Yuming Chord
松任谷由実
2023.12.29.O.A
♪Onair Digest♪

「The Journey」ツアーでの舞台裏エピソードを中心に、今年1年をふりかえります。今日のコードは「The Journey〜Sailing Records 2023〜」です。

■今週のChordは“The Journey〜Sailing Records 2023〜”

m1 心のまま
松任谷 由実



お送りしているのは、昨日、長い航海を終えたばかりのコンサートツアー、「The Journey」のセットリストから、オープニング1曲目で歌った「心のまま」。
なんだか、すべて終わってしまった、という現実がまだ、受け止められなくて、今スタジオでこの曲を聴いていると、この先、そんなにたくさん聴く機会はない曲かもしれないけれど、もし聴いた時には、このツアーのことを思い出すんだろうな・・・と。

演出の松任谷は、初めからこの曲でスタートすると決めていたみたいなんだけれど、私の中では、(ツアーが始まる前は)よくわかっていなくて。「なぜこの曲なんだろう」ということがね。
今となってはそう思っていた自分が不思議なんですけれど、でも、幕を開けた途端、腑に落ちたというか、すごく自分の中にピッタリきて、「よし、行くぞ!」って、このJourneyをスタートさせました。

そして気づけば、今年最後の金曜日。つまり、今日が今年最後の『Yuming Chord』です!
と、いうわけで、今日は、番組でもあまり触れてこなかった、「The Journey」ツアーでの舞台裏エピソードを中心に、今年1年をふりかえります。
そんな今日のコードは、「The Journey〜Sailing Records 2023〜」。

今年の5月13日、ぴあアリーナMMからスタートした、『大和証券グループpresents 50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」』。
おかげさまで、全54公演、すべてのステージをつとめきることができました。
足を運んでくださったみなさんには、本当に、感謝の気持ちでいっぱいです!
客席からの声や拍手が、私のモチベーションであり、エネルギーでしたね。

「The Journey」ということで、アリーナの真ん中に大きな船のセットを組んで、私が船長、バンドやアクターは乗組員!
“新米の船乗りの日記をもとに、皆さんとこの海賊船で、私の歌と一緒に旅をする”という設定でした。
そして、この「旅」は、私の50年に渡るキャリアの集大成でもあるわけですよね。

そして、私のコンサートはエンターテインメントショー!スペクタクルショーでもあります。
海賊船の船首から船尾までを移動したり、マストに併設したエレベーターで上へ下へと行ったり来たり・・・緻密に計算された動きのすべてが、けっこうスリリングで。

ステージに立っている最中もふと、いつまでこれができるんだろうなと思っちゃう時もあるんです。いやいや、そんなことは考えず進むだけだと、ステージが進行している時間にもふと、よぎったりするんですよ。

様々なエフェクト、光、煙、火・・・視界が急に、どこにいるのか分からなくなる時があります。足元にもいろんな装置がしつらえてあって、その中を動き回るのが相当スリリングなんですけれど、やっぱりずっとやっていると、皮膚感覚みたいなもので空間を把握しているというか。
そのわりに、自分を外から見ることは絶対にできないので、謎が謎のまま、それが先に進ませるのかな、なんてことも、ステージが終わったあとにふと、力が抜けた時に思ったりします。

そうそう、ドラゴンはね、今回のステージの大きな特徴のひとつ。
龍の首にまたがって歌いました。

そんなさまざまなセットが解体される様子を、ドキュメントとしてNHKで取材してもらいました。
私自身も観て感動しちゃったんですけれど、スタッフたちが・・・わかっていはいたけれど、こんなにすごい作業を綿密にやってくれているんだな、ということで。

そんなエピソードも含めて、すべてが、私の宝物です!
全54公演、57万4000人のみなさんとともに、夢のようなステージを共有できたことに、改めて、感謝です。
ではここで、「The Journey」ツアーでも歌った1曲を。松任谷由実で「さまよいの果て波は寄せる」。

m1 さまよいの果て波は寄せる
松任谷 由実



オリジナルは1979年リリースのアルバム『悲しいほどお天気』に収録されています。
渋すぎるほど渋い曲で、それだけに時々、「すごく好きです」と言ってくれる人がいて。
今回のステージで歌っていて、自分で自分の曲の意味が、今回、わかったという。時々そういうことがあるんですけれど・・・これからも悩みを抱えながら自分と向き合っていくんだろうな、としみじみしちゃうナンバーでした。

今回のツアー期間中は、いつにも増して「ユーミン」の奴隷に徹していた気がするんですけど・・・とにかく夏ですね。酷暑でした。
そして、ステージの上は更に暑くなるし、アリーナツアーですと、(会場が)アイスアリーナだったりするんです。そうすると、冷房がないところで・・・お客さんも大変でしょうけれど、私もほぼ熱中症になりながらステージをつとめました。

そういうステージのあとの“ごほうびパフェ”も思い出深いな。いろんなところで行きましたけれども。
あんまり“みんなとご飯”ということができないスケジューリングだったんですけれど、そんな中で一番印象に残っているのは、佐賀!新しい、すごく綺麗なアリーナができて、そこに行った時に、アクターたちに焼き肉をご馳走したことかな。佐賀牛、美味しかったですよ。

虫食い的にプロデューサーが旅先にやってくると、厳しい反省会がありまして、その都度、細かい直しがあって。でも何回か観てくださっている人からは「随分変わった」というような声が聞こえます。
ツアーも成長するものだから、最初と最後だと、全然違いますね。熟成していったと思います。

その合間の日々も含めて、私なりの覚悟を決めた航海でした。唯一無二の「The Journey」だったな、と思います。

では!2023年最後の『Yuming Chord』。
ラストの1曲を、お送りします。
今月20日にリリースされた、『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』から、ボーナストラックとして収録されている1曲なんです。
これは、CDをまるごと聴いたあと、しばらくすると出てくるバージョンなのですが、『Yuming Chord』では、初フルオンエアすることにしました。
曲は、「今だから」のアナザーバージョンです。

今回、アルバムに収録されている「今だから」のリマスター版。
1985年に、小田和正さん、財津和夫さん、そして私の3人でつくった1曲です。
この曲をアレンジしてくれたのが、坂本龍一さんでした。
そして、ピアノも担当してくれました。
ちなみに、ドラムは高橋幸宏さん、ベースは後藤次利さん、ギターは高中正義さん。

当時、坂本さんのピアノバージョンだけというのも録っていたことをすっかり忘れていたのですが、この『ユーミン乾杯!!』を作るにあたって発見されたという感じです。
そして、アルバムの最後に収録することにしました。

そして、偶然というのか・・・その坂本龍一さんが、今年3月にお亡くなりになりました。
幸宏さんも1月に亡くなられて、本当に寂しいです。

では、2023年、最後の1曲を。
初、フルオンエアでお聴きください!
坂本龍一さんのピアノバージョン「今だから(another version)」。

m1 今だから(another version)
松任谷由実 小田和正 財津和夫



お送りしたのは、『ユーミン乾杯!!』の4曲目に入っているフルバージョンのスピンオフという感じなんですけれども、CDの最後にしばらくすると、これが出てきます。
フルバージョンよりむしろ、曲の持つ匂いとか世界とかが、こちらの方がすごく香り立ってくるのがすごいなと思いますね。音楽って不思議だなと思います。
そして、今年最後の放送にピッタリでした。

お送りしたのは、『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』から、坂本龍一さんのピアノバージョンで「今だから (another version)」でした。

今日は、「The Journey〜Sailing Records 2023〜」というコードで、The Journeyツアーを中心に、今年1年を振り返ってきました。

改めて、2023年という1年は、私にとって・・・めくるめく旅から旅、心の旅も含めて、まさに「Journey」な1年でした。記憶にもしっかり刻まれています。

そういえば、忘れちゃいけない今年の出来事のひとつ!
オリコン史上初となる6年代連続でアルバム1位を獲得したという記録が、「日本のアルバムチャートで1位を連続で獲得した最多デケイド数」として、(Most consecutive decades with a No.1 on the Japanese albums chart)ギネス世界記録にも認定されたんですけど、大変名誉なことで、そういうトピックが私にとっても大事な宝物になりました。
その発表と認定証授与式を、リスナーのみなさんの前で、公開録音の形でお披露目できたのも、本当に楽しい、良い思い出です!

そして、自信をもってお届けするコラボベストアルバム、『ユーミン乾杯!! 〜松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム〜』も、絶賛発売中です。
世代を超えて注目を集めるレジェンドから、令和の音楽界を牽引するミュージシャンまで、多彩な才能たちが、私の曲をリメイクしてくれています。
コラボレーションの最新系、ぜひ、じっくりとお楽しみくださいね。
年末年始のおともにも、おすすめです。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッター改め「X」Facebookインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。


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