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名前も憶えていないクラスメイトが書いた読書感想文の一節を、なぜか明確に記憶しています。読んだことのないお話でも、切り取られたある部分はいつの間にかひとりでに、頭の隅っこに住みついていたりします。宮沢賢治とその作品の存在は、こんなふうにとても自然に私たち誰もの中に根付いていて、それってすごいことなのではないかとあらためて思うのです。賢治の作品で出会うきらきらしたものたちを子供は宝箱にそっと収め、それらに再会した大人は忘れていた宝箱の存在を思い出す。そんなふうに思いました。作品を手に取り、声に出す小川さんの表情のやわらかさ。数え切れないほどの本を読んできた小川さんでもやはり宮沢賢治は別格のようです。
(アシスタント:小山ジャネット愛子)

2016年2月14日
馬場のぼる
『11ぴきのねこ』

2016年2月7日
夢枕獏『陰陽師』
2016年1月31日
タミ・シェム=トヴ
『父さんの手紙は
ぜんぶおぼえた』

2016年1月24日
藤沢周平
『海鳴り』第二週

アーカイブ
ドビュッシー:交響詩「牧神の午後への前奏曲」(後半)/ヴォルフ指揮、ラムルー管弦楽
宮沢賢治没後80年を記念して2013年に発売された「宮沢賢治の聴いたクラシック」というCDブックに、実際に賢治がきいていたSPレコードを再生した貴重なこの曲が収録されています。賢治は教師の給料の大部分をクラシックのレコードをとりよせることに費やし、東京のレコード会社から花巻の小さな楽器店が表彰されたほどでした。賢治は、SP盤のくぐもった音にかえって想像力を刺激されたのかもしれません。
岩手山の大鷲<種山ケ原の牧歌>/シンフォニーヒルズ少年少女合唱団、日本フィルハーモニー交響楽団、大友直人(指揮)
宮沢賢治作詞作曲(富田勲:イーハトーヴ交響詩より)
森の熊さん/坂田おさむ、ひばり児童合唱団
「なめとこ山の熊」たちも、この曲の熊さんとおなじようにやさしい熊でした。
 
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