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石川啄木の歌というと、寂しげで哀しげなものというイメージを持っていたのですが、勤め人のつらさを歌ったものや、自分より能力の劣る人を皮肉った歌など、その内容は実に多彩。最後の一首まで面白く読むことができました。ところでこの歌集の最初のブロックには『我を愛する歌』という題名がついており、啄木が“自分大好き人間”だったことがうかがえます。しかも年譜を見るかぎりかなりの「だめんず」でもあるのですが、「僕ってダメ人間です。解っているんです。でもそんな自分が愛しいんです」という姿勢で、我が番組が大好きな“文学の中のダメ男”の中でもニュータイプ。「何とも憎めませんねぇ」と小川さんと笑ってしまいました。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2012年5月6日
今村夏子
『こちらあみ子』

2012年4月29日
林望
『イギリスはおいしい』

2012年4月22日
ダニエル・キイス
『アルジャーノンに
花束を』

2012年4月15日
葛西善蔵
『子をつれて』

アーカイブ
ふるさとの山に向かひて/渋民村小学校生・斉唱
啄木が卒業し、代用教員もつとめた渋民村小学校の生徒が歌います。オルガンも啄木がひいていたもの。啄木の詩に新井満さんがメロディーをつけました。
ワーグナー:夕星のうた(歌劇タンホイザー)より/バイエルン放送交響楽団および合唱団、ベルナルト・ハイティンク(指揮)
啄木は18歳頃「ワグネルの思想」という評論を新聞に発表。代用教員時代は自宅にワーグナーの写真を飾っていました。「タンホイザー」は蓄音機で聴いたよう。夕暮れの歌も多数。

ふたつのハート/サニーデイ・サービス
「友がみな我よりえらく見ゆる日よ/ 花を買ひ来て/ 妻としたしむ」「さびしきは/色にしたしまぬ目のゆえと/赤き花など買はせけるかな」花を買い、ラブソングがうまい啄木くん。

 
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