはずなのに､20代とか飛び越えて10代の女子高生になっちゃうんですね〜｡
それが面白くて､人間って､こと恋愛に関しては進歩しないんだな､中高生に戻っちゃうんだな｡何かそれが､でも逆にﾋﾟｭｱな気がしたんですよね｡これはいつか漫画に描きたいなと思ってたんです｡
ﾕｰﾐﾝ：この番組のﾘｽﾅｰはね､案外20代女性が多いんですよ｡
柴門：そうなんですか｡
ﾕｰﾐﾝ：だから､｢あと10何年したら､そこに突入しますから｣っていう感じで聴いてもらえるとね｡
柴門：たぶんね､30代で子育てに夢中な時は､｢私はもう子供が生きがいだから､男の人とか恋愛とか全くありえないわｰ！｣っていう人が･･････いやいや（笑）｡それが人生で起きることもありますよ､と言いたい｡
ﾕｰﾐﾝ：それを柴門さんはｽﾄｯｸしてるの？
柴門：ｽﾄｯｸしてましたね｡すぐ書くとﾊﾞﾚちゃうんでね（笑）｡
ﾕｰﾐﾝ：なるほどね〜（笑）｡
柴門：それと､この彼女たちのｳｷｳｷした気持ちはどこに落ち着くかを､ちょっと確かめたかったんですよね｡10年ぐらい観察して｡
ﾕｰﾐﾝ：実際に､その後の成り行きをﾁｪｯｸしたこととかありますか？
柴門：ほぼ100%不倫はしなかったですね､みなさん｡踏みとどまって､目が覚めて｡なので､漫画がみんな恋に走っちゃうのは私のﾌｨｸｼｮﾝで展開してみました｡でも､｢展開したら酷い目にあうよ｣みたいな漫画になっちゃったんですけど｡私に話してくれた人たちが､“踏みとどまって良かったね”って思ってくれればいいなと思います｡
ﾕｰﾐﾝ：そうですね｡柴門さんは私の曲もよく聴いてくださったりしたみたいなんですけれど｡
柴門：もちろんです｡私､20代の時はﾕｰﾐﾝの曲をﾊﾞｯｸに泣きながら漫画書いてました｡
ﾕｰﾐﾝ：ほんとに！？
柴門：はい｡
ﾕｰﾐﾝ：嬉しいな｡
柴門：いくつもｲﾝｽﾊﾟｲｱされて書きました､短編｡
知らないどうし
松任谷 由実
●妻・母・女
ﾕｰﾐﾝ：今回は柴門ふみさんをお迎えして､恋愛相談のｳｫｰﾑｱｯﾌﾟ｡現在､毎週金曜夜10時から放映中のTBSﾄﾞﾏ原作『恋する母たち』の創作裏話を伺っています｡
今回､この物語に登場する3人の母たちの姿に､柴門さんは､どんなﾒｯｾｰｼﾞをこめましたか？
柴門：3人とも息子はいるんです｡夫がいたりいなかったりなんですけれども､共通してるのは･･･なんでしょうね｡実は寂しさとか孤独とか､それをとにかく見ないように頑張ってる｡強気っていうのかな､そういうところかもしれない｡やせ我慢して生きてるようなところがあるかもしれないですね｡
ﾕｰﾐﾝ：でも､強気で行かないといつでもﾎﾟｷｯてなっちゃいますよね｡
柴門：そうです､そうですね｡
ﾕｰﾐﾝ：“もし､今のあなたがこういう恋愛したらこうなります”っていう､ｼﾐｭﾚｰｼｮﾝも込められてるんですかね？
柴門：そうですね｡ですから､素敵な人に声をかけられるとか､ちょっと誘われたとか､同窓会で昔の彼氏に会ったぐらいのことは結構身近にあると思うんです｡日常に｡でも､ほとんどの人は踏みとどまってるんですよね｡で､“踏みとどまらないと､色々酷い目にあいますよ”みたいなｼﾐｭﾚｰｼｮﾝを込めて､漫画の世界で､楽しいこともあれば酷い目にあったけど､｢あｰ漫画で良かった！｣って思ってもらえればいいなと思って書いてます｡いや､楽しいことも｡あとやっぱりね､酷い目にあいますよ｡大抵､人生は｡
ﾕｰﾐﾝ：おんなじだけ来ますよね｡
柴門：はい､来ます｡ﾌﾟﾗﾏｲｾﾞﾛだと思います｡
ﾕｰﾐﾝ：なんか失恋って､自分の脳内麻薬が切れたような状態かもしれないですね｡
柴門：恋愛ってある種やっぱり（脳内）麻薬が出ますから､もっともっとってなると歯止めが利かなくなるんですよね｡それはやはり､ある程度自分の中でｺﾝﾄﾛｰﾙしないとﾀﾞﾒですよっていう話なんですよ｡登場人物の中の優子（吉田羊）っていうのは､過去に何度も不倫してるんで経験値で分かってるはずで､自分で止めよう止めようとしてるんだけれども間が悪･･･という話なんですね｡
ﾕｰﾐﾝ：一番激しいですよね｡
柴門：激しいです｡それで一応､ｷｬﾗｸﾀｰを設定した時に､杏（木村佳乃）っていうのは“妻”なんですね｡失踪しちゃった夫のへの思いを断ち切れずに妻の部分がすごい強い人なんです｡まり（仲里依紗）っていうのは､母性が強くて､とにかく子供を一番に考えてるから､旦那がひどくても離婚はできない｡誘惑されてもなびかないっていう風な感じで｡優子っていうのが､非常にｷｬﾘｱｳｰﾏﾝで理知的で男性的かと思いきや､一番女性で恋愛体質で･･･っていう｡妻･母･女っていうのを3人のｷｬﾗｸﾀｰに分けて書いたつもりなんです｡
ﾕｰﾐﾝ：実は､私の音の方のｼﾞｬｹｯﾄもｺﾗﾎﾞさせていただいちゃって｡
それではここで､TBSﾄﾞﾗﾏ『恋する母たち』の主題歌をお送りします｡
ﾕｰﾐﾝ：今日は｢助けて！恋する私たち〜柴門ふみ･大石静･松任谷由実の大･恋愛相談ｽﾍﾟｼｬﾙ〜｣第一弾､ということで､柴門ふみさんをｹﾞｽﾄにお迎えしてお届けしてきました｡
一言一言が深いと言うか､なるほど...って言っている間に､あっという間に時間が経ってしまいましたけれど｡来週は､引き続き柴門ふみさんにご登場いただきつつ､脚本家の大石静さんをお招きして3人でお送りします！ お楽しみに｡
そして､ﾄﾞﾗﾏの第2話は今夜10時からですよ｡お見逃しなく｡絶対盛り上がっていくからね〜｡
なお､TBSﾄﾞﾗﾏ『恋する母たち』主題歌｢知らないどうし｣は､現在､主要音楽ｻｲﾄにて配信中です｡そちらも聴いてくださいね｡
そのほか､『刀剣乱舞-ONLINE-』新･主題歌｢あなたと 私と｣
現在公開中の角川映画『みをつくし料理帖』主題歌ｾﾙﾌｶﾊﾞｰ｢散りてなお｣なども収録される､39枚目のｵﾘｼﾞﾅﾙｱﾙﾊﾞﾑ､『深海の街』が､12月1日にﾘﾘｰｽされます！
それにあわせて､ﾃﾚﾋﾞ番組にもいくつか出演しますので､ﾁｪｯｸしてくださいね｡
さらに､『松任谷由実 ｺﾝｻｰﾄﾂｱｰ 深海の街』も決定しました｡来年の秋より､全国60か所を巡る予定となっています！
また､『SURF & SNOW in Naeba VOL.41』の開催も無事､決まりました｡
それぞれの詳しい情報や近況は､松任谷由実公式ｻｲﾄや､TwitterやFacebook､Instagramを､ﾁｪｯｸしてみてくださいね｡
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