プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

先週に引き続き、東京からはるか1000キロ南、小笠原諸島・父島在住の写真家・映像作家、MANA野元学さんのインタビューです。
「東洋のガラパゴス」とも言われ、独自の進化を遂げた生物・生態系をもち、世界自然遺産にも指定されている小笠原諸島。
きょうは、この島で暮らす生き物たちのお話、いろいろ伺っていきます!


〜小笠原でしか見られない固有種はどれくらいいるのですか?
 小笠原の固有種は昆虫で全体の28%、植物で36%、鳥類は100%なんですね。鳥は8種類しかいません。哺乳類も1種類しかいませんが、それも固有種です。陸産貝類・かたつむりは94%が固有種です。
 小笠原の凄いところは生活圏の中にも固有種がたくさん見られることなんです。僕が好きなのはアカガシラカラスバトという固有種です。森に住んでいるハトの仲間で、公園にいるハトよりもひとまわりかふたまわり大きくて、黒い色をしたハトです。光によっては頭から首筋まで虹色に輝くんですね。アカガシラカラスバトという名の通り、頭が赤いワインレッドの色をしています。小笠原の固有種で国の天然記念物でもあるんです。島では”赤ぽっぽ”という可愛らしいニックネームが付いていて、みんなに親しまれています。
 以前は幻の鳥と呼ばれて、数が非常に少なかったんです。2008年から本格的な保護保全事業が始まったんですが、その当時は地球上で40〜60羽しかいないといわれていました。固有種だから小笠原にしかいない。ということは地球上で小笠原にしか見られない。それが40から60しかいないといわれていました。それを絶滅させないために2008年に行政、研究者、環境NPO NGO、地元の人たちが一堂に会してアカガシラカラスバト保全国際ワークショップを開きました。そこである1つの結論に達しまして、それを実行したことによって少しずつですがアカガシラカラスバトの数が回復してきたんです。それは野猫と呼ばれる野良猫、野生化した猫を島から捕獲をしてなくそうという事だったんですね。というのは、アカガシラカラスバトはちょっと変わった鳥で、地面を歩いて餌を探す時間がものすごく長い。もともと天敵は小笠原の生態系の頂点にいる猛禽類のオガサワラノスリだったのですが、それも天然記念物で小笠原諸島の固有種でこちらも絶滅危惧種です。その鳥が唯一アカガシラカラスバトの天敵で、猫はもともと島にはいませんでした。猫は人間が持ち込んだんです。通常、アカガシラカラスバトが森の中を歩いて餌を食べているぶんにはは、天敵であるノスリに見つかる確率が非常に少ない。上を木が被っているからです。ですので、警戒心なく無防備に餌を食べているところを猫に襲われてしまうんです。僕は写真をずっと撮り続けているんですが、山の中でじっとしているとその鳥が現れてエサを食べます。時々僕の目の前を通っていくときもあります。ある時なんか、餌を探して食べるのに僕の足の上をトコトコ歩いて行ったこともあります。それぐらい無警戒なので猫がいると簡単に捕まってしまうんですね。ということで数百の猫を捕獲しました。そうするとハトの数が少しずつ回復してきました。10年後の今は400とか500羽ぐらいいるんじゃないかと推定されています。10倍増えてすごいと思うかもしれませんが、それでも自然界ではいつ絶滅してもおかしくない数字です。とりあえず猫が野生化したものを100%排除して、東京の獣医師の先生のところに連れて行くために船会社の協力があったり、いろんな方の協力で猫を最終的に里親のところに引き渡します。そして猫たちは、また幸せな第二の人生を送るということをやっています。


〜猫以外にも問題になっているものはありますか?
 特定外来生物に指定されているグリーンアノールというトカゲの仲間です。カメレオンのように色が変わって、茶色だったり緑だったりします。それが小笠原の昆虫をパクパクと食べてしまうんです。食欲が旺盛で繁殖力がものすごい。そのために絶滅してしまった昆虫もいます。オガサワラシジミと言う蝶々の仲間がいたんだが、以前は父島でも少数ですが、見られていましたが、グリーンアノールに食べられてしまって父島では見られなくなってしまいました。グリーンアノールは外国から来る貨物船に紛れて入ってきたようです。今はグリーンアノールがこれ以上奥に入り込まないように柵を設置したり、トラップを仕掛けたりいろんなことをやっています。

MANA野元学さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。来週も続きをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Don't Lie / Black Eyed Peas
・大空で抱きしめて / 宇多田ヒカル
今週は、東京からはるか1000キロ南に浮かぶあの島。小笠原諸島・父島の空気を感じていただきたいと思います。
お話を伺うのは、MANA野元学さん。父島在住の写真家・映像作家です。およそ25年間にわたって、小笠原諸島の美しい自然や貴重な固有の動植物、野生のイルカやクジラの撮影を続け作品を発表されていて、ネイチャーガイドもされています。そんなMANA野元学さんに小笠原の森や自然、魅力や楽しみ方まで色々伺いたいと思います!


〜父島には船でしか行けないのですか?
 島には飛行場がないので船でしかし島には渡れません。2016年に船が新しくなって、それまでは25時間半かかっていたんですが、少し短縮されて24時間になりました。丸一日ですね。

〜もともとはハワイに拠点を置いてフォトグラファーとして活躍されていたそうですね。その後小笠原諸島に通って撮影を続けて、小笠原に移住されたそうですが。
 気がついたら小笠原に住んでいました。ハワイも良い所でしたので長く住んでいたんですが、その時はプロフェッショナルサーフィンとか、ウィンドサーフィン、スノーボーディングといった動きのあるスポーツを撮影していたんですね。ある時、25年前になるんですが、日本の雑誌社から小笠原で撮影をしてくれないかという依頼があって、初めて小笠原に行ったんです。そこで1度目で小笠原大好きになっちゃっいました。島の人たちは、船が小笠原についてその船が東京に帰るまでを一航海と呼んでいて、それが6日間なんですが、僕たちは二航海12日間の予定で島にいたんですが、いろんなところを探検したりサーフィンをしたり、島を見て回っているうちにどんどんこの島を好きになっちゃったんです。僕は写真家ですから写真をもっとたくさんあれもこれも撮りたいという思いがどんどん強くなって、編集者の人に無理を言って「フィルムだけ持って帰ってください、僕は残っていいですか?」ということで1人で残っちゃったんです。それからいちどフイルムの仕上がりをチェックするために東京に戻って、それが終わったらまた島に戻ってきて、そこから、島と日本とハワイと行ったり来たりという生活が始まったんです。

〜本当は帰る予定だったに、なぜ島に残ろうと思ったのですか?
 いちばん最初に虜になったのは、小笠原に初めて来て、イルカと一緒に泳いだということなんです。ハワイにももちろんイルカはたくさんいるんですけれども、一緒に泳いだことはなかったんです。小笠原で初めてイルカと泳いで、写真を撮ったんですが、その時の印象がものすごく気持ちが良くてですね、その1回で虜になってしまいまた。それがきっかけで小笠原が大好きになって、何度も何度も通ううちにに、小笠原の絶景、小笠原にしかいない生き物、クジラ、そういった小笠原のいろんなものに興味が出てきたんですね。

〜小笠原は2011年に世界自然遺産に登録されましたが、その理由が固有種が多いからだそうですね。
 固有種というのは、その場所でしか見られない生き物、動植物の事で、小笠原はその宝庫なんです。地球上で小笠原諸島にしか見られない生き物動植物がたくさんあるんです。
 小笠原諸島は海洋島、島が誕生してから1度も陸地とつながったことがない島です。4400〜4800万年前に島が誕生したんですが、誕生してから周りの陸地と1度もつながっていない。全部海に囲まれて太平洋の真ん中にぽつんとした島。だから生き物がなかなかたどり着けないんです。陸続きですといろんな生き物、動物なんか足があるのは歩いて行ったり来たりできるので同じような種類がいろんなところにいるわけです。植物も同じ種類のものが広い範囲で見られますが、広い海が周りにある所というのはなかなか偶然じゃないと生き物ってたどり着けないんですよ。運良くそこにたどり着いた生き物が長い年月をかけて、その場所に適応するように進化をするんですね。そうした進化をしたものが独特な違うものになっていく。そういうものを固有種というんですね。有名なところですと、ガラパゴス諸島、ハワイ諸島なんかもそうです。だからガラパゴスやハワイでしか見られない生き物もたくさんいますね。


MANA野元学さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・As You Are (feat. Shy Carter) / Charlie Puth
・High on Life / Def Tech
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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