プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

10年続いたこの番組も今日で、最終回!

たくさんの森の賢人たちにご登場いただきましたが
最後はやっぱり、世界が認める“フォレストヒーロー”に再会したい!
ということで、宮城県気仙沼からのレポートです!

ご登場いただくのは・・・
「森は海の恋人」代表、畠山重篤さん!
そして、森でゴリラと暮らした経験もある“ゴリラ研究”の第一人者、
京都大学総長を経て、現在、総合地球環境学研究所所長・山極壽一さん!


(世界が認める“フォレストヒーロー”・畠山重篤さん)


(ゴリラ研究の第一人者・山極さん)

今回は、気仙沼・舞根湾に注ぐ、
川の流域をめぐる「新たな森づくり」についてご案内いただきます!




(フォレストヒーロー・畠山重篤さんと共に、いざ、舞根湾を出発!)

高橋:船はいまどこへ?

畠山重篤さん:太平洋!まっすぐいくとカリフォルニア!(笑)

あの向こうに室根山という900mの山があり、そこに降った雨が大川を通して、
この海へ来ているんです。川から来る森の養分が海に来て、
もうひとつの森が沿岸域の海にあるということですね!
ですから緑さえちゃんとしていけば、この国はなんとかなる
というのが結論ですね。


NPO法人「森は海の恋人」の代表が、気仙沼の牡蠣漁師・畠山重篤さん。
国連のフォレストヒーローとして世界的にも有名な方です。
豊かな海は、そこに注ぐ川、その川の上流の「森」が大切だという
考えのもと、環境保全の取組みを続けています。

今回はこんな感じで、まずは船に乗って舞根湾の海から森を見て、
それを踏まえて、今度は海にそそぐ川を遡り、森の中へと案内していただきました。
森を案内してくださったのは、森は海の恋人・副理事長の畠山信さんです。



(左から山極壽一さん、畠山信さん、万里恵さん)


(ここからが本番!森へ入ろう!」

畠山信さん:ここは西舞根川です。
この2.5キロ先が源流になって、一滴目がでるのがそのくらい先です。
だいぶ放置された杉林もあるので人の手で回復を促していく
保全活動として活動をはじめたところです。



(川の全長は2.5辧

高橋:歩いて来て、杉林を抜けると開けた場所が!!

畠山信さん:距離としては1キロ程度だが、
流域保全としてベースキャンプを作っている場所です。
スギを植林した跡地で放置されていたのを、間伐しました。
全部一気に伐採すると土壌侵食してしまう懸念があるのでゆっくり、
学術調査しつつ間伐、森作りをやっている場所です。
逆に真っ暗な森はそれに適した生態系になるので、
大型哺乳類のたまり場になっている場所は一部残しつつ、
明るい林をできるだけ多く作っていこうというのが「森へ入ろう」という活動です。

ゴリラの生息地としてどうですか?


山極さん:ゴリラの生息地としては・・・
ゴリラは木の上のフルーツを食うかセロリやあざみを食べるから杉林は適さないね。
フルーツ生らないし、下草が生えない。日光が届かないから。
でも雑木林なら充分住むことが出来ると思うよ。
ゴリラはサラダボウルに住んでいると言われる。
野生のサラダがいっぱいあるから食べ物に困らない



(ベースキャンプ場)

畠山信さん:魚はアユ、ヤマメ、うなぎがここに上ってきます。
あと日中なので見えにくいですが川エビがいてその研究もしていて
キタノスジエビという新種が見つかっています。
川で生まれて幼生が一度海へ行って戻ってくる生態をもっています。
ちょうど今産卵して大きくなったエビが川をのぼっていくシーズン。
水の流れが早いところは避けて陸上を歩行して
ロッククライミングして上流を目指すのが見られます。
24時間観測すると夜中の1時頃にのぼり
2時、3時がおそらくピークだと思うけど、
3時くらいになると人間の方がお酒飲んでしまうから
調査にならないんですよね(笑)



(川エビの遡上も今がピーク!)

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ベースキャンプのある場所は昔、人が使っていた森・里山でしたが、
その後放置され、荒れている場所をもう一度、人が手を入れている場所です。
「森へ入ろう」という活動についてさらに詳しく畠山信さんに聞きました。


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畠山信さん:「森へ入ろう」を立ち上げた理由は、
教育効果と、生物多様性への貢献、この二つが大きな理由です。
だいぶ、先の話になりますが、
それを流域単位のツーリズムみたいなところまで、
学べて、楽しく、美味しいものもある、
その奥深さをさらに掘り下げられるような、
人が来れば来るほど自然環境が良くなっていく、
経済的なサイクルも作りたいと思っています。


高橋:スタートしたのが、2020年。
もうすぐ3年ですが、その3年でも変化はあります?


畠山信さん:そうですね。3年しか経っていないんですが、
あきらかに変化が起きたっていうのは、
明るくなった瞬間にそこだけスポット的に下草が生えてきました。
暗い森の中にスポット的に明るい場所が出てきたので
私、昆虫が専門なんですが、
周りが暗いので、砂漠の中のオアシス状態で
明るい場所が好きな昆虫が集まってくるんです。
蝶々は面白いですね〜。林の上、森の木の上を飛んでいる蝶々が
吸い込まれるように降りてくるので。
その場所は大体決まっていて、あとはタモ網ですくえるので、
非常に楽に調査ができます。



(震災で出現した湿地 ここにも多くの生き物が!)

高橋:森ができて、整備され、海に栄養分が行き、美味しい牡蛎ができる。
この循環がモデルケースになるといいなと思います。


畠山信さん:モデルケースを目指してやるのは
僕はちょっと違う気がしていて。
結果論ですね。30年経って、モデルケースになっているか、
ただの山になっているか、
それは30年後に来てみないと分からないですし。
時代によって価値観は変わっていく。
ただ、価値観が変わらないものも、たぶんあると僕は思っていて
僕の生物学の師匠が、普遍的な価値あるものというのは「森」じゃないかな?
という話をしていました。
「森」は価値あるものだと思うんです。
生物のすみかであり、水を保水・供給する源でもありますから、
「森」を消せ!という事には、まずならないんです。
それは、どの時代の昔でも同じ価値観であって
価値観が変わらない、唯一、普遍的価値あるものは何か?と問われたら
それは「自然」だと僕は思います。



(万里恵さんと畠山信さん)

高橋:普遍的なものは「自然」であるというのは
今日、森に入って、その言葉を聞くと「あぁ」と思います。
私たちは、その「普遍的なもの」とどう関わるのがいいのでしょうか。


畠山信さん:おそらく「普遍的である理由」というのは、
遺伝子に組み込まれていていると思います。
「自然が大事」というのは、なんとなく誰しもが持っている感覚だと思います。
さらに一歩踏み込むという事が大事だと思います。
子供たちに向けての環境教育はウチでもやっていますが、
価値観は共有されているけど、じゃあなんで自然は大事なの?
ということを腑に落ちることを「体験」から学ぶ。
もちろん、書物から学ぶことも大事です。
ただ、限界があるので、両輪で学ぶことが大事だと思います。
なので、まずは知ること。ある程度、知識がついたら
一歩踏み出したなと思ったら、本当にリアルな自然の中に出かけて行く。
そこからあとは、自分の生活を見つめ直すこと。
自分がどう、自然と関わっているのか、
自分の言葉で表現できたら、いいんじゃないかと思いますね。



(牡蠣筏から牡蠣を引き上げるといろんな生き物が。)


( 牡蠣がとっても大きいです!!!)


(パカッと開いたら、、、)



最後の放送は、世界が認めるフォレストヒーロー、
畠山重篤さんが代表を務める「森は海の恋人」の森作り活動に
スポットを当ててお送りしました〜。

そして、コレまで番組を聞いてくださった方々から
ほんとうにたくさんメッセージをありがとうございました。

いただいたメッセージは全部、万里恵さん、スタッフ一同、
全て読ませていただいています。


またどこか、森の中でお会いできることでしょう!


(万里恵さん、畠山信さん、そして番組スタッフ)


(準レギュラーといっても過言ではありません。西野文貴さんとも!)

【今週の番組内でのオンエア曲】
・さびしさ / 折坂悠太
今回は、鎮守の森のプロジェクト・植樹リーダーで
林学博士の西野文貴さんに同行取材した模様をお届けします。
場所は、東北・秋田県湯沢市。
この町に工場をもつ、アダマンド並木精密宝石という会社が取り組む森作りを、
西野さんがお手伝いしているということで
その調査に、番組もご一緒させてもらいました。
「森作りにはレシピがある」。
以前から西野さん、そんな話をしていましたが、
秋田県の森のレシピはどんなものなのでしょうか。



高橋:今日は秋田県の湯沢市に来ています!
聞こえます?蝉が鳴いていて夏の名残があります。
この番組では、東北の沿岸部に植樹をして
命を守る防潮堤作りを続けてきましたが、
森を作る原点、なぜそこにこの木たちを植えるのかを、
こちらの方と同行させていただきます。
林学博士の西野さんですよろしくお願いします。
秋田まで来ちゃいました


西野:今日は森のレシピをどう書いているのか、
植生調査を一緒にやっていただきたいなと。
なんで秋田に来たのかというと、
秋田のとある会社が森づくりをしたいということで、
並木里也子さん、通称リリーさんが
「森のレシピから一緒にやりたい」ということで一緒に来ています。




西野:今から、森のレシピを作るために
どういう植生調査するかというと、実際は鳥居の前に。
我々のプロジェクトの名前にもなっている鎮守の森を調査してみようと。


高橋:いつもこれをやられているんですね!

西野:マニアックであんまり公開していないんですけどね。
行ってみましょう。


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秋田県湯沢市の神社を訪れた我々。

森作りには、その土地に本来根付く植物を把握しないといけない。
そして、そんな植物たちが失われず残っている場所が
神社を取り囲む森・鎮守の森。ここを調査してレシピを作るわけです。

ということで、ひとつめの神社を訪れたのですが、
どうもこちらは、人の手で植えられた杉の森で、レシピづくりの参考にならなそう。
そこで早々に場所を移し、2つ目の神社へと向かいました。

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高橋:先ほど神社の植生を調査して、場所を移動してきました。
2つ目の神社は愛宕神社。登って行きましょう。植生調査は?


西野:大きい木があればなお良いですが、
日本も含めていろんなところが伐採しているので、
それよりも、地面からどんどん元に戻っている様子だとか、
それをちょっと見てきます。
周りを見ると、カエデも出てきましたし、
やっぱり常緑がないですね。




リリー:水の音が出てきました。
湧水が出ているんですね。
参道の脇に流れているのが素敵だなと思っています。


西野:調査をする前に必ず参拝をさせていただいているので、ここでも参拝をさせていただきます。

*一同参拝

西野:早速、本殿の周りをどんな木々が生えているのか含めて
歩いてみてみたいと思います。


高橋:西野さん手に何を持っているんですか?



西野:植生調査用紙を持ってきました。
ここに今から森のレシピを作るための、
目の前にある森がどういう状態なのかを
この紙にどんどん落としていこうかなと。
すごいマニアックで。森は4層構造が綺麗ですよね、
じゃあその一番高い木、次に高い木、低い木、草、
それらがどれくらいこの場所にあるのか、
どのぐらい群れているのか、どんな種類がどれくらいいるのかを、
今日はやってみようと思うんですね。
さっきの森は杉林なんですね。目の前も杉林ですが、
でもよく見たら高い木、3メートル、4メートルくらいの
トチノキだとかホオノキなどいろいろ入っています。
全然さっきと違ってミルフィーユ状じゃないですが
階層構造ができ始めているんですね。
これがいわゆる森のスタート、
潜在自然植生の最初を見ているようなものです。
まずは一番高い木が何メートルぐらいあるのかを見ていきます。
「T1」一番高い木は25メートル。
この杉の木がどれだけこの場所を覆っているかを測ります。




高橋:この杉の木がどれだけ青空を隠しているか?

西野さん:そうです。逆に言うと、
青空が20から30%くらいしか見えないと思うんですが、
その場合は80%を覆っているということになります。
こういうのを記入していきます。
次に高い木「T2」がトチノキ。次が「S」で低木ですね。
アブラチャン、カエデの中でもまるでうちわのような葉っぱをしている
ハウチワカエデ、朴葉味噌で使うホオノキも出ていますね。
ほかにもササが出ています。
そして「H」草の類はめちゃめちゃ多いです。
まずはリョウメンシダ、ウワバミソウ、フジ、ヤマイヌワラビ、
ハエドクソウ、チジミザサ、フジ、トチノキ、ハシゴシダ。


高橋:わたしには全部同じシダに見えますが、それだけたくさんの種類がいるんですね

西野さん:そう。こういう感じで調査を
どんどん繰り返していくことによって、
ここのふるさとの森はおそらくこういうもので
構成されているというのを見つけていて、
森のレシピを書いていくんですよ。


高橋:これだけ調べて、どういう苗木を植えていったらいいのかという選定に入るということですね

西野さん:そうなんです。

高橋:リリーさんは森に関する仕事ではないのに、なぜ森を作ろうと、会社の敷地に森を作ろうと思われたんですか

リリー:経営を考えるのは30年、50年先を考えてやっていました。
森づくりを知ったら、全然見える視点が変わったんですね。
100年先、300年先、それから1000年の森を作るという
植樹祭に参加したときに1000年というキーワードが出てきて、
そういったことが考えられるようになったのが
本当に私の中で大きく変化したところだと思います。
それを社員のみなさんと一緒にこれから
100年先続く森づくりをしていくことで、
想いを次につなげていくことができたらなと思っています。


高橋:どんな森になってほしいというのがありますか?

リリー:ふるさとの森というキーワードが
すごく心に残ったと思っています。
みんなの心の故郷だったり、秋田はどんどん過疎化が進んでいますが
故郷の森に帰りたくなるような、
そんな森づくりがしたいですね。


西野:植生調査だけではなくてリリーさんと話をしているのは、
これから先どんぐりを社員の方と拾って、
それを育てたり、どんぐり拾いなら子どもでも参加できるので、
そういう意味では皆が一体となって100年先、
1000年先を見ることなのかなとも思いますね。


高橋:この番組がスタートした時はどんぐり拾いからスタートしたんです。
自分で育てたどんぐりは全然苗木にならなかったんですけど、
お子さんが育てたものを植樹したら、
それは特別な場所になりますよね




西野:今日こうやって植生調査をできる場所が
まだ残されていることが日本の最後の砦というか、
ほとんどの場所が多くは切られて、
それはしょうがないことではあるんですけれども、
下から良い植生が出てきていないということが
場所によってあったりするんですね。
僕はフランスやヨルダンなどいろんなところで森作りをしているんですが、
やっぱり自然の森が残っていないんですね。
なので日本はまだラッキーと言えるくらいかもしれないですよね。


高橋:森づくりができることが日本の価値だと気づいてもらえるとね。何より楽しいしです!

西野:子どもから大人みんなでできるし、
日本人はすごいなと思うのは100年前から明治神宮の森じゃないですが、
150年先を考えて森づくりをしていたので、
ぜひみんなでふるさとの森づくりができればなと思います。


今週は、秋田県湯沢市から、地元企業の森作りと、
そのための調査の様子、お伝えしました。


先週もお伝えしましたが、
いのちの森 voice of forestは、今月をもって終了です。放送はあと1回となります。
本当に長い期間、支えてくださったリスナーのみなさん、ありがとうございました。
番組を聞いてくださっていた方
番組の感想、これまでの印象的な放送回など、メッセージお寄せください。
できるだけ紹介したいと思います。
番組webサイトのメッセージフォームからお願いします。



【今週の番組内でのオンエア曲】
・Hold Me Closer / エルトン・ジョン & ブリトニー・スピアーズ
・あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。/ クレイジーケンバンド

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