地震や大雨などの災害が起きた時に、下水道が使えなくなったり、
使う事を自粛するよう自治体から要請が行われたりする事があります。

「実際にそのような事が起きた場合の行動や事前にできる備え」についてお伝えします。

大きな地震が起きると地中にある下水道管が破損したり、
下水処理施設が被災して使えなくなる場合もあります。
東日本大震災で被災した自治体では、下水道の仮復旧までに
平均34日間、最大123日かかったというデータがあります。

また、台風や豪雨などの被害では、
大量の雨水が下水管に流れ込んで、排水機能が追い付かなくなり、
下水が流せなくなるといった事だけでなく、
トイレやお風呂から汚水が逆流してしまう事もあります。

そうした場合は、できるだけ排水を控える事が必要です。
汚水が逆流する前には、「ゴボゴボ」と音が聞こえる事があります。
これは一時的に下水内の水量が増加する事で空気が押し出されて出る音です。

こういった音が聞こえたら、水を流さない様にして、
ビニール袋に水を入れ、口を結んだ「水のう」で、
排水口をふさぐと下水が噴き出す事を抑える事ができます。

特に大きな地震の時には、目でみて特に問題がなさそうでも、
配管など見えない場所が破損している事もあります。
マンションの場合は、トイレに水を流すと汚れた水が逆流して、
下の階のトイレからあふれ出る事があります。
トイレが流せる状態でも流す事は控えて非常用トイレを使用しましょう。

自宅から離れた下流の下水管が破損していたり、
下水処理施設が機能できなくなっている事もあります。
自治体からの情報をこまめにチェックして
下水道を使用して良いか確認してから使う様にしましょう。

トイレ以外に、キッチンやお風呂場などの水回りでも、
できる限り排水を控えましょう。生活用排水を抑えるには、
なるべく水を使わないようにする事です。

食器に、食品用のラップやポリ袋を被せて食事をする。
調理道具は、アルコールティッシュで拭く、
濡れタオルやウエットティッシュで身体を拭くなどの工夫で
生活する際に使う水を極力減らす事ができます。

最後に、下水道が使えなくなった場合に備えて、
事前にできる備えをご紹介致します。
家族4人の場合です。
災害備蓄の備えは、一般的に7日間を目安に準備する事が推奨されています。
まず、簡易トイレの準備です。
1日あたりのトイレの回数を5回程度とすると140回分です。

次に、飲み物、調理用水と生活用水です。
1人あたり、1日3リットルが目安で
計算をすると84リットルが必要になります。
生活用水は、特に推奨される備蓄量はなくあればあるほど良いです。
日頃から空のペットボトルに水道水を詰めておくなど備えがあると安心ですね。

今日、お伝えした準備だけでなく、
下水道を使用して良いかなどは自治体のWEBサイトや
SNSの公式アカウント、ラジオや防災無線、
防災メールサービスで確認する事ができます。
災害時に誤った情報に翻弄されないように、
信頼できる情報源を事前に把握しておきましょう。


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