Yuming Chord
松任谷由実
2022.12.23.O.A
♪Onair Digest♪

私は今、東京・六本木ヒルズ森タワーの52階にある「東京シティビュー」で開催中の、「YUMING MUSEUM」のエントランスにいます。
今回は特別に、この展覧会を作りあげてくださったお二人とともに、じっくり、会場をまわります。
今日のコードは「YUMING MUSEUM〜Yuming、自らの謎に迫る」です。


■今週のChordは“YUMING MUSEUM〜Yuming、自らの謎に迫る”

ユーミン:今、私は六本木ヒルズ森タワーの52階にある、こころやすらぐ空間。レストラン。「Restaurant - THE SUN & THE MOON」にいます。
インテリアは、現代の森の中に居るような気分で、天井からは観葉植物が下がっていて、なのに窓には東京の空がいっぱい広がってます。
東京湾も見えます。このグルーミーな感じが、また良いね。
さて実は今、このレストランと同じフロアにある東京シティビューで「YUMING MUSEUM」を開催していまして、おかげさまで大盛況なんですが、ここでは、優雅な“ヌン活”も楽しめるんですよ。
私はここで“ヌン道”を究めようとしていますが、事前に予約が必要なんです。でも、おもてなしに、ぬかりはございませんから!
そして、まさに今、私の目の前には、6層になったお皿に様々なスイーツ。プチシューやカヌレもキッシュもあります。
私の楽曲をテーマにした、ここでしか味わえない期間限定のアフタヌーンティーやカクテルがあります。
「Yuming 50th Anniversary Afternoon tea 〜Winter version〜」と、「〜Love version〜」、2種類あるんですけど、「〜Winter version〜」を味あわせていただこうと思います。
私が選んだのは「ダイアモンドダストパフェ」と、50周年のプレートがのっている・・・焦がしキャラメルだ!好きなんですよ。「レコード風焦がしキャラメルのガナッシュタルト」だそうです。
食べちゃおう。・・・美味しいです!羨ましいでしょ。いらっしゃい!



ユーミン:今日のコードは、「YUMING MUSEUM〜Yuming、自らの謎に迫る」。
私は今、東京・六本木ヒルズ森タワーの52階にある「東京シティビュー」で開催中の、「YUMING MUSEUM」のエントランスにいます。
今回は特別に、この展覧会を作りあげて下さったお二人とともに、じっくり、会場をまわります。
先週、「YUMING MUSEUM」ができるまでの裏話を聞かせてくださったこちらのお二人です!

君和田:朝日新聞社でこの展覧会の企画担当をしております、君和田敬之です。

阿部:建築家で「YUMING MUSEUM」の空間デザインを担当している、阿部真理子と申します。よろしくお願いします。

ユーミン:お二人は今、私自身より私のことに詳しくなってるような気がするんですけれど、そんなお二人とともに「YUMING MUSEUM」をめぐりながら、これからこの展覧会に足を運ぶ方も、そして、すでにいらした方には、また行きたいと思っていただけるように、ガイドしていきますね。
ところで、この展覧会を世界で一番楽しみにしてるのは私なんですよ。まず、入ってすぐの・・・。

君和田:ここは展望台なので、50メートル以上の吹き抜けがある大空間になっています。

ユーミン:そこの真ん中にグランドピアノがあるんですけど、最初からエントランスはこういう風に利用しようと思われたんですか?

阿部:はい。すごく天井の高い空間で景色が見えるので、ユーミンさんの際限のない想像力というか、手書きの譜面が、舞い上がっているのか、滝のように降りてきているのか・・・それが床の上に広がっているような空間を作ってみました。



ユーミン:自分で手書き(の譜面)を見るのが嬉し恥ずかしで。

阿部:新しいものと古いものが混じっていて。

ユーミン:こんな「五月雨を傘に乗せ」なんて全然覚えてないんですけど、これは?

君和田:由実さんの八王子のご実家で見つけた、スケッチブックの中の1枚だと思います。

ユーミン:そうなんですよ。スケッチブック、クロッキーノートに、コードと、次のページに詩が書いてあったり、混在してたんですね。譜面も・・・なんだか几帳面だわ。

君和田:美術館だと普通は外光が入らないような設計になっていると思うんですけど、ここの空間は展望台なので、外 の光が入ってきて。朝、昼、夜で全然見え方が違うので、また夜は夜の見え方になります。



ユーミン:お話だけ聞いていて、譜面や歌詞が空から降ってくるイメージというのが、“なるほどな”って。自分でも記憶が改ざんされてね、天から降ってきたかのような気持ちになれます(笑)。

君和田:最近の「深海の街」から、最新曲の「Call me back」までのここ数年のものと、ご実家で見つけた1970年代、早いものでは高校生から大学生くらいの荒井由実さん時代の頃のものが混ざっていて、初期のものと最新のものがここで混在している、という、不思議な組み合わせの展示になります。

阿部:一番下に「ひこうき雲」が吊られていて。

ユーミン:本当だ。ピアノのすぐ上に。

阿部:友達が天国に・・・。

ユーミン:そんなことを書いていたんだ、私。

阿部:そうです。「友達が天国に行った朝に」と。朝に書かれたのかな?

ユーミン:かもしれない。


m2 ひこうき雲
荒井 由実

ユーミン:続いては、思い出のフォトシリーズ。子供の時の(写真)。

阿部:50年と言わず、子供の頃から撮られてきた写真が並んでいます。

ユーミン:これは「秀ちゃん」です。普通、母親と一緒に撮っている写真が多いはずなのに・・・これも母じゃない、秀ちゃん。育ての母なんですけどね。これは兄弟4人揃っていますが。
だから、母親と一緒に撮っている写真が全然ないところが、私のアイデンティティですね。

阿部:確かに。

ユーミン:阿部さん、飾り方のこだわりは、時系列というわけでもないんですね。

阿部:時系列にもこだわりながら、由実さんはいろんな時にブランコに乗っていたりするので、そういうものを混ぜたり。
基本的には音楽でなくて、素顔らしいもので。

ユーミン:ピアノ線で吊られていて、その写真と写真の隙間にビル群が。(東京)湾も見えます。
(写真を)観た人が、フッと自分に引き寄せた時に、景色が心に入ってくるような感じがします。

君和田:ここもすごく特殊な場所で、日が当たると作品が傷んでしまうので、作品展示には向かない、美術館らしくない場所なんです。
逆に、写真を観ながら外の景色が見えるという、普通では出来ないことが出来る場所なので、ユーミンさんの写真を観ながら東京の景色を見ると景色の見え方が違うかなということで、壁とかを立てずに。

阿部:すごく長い廊下なので、今までのアルバムをずらっと並べると、吸い込まれるような道のりが出来ています。



ユーミン:ここまででも、ずいぶんレアな展示のエピソードを楽しんでいただけたかと思いますが、さらに、進んでいきますね。つづいては・・・。

君和田:由実さんのご自宅から来たピアノがここにありまして。ここが由実さんの“始まりの部屋”というか、音楽以外のことも含めて“少女・荒井由実”が“ユーミン”になっていく時のことを展示したいなという中で、ピアノは象徴的だなと。

ユーミン:これはあちこちに行っていたピアノなんだけど、曲を作り出してから二代目のピアノなんです。当時キーボードをやってくれていた吉原真紀子さんが音大生だったので、11万円で譲り受けたの。それまでは、実家はアップライトピアノだったんですよ。これは場所を変えて、近年も使っていました。

このピアノの方が、乾いた明るい音がする。あちこち移動して、もう1回実家に戻った時期もあり、90年代とか・・・「春よ、来い」とか、このピアノで作りました。



m3 春よ、来い(2022MIX)
松任谷 由実

ユーミン:お送りしたのは、アルバム『ユーミン万歳!』から、「春よ、来い(2022MIX)」でした。
ここは、わかりやすい衣装のゾーンですね。ステージ衣装、ムービーも流れているので、「あれがこれ(で使われた衣装)か」とか。象ロボットも展示してありますね。これは膨大にあるから、並べ方とかは色味で選ばれたんですか?

阿部:はい。最初は、結構古い、80年代の・・・。

ユーミン:これは二度と着ることがないでしょうけど、鯱の被り物(笑)。これで水から出てくるんですよ。

君和田:本当に、“こんなに残っているんだな”と。びっくりするくらいたくさん残っている中から(選びました)。



ユーミン:(コンサートの衣装管理などをされている)ドラミさんたちの努力の賜物です。
着物はギネスものの早替えで、後ろが割れてマジックテープになっているんですよね。帯はランドセル状になっていて。

阿部:15秒でしたっけ?

ユーミン:はい。あと、私の大好きなマタドールスタイルです。これは『SHANGRILA 3』の映像が流れています。

君和田:これは「1」、「2」、「3」のミックスで。

ユーミン:ユーミン:そうですか。ああ、懐かしい。世界が今こんな状況で、“ロシアのみんなはどうしているだろう”っていつも思います。
彼らにとってもすごく青春だったみたいなんですよね。

君和田:ここは「深海の街」のステージセットに入れます。

ユーミン:本物のステージを置くというアイデアは、最初からあったんですか?

阿部:“舞台裏を歩く”みたいな体験にしたいと思いまして。ここに置くとすごく大きいんですけど、床も全部本物です。



君和田:「“ユーミンさんを観る”というよりも、由実さんになった気持ちでステージを体験できたら面白いね」という話があった時に、ひとつ案として、この舞台セットが。

ユーミン:私自身も、最初にそんなことを言ってました。私目線で観れたら楽しいと思ってもらえるんじゃないかなって。やっぱり、ツアーは、終わると消滅するんですよね。ずっとセットとか取っておけないし。
ここまで、膨大な展示物のすべてを整理して、ひとつひとつに光を当ててくださったお二人には感謝の気持ちでいっぱいなんですけど、 改めて、この「YUMING MUSEUM」にこめた想いをぜひ、聞かせてください!

阿部:たくさんのいろんな側面のユーミンさんが山のように毎日毎日降ってくる中で、この1年を過ごさせていただいて。それをいろんな世代の方に、いろんな違った視点で観てもらえるようにデザインさせていただきました。

ユーミン:とってもオシャレでありがたかったです。

君和田::約2年間、展覧会の準備をさせていただいて、こうやって開催出来て嬉しく思っています。ありがとうございます。由実さんはずっといつも前に進まれている方なので、“今の由実さん”がすごく強く印象深いんですけど、今回実家にも伺って、昔の資料を再確認させていただいて、昔の由実さんと今の由実さんが繋がった線みたいなものを感じられました。そのことをこの展覧会でみなさまに感じてもらえたら嬉しいと思っています。

ユーミン:我ながら、大変な埋蔵量だと思いました。これから先の創作の勇気になりました。ありがとうございます。



今日は、六本木ヒルズ・森タワーの東京シティビューで開催中の、「YUMING MUSEUM」会場からお送りしました。
「Yuming、自らの謎に迫る。」というコードだったんですけど、今日、会場をめぐってみて、“オシャレだな”と思いました。
私がオシャレだから?いえ、お二人がすごく洗練された視点で展覧会をまとめてくださったから。
そしてあらためて、自分で、東京にずっと興味津々でやってきたな、同じだけ自分自身に飽きないで興味を持って歩んできたな、ということがわかりました。
それをわからせていただいて、たくさんの人に感謝です。
「YUMING MUSEUM」は、六本木ヒルズ森タワーのシティビューで開催中です。
チケット購入の方法やイベントなどの詳細は、「YUMING MUSEUM」公式サイトをチェックしてください。
ちなみに、入場は午後9時までで、10時まで観覧ができるので、クリスマスシーズンのイルミネーションや夜景とともに楽しむのもオツだと思います!
ぜひ、遊びにきてくださいね。
そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッターインスタグラムなどでお知らせしています。
デビュー50周年イヤーを駆け抜ける私に、ちゃんと、ついてきてね。


過去のO.Aはコチラ!
♪menu♪
番組TOPページ
番組へお便りはコチラ!
Message to Yuming
Yumin最新情報!
Information
TOKYOFM TOPページ

▲ページ上部へ
(c) TOKYO FM