災害時の心理「正常性バイアス」とは?

2週続けて台風が直撃しましたね。
18号19号と、どちらの台風でも
多くの地域に避難勧告や避難指示が出されました。
ただ、実際に避難した方は
とても少なかった現実があります。
何故なのか?
そこには「正常性バイアス」というキーワードが
関係しているそうです。
お話を、災害心理学者の広瀬弘忠さんに伺いました。

 災害時に「正常性バイアス」という
 心理的な働きがあります。
 日常生活を送る上では色々な危険や不安があり、
 それをいつも気にかけていると精神的に安定せず、
 ストレスが過剰になるとノイローゼに・・・と、
 障害が起こります。

 日本のような特に安全な社会の中では、
 なるべく安心したいという気持ちが強くなる。
 だから、色々な危険の芽があっても、
 それを自分の都合のいいように解釈してしまいます。
 危険があってもなかなかそれに気づかない、と言うのが
 正常性バイアスの基本的な枠組みです。

 例えば東日本大震災でも、
 津波の常襲地域=津波が頻繁に襲ってくる地域では
 地震が起きたらすぐ津波と言うことを連想しています。
 災害文化というものがあるはずなのですが、
 やはり自分が安心したい、
 一難去ってまた一難ということはあり得ない、と
 思っている訳です。
 そのために、場所によっては
 1時間以上の余裕があったにも拘らず
 逃げ遅れてしまったということがあります。

 大きな災害でも小さな災害でも事故でも、
 常に我々は「安心したい」ということで、
 安全を無視してしまうということがあります。
 これが正常性バイアスの基本です。


安心したいという気持ちが、安全を脅かしてしまう現実・・・
10月23日で新潟県中越地震から
丸10年を迎えることもあります。
どうすれば災害に強い人になれるのか、
来週も広瀬さんのお話を元に改めて考えます。

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