NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

今、仕事も家庭も自分磨きにアクティブな生き様を実践する女性達。そんな女性達がいつまでも輝く心と勇気を失わず、体も心も健康な毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを送るのが、このノエビア カラーオブライフ。「生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと」をテーマにした、トークや音楽、話題、情報などが満載です。

TOKYO FM

NOEVIR Color of Life

EVERY SAT / 09:00-09:30

唐橋ユミ

今、仕事も家庭も自分らしく、いきいきと生きる女性たち。いつまでも輝く心を失わず、心も体も充実した毎日を送るため、各界を代表して活躍する女性ゲストが自らの言葉でメッセージを伝えます。“生きること、輝くこと、そして人生を楽しむこと”をテーマにした、トークと音楽が満載のプログラムです。

Guest上原ひろみさん

上原ひろみさん

1979年静岡県浜松市生まれ。
6歳よりピアノを始め、同時にヤマハ音楽教室で作曲を学ぶ。
1999年にボストンのバークリー音楽院に入学。在学中にジャズの名門テラークと契約し、2003年にアルバム『Another Mind』で世界デビュー。
2011年には2作連続参加となったスタンリー・クラークとのプロジェクト作『スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ』で第53回グラミー賞において「ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム」を受賞。
2021年には「東京2020オリンピック開会式」に出演。また、2022年よりワールドツアーも本格的に再開。2023年には映画「BLUE GIANT」で音楽監督を務め、第47回日本アカデミー賞において「最優秀音楽賞」を受賞。
同年、新プロジェクトHiromi’s Sonicwonderとしてのアルバム『Sonicwonderland』をリリース。アメリカの放送局NPRが企画する人気プログラム「Tiny Desk Concerts」にも出演し話題となった。

上原ひろみとジャズレジェンドたち

2025/04/12
世界を舞台に活躍し続けるピアニスト・上原ひろみさん。
ニューアルバム『OUT THERE』をリリースし、「Hiromi’s Sonicwonder」として精力的な活動を展開する中、今回は、上原さんの音楽人生を形作ってきた「出会い」について伺いました。
そこには、数々のジャズレジェンドとの忘れられない物語が!

■ チック・コリアとの衝撃的な出会い
高校生のとき、偶然が生んだ奇跡のような出会いを果たしたのが、ジャズ界の巨匠チック・コリア。
東京でピアノのレッスンを受けていたビルで、チック・コリアがリハーサルをしていたと聞きつけた上原さん。
「彼が同じビルにいるって聞いて、会いに行ったんです。ピアノがあったので、何か弾いてみてと言われて即興で演奏したら、彼が入ってきて…一緒に演奏してくれました。」
翌日のコンサートに誘われ、そのまま共演へと、信じられない展開に。
「最初の印象は、優しいおじさんって感じでした。本当に物腰が柔らかくて、“弾いてごらん”って気さくに声をかけてくれて」
その後、10年の時を経て、2人は再会を果たした二人。ライブフェスでの共演後、チック・コリアから「アルバムを作らないか」と声をかけられ、正式な共演作品が実現しました。
「彼と演奏するたびに、自分の“語彙”がどれだけあるか試されている気がするんです。チックは、まるで巨大な図書館のような人。いつも、新しい言葉(音)が出てくる」

■ 世界に踏み出した転機、バークリー音楽大学へ
1999年、上原さんは日本の大学を中退し、単身ボストンのバークリー音楽大学へ。これが、人生の大きな転換点になりました。
「世界中から、同じ志を持った人たちが集まっていて本当に刺激的でした。音楽しかない生活。ご飯を食べながらも音楽の話をしてました」
卒業直前には、伝説的なピアニスト・アーマッド・ジャマルと出会い、彼のサポートを受けてプロデビューを果たします。
「ジャマルさんは“音楽の探求者”という感じで、常に新しい音を求めていました。“今までで一番の演奏は?”と聞かれて、“次の作品”と答えるような人なんです。80代でもそうだった。私、いつも“大人になったらあなたみたいになりたい”って言ってました」
彼は、上原さんのデビューアルバムのプロデューサーも務めています。

■ 原点にあるジャズの“スイング”
そんな上原さんが初めてジャズに触れたのは、なんと8歳のとき。
音楽教室の先生が聴かせてくれたオスカー・ピーターソンのアルバム『Porgy and Bess』がその原点でした。
「それまでは、音楽で身体が自然に動くなんてことがなかったのに、その時、思わず体が揺れて“楽しい!”って思ったんです。それが“スイング”というものだと、後から知りました」
のちに、憧れのオスカー・ピーターソンとステージで共演。オープニングアクトを務め、演奏後には一緒にステージに立ち、客席へお辞儀も交わしました。
「もう夢のような時間でした。ショパンやベートーヴェンと並ぶ存在だと思っていた人に、実際に会えて、一緒に演奏までさせていただけて…信じられない時間でした」

■ ロックギターに憧れて
影響を受けた音楽は、ジャズだけではありません。
フランク・ザッパ、ジェフ・ベック、ピート・タウンゼントなど、ロックギタリストにも強く惹かれたといいます。
「ピアノは、弾いた瞬間が一番大きな音。でもギターは違って、音を曲げたり、伸ばしたりできる。そこにすごく惹かれたんです」
その影響から、上原さんはピアノに加えてシンセサイザーやキーボードでも音を表現するようになります。まるでギターを奏でるように、鍵盤で“音を曲げる”アプローチを模索し続けているそうです。

■ 音で語り、音で通じ合う
「音楽は、言葉と同じ“会話”だと思っています。言葉の語彙が少ないと話せないように、音楽にも語彙が必要なんです」
上原ひろみさんが語る“語彙”とは、音を使って気持ちを伝えるための手段。
チック・コリアとの出会い、アーマッド・ジャマルとの時間、そして憧れのピーターソンとのステージ——それぞれの出会いが、上原さんの音楽の「言語」を育ててくれたようです。
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上原ひろみさんが語る日常、そしてHiromi’s Sonicwonderのこと

2025/04/05
世界を舞台に活躍するピアニスト・上原ひろみさん。
前回お迎えしたのは、2021年の東京オリンピック開会式の年。そこから3年半の間にも、ライブ活動、映画音楽、新プロジェクト「Hiromi’s Sonicwonder」の結成など、ますます精力的に活動されています。
今回は、彼女の日常や音楽への向き合い方、そして最新アルバム『OUT THERE』に込めた思いをうかがいました。

■ 東京とニューヨーク、2つの拠点と朝のルーティン
現在、上原さんは東京とニューヨークを拠点に生活されている上原さん。
週末やオフの日の朝は、必ず「豆を挽いてコーヒーを淹れる」ことから始めているのだとか。
ピアノにはほぼ毎日触れており、作曲や“遊び弾き”を含めると、1日中ピアノと向き合っている日もあるそうです。

■ ライブ再開と「Hiromi’s Sonicwonder」
2022年以降、ライブ活動が本格的に再開し、再び世界中を旅する日々を過ごされている上原さん。
今回最新アルバムをリリースされたのが、4人編成のバンド「Hiromi’s Sonicwonder」です。

ベース:アドリアン・フェロー
ドラム:ジーン・コイ
トランペット:アダム・オファリル

アダムには、「会った瞬間、“何か起こる”と感じたんです。すぐに“ぜひ一緒にやってほしい”とお願いしました」
という上原さん。音楽での相性は、日常の会話ととても似ているそうで
「価値観や趣味が違っても、音で通じ合えればいい。それが音楽の面白さです」と語ってくださいました。

■ “化学反応”を信じて音を交わす
Hiromi’s Sonicwonderでは、ライブ中に互いの出方に即興で反応しながら、音を膨らませていく演奏が展開されます。
「“そう来たか!”という予想外の展開に、みんなニヤニヤしながら応じています。まるで音楽で会話をしているよう」
年齢や国籍が違っても「通じ合う感覚」があれば、音楽は成立する――。
上原さんはその“ケミストリー”を何よりも大切にしていると話します。

■ キーボードだからこそ、客席と“目が合う”
ライブでの上原さんは、体全体で音楽を表現しているのが印象的。
キーボードを演奏する際は、観客と正面で向き合うことが多く、お役さんの反応がよく見えるのだとか。

「演奏中に、“この子、今ドラムに恋をしたな”っていう瞬間があるんです。目の輝きや表情から伝わってきて、こちらも嬉しくなります」

■ ニューアルバム『OUT THERE』に込めた思い
2024年4月4日にリリースされたニューアルバム『OUT THERE』は、Hiromi’s Sonicwonderとしての2作目。

「今ここではないどこか”に向かって進んでいくような、ポジティブな気持ちを込めました」
という上原さん。
1作目では理想のメンバーを探して曲を作ったのに対し、今回はメンバーと演奏する前提で曲を書いたという違いも。
「まるで“キャスティングが決まってから脚本を書く”ような感覚でした」とお話しくださいました。

音楽で世界を旅しながら、聴く人と“音で会話”をしている上原ひろみさん。
ニューアルバム『OUT THERE』、ぜひチェックしてみてください!
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映画「BLUE GIANT」、そして矢野顕子との共演

2025/03/19
今週も世界的ピアニスト・上原ひろみさんをお迎えして映画『BLUE GIANT』の音楽制作秘話や、シンガーソングライター矢野顕子さんとのコラボレーションについて伺いました。

音が聞こえてくる漫画との出会い
上原さんが『BLUE GIANT』と出会ったのは、原作漫画の1巻が発売された当時。ライブに訪れた原作者と編集者を通じて作品に触れ、「音が聞こえてくる漫画」という印象を持ったと語ります。その後、楽譜制作の相談を受けるなど、自然な流れで映画版の音楽制作に携わることとなりました。
映画では、上原さん自らが音楽を担当し、サックス奏者の馬場智章さん、ドラマーの石若駿さんとともに演奏。キャラクターの成長や個性を音で表現するために、「演じるように演奏する」難しさがあったと振り返ります。「もっと下手に聞こえるように」演奏するよう求められるなど、音楽表現の新たな挑戦がそこにはあったと言います。

「読んだ人の数だけ音がある」
原作ファンの多くがすでにそれぞれの中で音を思い描いていたこともあり、「読んだ人の数だけ正解がある」という思いで音楽制作に臨んだといいます。その中で、ファンから「この音でよかった」との声を受け取ったことは、何より嬉しかったのだとか。

矢野顕子さんとの“音のマーブル”
番組後半では、上原さんの音楽的パートナーである矢野顕子さんとのエピソードについて。
2004年のテレビ番組での出会い以来、20年にわたり共演を重ね、3枚のアルバムをリリースしてきた2人。
上原さんは、矢野さんとの関係を「どんどん良くなっているコンビ」と表現。
矢野さんの素晴らしい演奏に伴走するような感覚で、演奏中に心でつながるタイミングがあるのだとか。
「1枚目より2枚目、2枚目より3枚目と、音がより深く重なり合ってきた」と語り、その関係性は「色が混ざっていくマーブル模様のよう」なのだとか。

5月11日には、東京・NHKホールで「矢野顕子×上原ひろみ TOUR 2025 – Step into Paradise」が開催されます。
上原さんは「アルバムの曲を中心に、矢野さんいわく“ヒット曲を混ぜて”」披露する予定とのこと。演奏の主導権はどちらが握るというよりも、「今は私、次はあなた」という絶妙なバランスで作られていくんだそうです。
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