Yuming Chord

2024/10/25 O.A【Onair List】

M1

 M1.
 ANNIVERSARY
 松任谷 由実


M3

 M2.
 ベルベット・イースター
 荒井 由実


M3

 M3.
 メトロポリスの片隅で
 松任谷 由実


M3

 M4.
 航海日誌
 荒井 由実


2024/10/25 O.A【Onair Digest】

○ONAIR DIGEST
私の曲で知った、覚えた、使ってみた・・・そんな「歌詞」との出会いエピソードをご紹介しつつ、リクエストにおこたえしました。今日のコードは「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」です。

■今週のChordは“心に響く“ユーミンワード”リクエスト”

ANNIVERSARY / 松任谷 由実

お送りしているのは、1989年リリースのアルバム『LOVE WARS』から、「ANNIVERSARY」。
タイトルにつけた「ANNIVERSARY」というワードは、今でこそ、「記念日」ということばの代わりに、みなさん普通に使ってますよね。
でも、自慢ではないけど、当時「ANNIVERSARY」という英単語は普及していなかったし、日本のPOPS史上、このことばを使ったのは、多分、私が初めてだったはずです。

では、この曲にリクエストしてくれた、ラジオネーム「おこわ」さんからのメッセージ、ご紹介しましょう。

東京都 ラジオネーム「おこわ」さん
「私にとって、初めてユーミンの歌で知った言葉がANNIVERSARYの「ライスシャワー」。
見たことも聞いたこともなかったから、母に聞いて「そういうのがあるんだぁ」と思いました。
まだ見たことがない「ライスシャワー」。
今は、歌の中だけのロマンだけど、いつかは見るのかな?
ANNIVERSARYが、初めての言葉を教えてくれた、その日がMy Anniversary!」

素敵なメッセージですね。お母さまはご存じだったということですね。
念のためご説明しておくと、「ライスシャワー」とは、結婚式を終えて教会から出てきた新郎新婦に、お米の粒をシャワーのように振りかける儀式のこと。
発祥は古代ローマ時代から、と言われています。2人の人生の門出をお祝いして、子孫繁栄や、食べ物に困らないように、という願いをこめて行われるものです。
私自身の結婚式でも、出てくるときにやった覚えがありますよ。

あらためて、今日の『Yuming Chord』は、「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」。
ネットでお送りしている「うそラジオ」のリスナー参加企画、「ユーミンソングで知ったことばたち」と勝手に連動して、お届けしています。

では、続いての「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」、メッセージからご紹介します。

宮城県 ラジオネーム「マメちゃん」
「初めて聴いたのは、ラジオから流れる「ベルベット・イースター」。
私は確か中学2〜3年で、今から40年以上前。
《イースター》だなんて!しかも《ベルベット》ときたか・・・!と、雷に撃たれたような衝撃。
昭和の時代、こんな洒落たワードを教えてくれる、なんて素敵。
私もカトリックの女子校でしたから、「イースター」は聞いた事はあっても、曲とお洒落なユーミンのセンスとビジュアルに、虜になりました。
スレンダーな黒スーツに、黒い帽子を目深に被り、ロングヘアにヒールの靴。
カッコ良くて真似しました。確かティンパンアレイと一緒の仙台ライブのポスターだったかも。
今でもオシャレのお手本、ユーミンを真似て、派手色メガネフレームのガラスを外して掛けたり。
幾つになっても、ずっとずっと全てのお手本にしている大好きなユーミンです・・・。」

いや、照れますね。ありがとう。
私が「イースター」という風習を知ったのは、やっぱり学校がミッションスクールだったからなんです。
十字架にはりつけになったイエス・キリストが、その3日目に復活したのを祝うお祭りで、「復活祭」と呼ばれているんですけれど、その時期のグルーミーな気候を描いたのがこの曲。
もっとも、ロンドンポップが好きだったから、イギリスの重たい暗い、でも美しい空をイメージしました。

春分の日以降、はじめての満月が過ぎてからの日曜日がイースターなんですね。こういう数え方はすぐ忘れてしまうから、そろそろだな・・・なんて毎年思いますけれど。
けれど、まさに、その頃の空って、天使が降りてきそうなほど、低くて、湿り気があってね、それを「ベルベット」と表現した・・・ふふふ、なかなかでしょ?

ベルベットという生地は、子供のころから知っていたんです。そこにお水を落とすとコロコロッっと水銀みたいに光るので、雨を表現するのにベルベットを用いてみました。

この曲は、1973年、私のデビューアルバム『ひこうき雲』に収録されていました。

ベルベット・イースター / 荒井 由実

そのほか、J-POPに「ハロウィン」や「クリスマス」といったカルチャーをもちこんだのも、きっと私。
バブル期の都会で働く女性の強さと孤独を歌ったのも、多分、私が初めてじゃないかな。

続いては、福井県のラジオネーム「四季」さんからのリクエストで「メトロポリスの片隅で」。

メトロポリスの片隅で / 松任谷 由実

この曲は、この年に発売された、資生堂の「フェアネス」シリーズの商品・・・確か、惑星をイメージした「コスモアイカラー」のイメージソングとしてオンエアされた覚えがあります。
そんなわけで、CMには地球の上の都会、「メトロポリス」の電車に乗るワーキングガールが登場していたんですけれど・・・この曲の歌詞のどの“ワード”が記憶に残っているのかな?
リクエストしてくれたラジオネーム「四季」さんのメッセージ、ご紹介しましょう。

福井県 ラジオネーム「四季」さん
「ユーミンコードは毎週楽しみに聴かせていただいていますが、お便りするのは初めてです。
「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」でお便りします。
ユーミンの歌詞で初めて知ってからもう何十年も経ちましたが、すぐに思いつく言葉・・・、それは「ひといきれ」です。
「メトロポリスの片隅で」に出てくるこの言葉を聞いたとき、耳に引っかかって、すぐに辞書で調べました。
そういう体験があって、忘れられない言葉になりました。」

この曲がリリースされた1985年当時は、まだパソコンも普及していなかったし、「電子辞書」も一般的じゃなかったから、知らない言葉に出会ったら、辞書をひくしかなかったですよね。でも、その手間がそれだけ、しっかり記憶に残してくれるんだなと思います。

ちなみに、「ひといきれ(人いきれ)」とは、たくさん人が集まって、その人たちの身体が発する熱や匂いがたちこめている様子のこと。
まさにそういう「ひといきれ」と共に飲み込まれていって、「私はワーキングガールよ!SINGLE GIRLよ!」という・・・この文字数でこの「ひといきれ」が必要だったから、窮鼠猫を噛んで出た言葉なのかなと思います(笑)。

今日、最後の1曲は、埼玉県のラジオネーム「ナイス国務長官」さん、30代の会社員の方からのリクエストにおこたえします。
まずは、メッセージからご紹介しますね。

埼玉県 ラジオネーム「ナイス国務長官」さん
「小学生の時から聴き始め25年。あなたはずっと私の心の拠り所です。
小学生だった私の心に響いたユーミンワードは、『航海日誌』の歌詞に出てくる『ランデブー』です。
ユーミンのことを教えてくれた父に、当時聞いてもパッとしない答えしか出てこなくて、辞書を調べても『・・・』。
中学生になり、恋愛などを意識する頃になって、やっと辞書に載っていた意味がわかった。
結婚前に手がけられた作品の中で、一番歌詞が好きな曲でもあります。
リクエストは勿論、コバルトアワーに収録された『航海日誌』です。」

「ランデブー」は普通に使っていましたよ。というのは、昭和のフランスかぶれの人たちの言葉で、(私が)ちょっとませているからそういうものが耳に入ってきたのかもしれません。

「ランデブー(rendez-vous)」というのは「時間と場所を決めて会う約束や会合、待ち合わせ」という意味なんだけれど、レトロな響きが1周まわって・・・3周くらいまわっているかな・・・いい感じなんじゃないでしょうか?
私は映画とかフレンチポップスとかフランスものが好きなので、普通に知っていました。

私の曲で外国語を覚えた、という方もたくさんいるようなんですけれど、外国語の使い方というのも、案外難しいですね。堪能なわけではないですから。
でもその分、“誰が聴いてもその雰囲気がする、わかる”という言葉が日本語のPOPSにはいいんじゃないかなと思います。

では、「ナイス国務長官」さんのリクエストにおこたえして、荒井由実で「航海日誌」。

航海日誌 / 荒井 由実

これは、曲を作るときも、レトロというのは意識しましたね。昔のハリウッド映画の音楽みたいなものを作りたくて。
コードで言うとちょっと伝わりにくいかもしれませんけれど・・・トップノートと一番下の音がユニゾンで、中にハーモニーが来るという作り方だと、すごく昔のハリウッド映画の雰囲気が出るんですね。
そこに合う歌詞というと、やっぱりレトロな言葉になるので、こんな風に落とし込めたんじゃないかと思います。

お送りしたのは、1975年リリースの3rdアルバム『COBALT HOUR』から、「航海日誌」でした。

今日は「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」ということで、私の曲の歌詞で新しいことばを覚えたり、使ってみたり、大人になってそのことばの意味が腑に落ちた・・・、そんなエピソードをご紹介しつつ、リクエストにおこたえしました。

「ワード」ということで、「ことば」「単語」を中心としてお送りしましたけれど、文脈のなかで出てくるから活きるというところもあるんだけれど、ともあれ、引き続き、リクエストを募集しています。
私の歌詞で覚えた「ことば」・・・ぜひ、教えてください!
「空耳アワー」的に、聴きながら不思議に思っていた歌詞とか、背伸びして真似してみたけど失敗バナシも大歓迎です。

ネットにて放送中の「うそラジオ」のコーナー、『ユーミンソングで知った「ことばたち」』の姉妹企画、「心に響く“ユーミンワード”リクエスト」。来週もお楽しみに。

そのほか、私の最新情報や近況は、私の公式ホームページツイッター改め「X」Facebookインスタグラムなどでお知らせしています。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。


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