能登の瓦 利用再生プロジェクト

能登半島地震から2年になるのを前に


能登の瓦を再利用するプロジェクトが進んでいます。


石川県珠洲市でこのプロジェクトを取材したTOKYO FM 鈴木晶久記者です。


鈴木:能登半島地震で壊れ、解体された家からまだ使える瓦を回収して、

その瓦を再び屋根などに使おうという取り組みです。





手島:能登に行ったとき、私も、黒い屋根瓦の家が並んでいて、

その家が地震で倒壊してしまっているのを見ました。


鈴木:能登の瓦はその黒色が特徴の一つ。黒は釉薬(ゆうやく)=うわぐすりの色で、それが表と裏、両面にかけられ、高温で焼かれていて、とても強度=強さがあるものです。風や雪に強く、沿岸部での塩害=塩の害にも強い瓦です。珠洲市で見ると、つやつやしていて、そこに陽の光があたるとキラキラします。珠洲市などでは古くからこの能登瓦を能登の土で作っていて、一般的な瓦より大きいものです。


手島:その強さがある瓦だから地震で家が壊れてしまっても瓦は割れずに残った、ということもあるのでしょうね。


鈴木:そうですね、数多く見られたそうです。その能登瓦を「まだ使えるのにもったいない」という声があって、能登の文化として黒い瓦を残そうと活動しているのが一般社団法人瓦バンクです。代表で、鬼瓦職人の森山茂笑さんは、プロジェクトで集めた能登瓦を前にこう話していました。




【素材:「職人」23秒 アナ尻:~試行錯誤している状況】


能登はこの黒瓦。これも同じ能登瓦。見るからにちょっと傷んでる。さすがにこれをまた屋根にというのはなかなか選択肢としては厳しいので、別の使い方に。たとえば、ランドスケープとかお庭に。試行錯誤している。



手島:黒い能登瓦を屋根にあげるだけでなく、さまざまなかたちで再利用するということですね。
   




鈴木:割れてしまっている瓦はアート作品に使う、ということもあるそうです。


   石川県珠洲市では、地震で壊れた家の解体が進んできています。瓦バンクには寄せられる声は瓦を回収してほしいというものから最近は違うものになってました。瓦バンクの瀬尾裕樹子さんです。


【素材:瀬尾さん 27秒 アナ尻:~試行錯誤している状況】


この秋こえたくらいで(能登瓦を)使えないかという相談が増えてきている。数枚、数十枚の補修レベルであればおそらく用意できると、お譲りしている。屋根としては地域のものを地域の人たちが地域の文化として使っていくことの役に立てるのは第一希望としてある。


鈴木:取材をして、見慣れた風景から黒い屋根瓦が減っていくのは寂しい。それをもう一度、あの黒井屋根を作ろうと能登の綺麗な風景、日常が少しでも戻ってくると、心の復興になるかなと。瓦バンクでは、珠洲市内の仮設住宅の隣に建てられた集会所の屋根に。集めた能登瓦をふいたそうです。今後、瓦バンクでは、回収した瓦をどう使っていくかが活動のポイントになってくるそうです。
   
手島:来週も、石川・珠洲での瓦バンクの取り組みを紹介します。

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