Yuming Chord
松任谷由実
2022.08.19.O.A
♪Onair Digest♪

遠くへ行かなくても、お金をかけなくても、リセット&リフレッシュするなら、これ。
今日のコードは「Summer Reading」です。


■今週のChordは“Summer Reading”

m1 Love Is Stronger Than Pride(Mad Professor Remix)
SADE

夏のお昼下がり、まったりと聴きたい1曲。
1993年にリリースされたアルバム『The Remix Deluxe』からお送りしたのは、SADEで「Love Is Stronger Than Pride(マッド・プロフェッサー・リミックス)」。

そんな1曲でスタートした『Yuming Chord』。
お盆休暇も終わって、大人たちはお仕事再開。
お子さんたちは、そろそろ宿題に手をつけはじめないと、といったところでしょうか。
デビュー50周年メモリアルイヤー真っ最中の私も、すでに走り出しておりますが・・・。
とはいえ、とにかく今年の夏は暑いので、隙間を見つけて、休み休み、いきましょう!
遠くへ行かなくても、お金をかけなくても、リセット&リフレッシュするなら、これ。
今日のコードは「Summer Reading」です。

連日の厳しい残暑や、いまだに気が抜けないコロナ感染対策の観点からも、やっぱり、今年の夏も基本的にはおうちで過ごそうかな・・・という方、多いですよね。
そこで、手軽に心身を整えたり、脳内トリップをするならば、夏だからこそ!の一冊を手にとることをおすすめします。
多分、読書にもTPOとか、“Right Place Right Time”ならぬ、“Right Book Right Time”があるんじゃないかな、と思うんですよね。

そんなわけで、私が夏になると読みたくなる本といえば・・・。

敢えて、夏の疲れた身体を休めるために、眠り本を選ぶ。なかなか読み進まない、ちょっと難易度の高い本。
なぜか「積ん読」状態になっている、うっすら義務感を覚える本、など。

遠い旅に出るような気分になれる、壮大なノンフィクションを選ぶ。
例えば『Into the World(荒野へ)』ジョン・クラカワー。
アメリカのジャーナリスト・作家・登山家、ジョン・クラカワーの作品で、全米でベストセラーになった一冊。裕福な実家を出て全てを捨て、たった一人でアラスカの荒野に分け入った若者が、厳しい大自然の前に力尽き、無残な死を迎えるまでの心の軌跡を描いた、ショーン・ペン監督で映画化もされた名作。
自分が体験したことのない世界を描く海外の作家本を選んで、クールな気分になる。
例えば、以前この番組でも紹介したことがあるジャック・ロンドンの『To Build a Fire(火を熾す)』。
ジャック・ロンドンはサンフランシスコ生まれ。10代で漁船の乗組員として世界を転々とし、のちにゴールドラッシュにわくカナダ北西部へ。
『火を熾す』は、カナダ北部の冬の凍てつく平原を、犬を一匹連れてひとりで踏破しようとする男の話。読んでいるだけで、体温が下がる!

ちょっと不思議な風合いの短編集も、気ままに読める!
サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』(1953年)など。
その中の一編、「A Perfect Day for Bananafish」。日本語に翻訳されたタイトルは「バナナフィッシュにうってつけの日」、「バナナフィッシュ日和」など。色々な読み解きができる物語。
では、今日のコード「Summer Reading」にちなんだこの曲を。
昨年リリースとなった初めてのCD、『THE BOOK』からの1曲。


m2 アンコール
YOASOBI

『Yuming Chord』、お送りしたのは、YOASOBIで「アンコール」でした。
『Yuming Chord』、今日のコードは「Summer Reading」。
夏の読書におすすめの本、続いては中国・清の時代の作家、蒲松齢(プー・ソンリン)の『聊齋志異』(りょうさいしい、聊斎志異)です。
1640年、中国・山東省生まれの松齢は19歳で官僚の試験、「科挙」を受けるための予備試験にトップの成績で合格。ところが、その後受ける、役人になるための試験には、何度挑戦しても失敗。
3年に一度の試験に11回失敗したのちに受験をあきらめて、家庭教師などをしつつ、家族を養いながら自分が体験したことや人から聞いた話を、およそ500編、かきためました。
『聊齋志異』としてまとめられたのは彼の死後ですが、「怪異文学の最高峰」と言われています。
一般市民から天子まであらゆる階層の人のほか、幽霊や鬼、動物が主人公。

日本の古典から、夏におすすめの一冊といえば、こちらも怪異小説集、上田秋成の『雨月物語』です。
上田秋成は江戸時代の読本(よみほん)作者・国学者。『雨月物語』が出版されたのは、1776年(安永5年)。漢文による序文と、9つの短編からなり、人間が幽霊や妖怪・精霊と関わりを持つ話と、人が人ではないものに変異してしまう話が収められています。
中国の小説に典拠があるといわれていますが、原作を活かした、流麗な文体で綴られています。
有名なものとしては、よみがえったら僧侶が自分の体験を語る「夢応の鯉魚」や、学者と武士が義兄弟の契りをかわす「菊花の約(ちぎり)」など。

洗練された日本の怪談話はちょうどよく肝が冷えますが、その根底には、人間の深い情愛が描かれているので、しみじみとした味わい深さもあっておすすめ。

そして、最後にぜひ、ご紹介したい夏の課題図書といえば、新潮文庫から出ている、松任谷由実デビュー50周年記念オリジナル小説集、『Yuming Tribute Stories』です。
6人の人気女性作家たちが、私の楽曲から新たなストーリーをつむぎだしてくれました。
小池真理子さん、桐野夏生さん、江國香織さん、綿矢りささん、柚木麻子さん、川上弘美さん・・・なんと豪華な作家陣!
しかも、すべて書き下ろしです。

私ももちろん、読ませていただきましたけど、私のあの曲から、こんな物語ができるって、やっぱり一流の作家の方々のアイディアはすごい!と、読み終わったあと静かな余韻にひたりました。

巻末の解説を酒井順子さんが書いてくれたのですが、「作家達が新たな方向から曲に光を当てると、今までは見えていなかった陰影が見えてきて、ユーミンの歌を“読む”体験は、私にとって新たな旅となりました」と、紹介してあります。確かに、うれしいコラボでした。
森本千絵さんによる装丁も、夏の読書にふさわしい涼やかな仕上がりなので、ぜひ、そちらもお楽しみに。

では、ここで、今日のコード「Summer Reading」ちなんだ、私の曲を。

10月4日リリースの3枚組、『ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』にも収録されている1曲、AIでよみがえった荒井由実の声との初共演です!
松任谷由実 with 荒井由実「Call me back」。


m3 Call me back
松任谷由実 with 荒井由実

お送りしたのは、私がアンバサダーをつとめる、民放ラジオ99局 スピーカーでラジオを聴こうキャンペーン「WE LOVE RADIO 松任谷由実 50th ANNIVERSARY〜日本中、ユーミンに包まれたなら〜」。
こちらのキャンペーンソングで、松任谷由実 with 荒井由実「Call me back」でした。

今日は、「Summer Reading」というコードで、夏におすすめの本を、私のセレクトでご紹介してみました。
なかなかレアな推薦図書だったと思うんですが、新しい世界の扉がきっと、開くはず!
夏の脳内大冒険、お楽しみくださいね。

今日、こんなコードでお話していたら、ちょっと恥ずかしいというか、頭の中をのぞかれるような気分になりそうですが、私のお気に入り本を展示するのも、アリかも、と思ったのでお知らせしておきます。

12月8日から来年の2月26日まで、六本木ヒルズ 東京シティビューで予定されている、「松任谷由実展(仮称)」!
私の50thANNIVERSARY YEARのイベントのひとつとして、大々的に開催しますので、ぜひ、遊びにきてください!

そして、『ユーミン万歳!〜松任谷由実50周年記念ベストアルバム〜』は、10月4日のリリースですが、ただいまご予約受付中です。
詳しい内容は、『ユーミン万歳!』特設サイトでチェックしてみてください。
私の公式ホームページからアクセスできます。
そのほか、50周年特別企画が他にも同時進行中!

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。



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