Yuming Chord
松任谷由実
2021.01.22.O.A
♪Onair Digest♪
誰かと触れあう機会が失われている今こそ、聴きたいのは・・・人生を楽しもうとする音楽。
今日のコードは、「冬の日はJazzyな音楽を」です。


■今週のChordは“冬の日はJazzyな音楽を”

m1 You'd Be So Nice To Come Home To
Helen Merrill & Clifford Brown

「ニューヨークのため息」と言われる歌声のヘレン・メリル。
14歳からニューヨーク・ブロンクスのジャズクラブで歌い始めて、1954年、25歳で録音したアルバム『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』は、クインシー・ジョーンズがアレンジしました。この曲はそのアルバムに収録されたもので、彼女の出世作になりました。

お送りしたのは、Helen Merrill & Clifford Brownで「You'd Be So Nice To Come Home To」。

そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
暦の上ではただいま「大寒」!
二十四節気の最後を飾る「大寒」の次の季節は「立春」です。
春はそこまで来ているけれど、実際は寒さの底、という日もまだまだ、ありますよね。
誰かと触れあう機会が失われている今こそ、聴きたいのは・・・人生を楽しもうとする音楽。
そこで、今日のコードは「冬の日はJazzyな音楽を」。

「冬の日はJazzを」ではなくて、あくまでも「Jazzyな音楽を」。これがミソです。
“Jazzは難しい”というイメージがあったり、ものすごーく詳しい方々がたくさんいて、“私ごときが恐縮です!”という思いもあって“Jazzyな”、ということにしてみました。
ちなみに、今日は1月22日、Januaryの頭文字ふたつ「JA」に「22」・・・これ、アルファベットの「ZZ」にも見えるので“ジャズの日”。都内の老舗ジャズクラブのオーナーたちによる、「JAZZDAY実行委員会」が実施しているものだそうですよ。

それにしても、“Jazzは難しい”っていうのは、実はただの偏見ですよね。
そもそもジャズの起源は、一般的にアメリカの植民地だったアフリカ大陸から現地の人々が働き手として連れてこられていた時代、およそ200年ほど前に遡る、といわれています。
ニューオリンズのコンゴ広場で、彼らが手作りの楽器で音を奏でながら、踊ったり歌ったりしていた音楽、そのリズムやメロディー、歌が起源だといわれています。
それは、悲しみを解き放って喜びを分かち合う、自由な、楽しみのためのもの。本来、難しい顔をして聴く必要もないし、理論や理屈なんて関係なく、楽しめばいい、感じればいい、それこそがJAZZの本質だと思います!

では再び、「冬の日はJazzyな音楽を」というコードで選んだ1曲を。
お送りするのは、Nina Simone「The Other Woman」。


m2 The Other Woman
Nina Simone

ニーナ・シモンは、アメリカ合衆国のノース・カロライナ州出身で、アフロアメリカンのジャズシンガー。
1957年、“アイ・ラブ・ユー・ポーギー”のヒットによって音楽活動が順調になったのち、ジャズのみならず、ロック、シャンソン、クラシックにゴスペルなど、さまざまなジャンルを取り入れていきます。
60年代には、黒人解放をめざす歌なども歌って、黒人公民権運動にも参加しますが、黒人で、女性のミュージシャンである彼女の社会的なメッセージは当時の音楽業界において疎まれたりもしました。
でも!ソウルフルで、優しさがにじむ彼女の歌声は、いつの時代も心に響きます。
今、こんな時代だからこそ、求められるシンガーかもしれません。

お送りしたのは、完璧なのに、愛に恵まれず孤独のうちに年をとってゆく。そんな女性のためにNina Simoneで「The Other Woman」でした。

『Yuming Chord』、「冬の日はJazzyな音楽を」。
続いて私が選んだ1曲は、ビル・エヴァンスの演奏です。
アルバム『Everybody Digs Bill Evans』から「Peace Piece」。


m3 Peace Piece
Bill Evans

1950年代後半、黒人ミュージシャンばかりだったジャズのシーンに現われた、アメリカ・ニュージャージー州生まれのビル・エヴァンス。
幼い頃からクラシック教育を受けて、サウスイースタン・ルイジアナ大学で音楽教育を専攻したビルは、洗練された優美なプレイで多くのプレイヤーに影響を与えたといいます。

ビル自身はドビュッシーやラヴェルなど印象主義的音楽にも影響を受けたそうなんですが、そもそも、ラヴェルはジャズに影響を受けている、ともいわれていますから、お互いがお互いに刺激しあっていた、ということですよね!
当然、そんな彼の音楽は私好み。中でもこの「Peace Piece」という曲は、2つのコードでできたシンプルな曲の中に、即興のフレーズが散りばめられています。
確かに、先週、お茶の時間に聴きたい1曲として選んだサティの「ジムノペディ」なんかを、思い起こさせますよね。

ところで、私がジャズを聴くようになったのは・・・いつ頃かな?
ちょっと大人になりたい、背伸びしたい、と思って聴き始めたかも。(もう、とっくに大人だったのに・・・)

ちなみに、Jazzyなアレンジの曲っていうのも、「月までひとっとび」(『宇宙図書館』)など私の楽曲の中にいくつかあって・・・。
そして、昨年リリースした39枚目のオリジナルアルバム、『深海の街』も、全体のトーンとしては、ジャジーなポップ・ロックを目指しました。

では、そのアルバム『深海の街』から、これもJazzyなムードの1曲をお送りましょう。


m4 REBORN 〜 太陽よ止まって
松任谷 由実

お送りしたのは、39枚目のオリジナルアルバム『深海の街』から、「REBORN 〜 太陽よ止まって」でした。

今日は、「冬の日はJazzyな音楽を」というコードで、私がお気に入りのJazzyな曲をセレクトしてみました。
改めて、今、この時期に聴くJazz、なんだか、心身ともにあたためてもらった気がします。
この機会に、改めてじっくり深堀りしてみようかな、なんて思いました。

最後に、私からお知らせとお詫びをひとつ。
公式サイトではすでに発表されているんですが、2月8日から開催を予定していました、松任谷由実『SURF & SNOW in Naeba Vol.41〜』。
こちらの公演は、緊急事態宣言発令に伴って、開催を延期することになっています。
公演を楽しみにしてくださっていたみなさんには、大変ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞ、ご理解いただけたらと思います。すでに振替公演日が決まっています。
スタートは、2021年3月29日(月)からで、全8公演を予定していますが、振替や払い戻し、また、電子チケットの発券日は、後日、改めてご案内いたします。
詳しくは、私のオフィシャルサイト、または、SURF & SNOW特設ホームページにて、ご確認ください。
ライブ配信・Y-topiaについては、詳細が決定次第、お知らせいたします。

そのほか、私の近況や最新情報は、オフィシャルサイトや、TwitterFacebookInstagramをチェックしてくださいね。



過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM