内水氾濫に備える

今朝は、「内水氾濫」についてお伝えします。



熊本県の中心部では、今週10日の夜遅くから雨が急激に強まり、


中心部にある住宅街や繁華街などで浸水被害が相次ぎました。


調査の結果、周囲よりも標高が低い場所だった上、


記録的な大雨によって


排水が追い付かず、内水氾濫が起きたとみられる事が分かりました。



内水氾濫とは、下水道の排水能力を上回る降雨があった場合や


雨水の排水能力に余裕があっても、


河川の水がいっぱいになって、


排水出来ない場合に市街地内で浸水が起きる事を言い、


下水道・用水路・マンホールなどから水が溢れだす現象です。



例えば、


2019年の台風19号によって起きた、


武蔵小杉駅周辺の浸水被害もそのひとつです。



増水した多摩川の水が下水道を通って逆流し、


下水と一緒になって市街地にあふれだしました。



内水氾濫が起こりやすい場所は、


  • 谷やくぼ地など周辺と比べて対照的に標高が低いところ。
  • 下水道の排水能力が低い場所
  • 下水道や水路が大きな川に流れ込む水門などの周辺です。




最近では、全国で浸水した建物の6割以上が内水氾濫によるものとされ、


さらに、東京都では、内水氾濫の被害が8割と言われいます。



いままでは、


大きな河川の氾濫を心配するケースが多かったですが、


最近は中小河川や内水氾濫が起きるケースが増えています。



短時間の記録的な大雨に対しては、


排水機能をいくら向上させても対応は難しいと指摘する専門家もいます。



内水氾濫用のハザードマップもあるので、


お住いの地域のリスクを知る事や確認する事でいざという時に備えましょう。



また、家庭内でできる対策として、シンクやふろ場の排水溝から逆流する、


「逆流浸水」を防ぐ、水嚢を置くのも一つの手段です。



水のうとは、土嚢=土にかわって水を入れた袋の事を言います。


水嚢の効果としては、洪水や内水氾濫の際に家の外に設置する事で


侵入してくる水の流れを止めてくれるというものです。



作り方は、簡単です。



45リットルのごみ袋2枚を重ねて、


20Lの水を入れ口を縛って水嚢を作ります。


その後、浸水を防ぎたい場所、特にドアの周りや窓の下などに設置しましょう。


その他、トイレや


お風呂の排水部分、キッチンのシンクに使用してみてください。



すいのうは、確実に密着させるため、


隙間ができないような配置が理想的です。


内水氾濫の可能性がある地域に住んでいる方は、


使用方法を確認しておくといざという時に役に立ちます。






もし、家の近所で内水氾濫が起きて浸水していたら、


無理をせずに、


自宅あるいは頑丈な建物の上層階へ逃げる垂直避難が基本です。



ただ、垂直避難はあくまでも逃げ遅れた場合の最終手段ですから、


早め早めの避難ができるように、


気象庁から出される情報や、


日頃から防災への意識を一段高く持っておきましょう。




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