プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


今週も先週に引き続き世界をフィールドに活動を続ける写真家・石川直樹さんのインタビューです。
東京・新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで開催中の写真展のお話をいろいろ伺ってきましたが、今回はユーコン川の川下りについて伺います!

 カナダのホワイトホースという小さな町からくだりはじめて、ユーコン川はアラスカへ入りベーリング海へ続いていくんですけど、僕はアラスカ国境直前のドーソンというところまで下りました。二十歳のときにも一度行っていて、去年の夏に20年ぶりにもう一度行ってみたんです。何度も繰り返していくものではないんですが、昔の記憶も薄れてしまうからもう一度行こうと思ったんです。
 一人でカヌーで川を下り、日が暮れると岸辺で野宿をして魚を釣ったりというのは、旅の本質、本島の旅がそこにある感じがあって、面白いんですよね。スケジュールを決められるわけではなく、地図とコンパスを観ながら毎日毎日。「魚釣れるかな?」とか、いろんなものごとを考え、本を読みながら…いい旅なんですよね。
 上流は緑の森の中ですが中流になると広大な風景になり、川の色も茶色になります。それは砂混じで茶色くなっていて、上澄みを取るときれいな水です。そうやって川と密接に付き合う旅もなかなかないので楽しいんです。
 気をつけるのはクマ。食料をテントに置いてはいけないので木にぶら下げたり、匂いのつくものはテントに入れないとかいろんなルールがあります。足跡もよく見るので気をつけないといけないんです。カヌーから岸辺の熊を見たりしますしね。クマの足跡があるところはクマのテリトリーだからテントを張るのはやめます。魚を釣って焼いて食べるときも、ちらかすとクマが来るから、きちんと川に流そうとか、一人で旅をしているけれども、それ以外の環境について思いを馳せることになりますよね。一人でいるけど自然の中にいるということを強く意識します。
 北極ではシロクマにも何度も会っていますが、面と向かうと震えますよ。足が震えて、言葉が出なくなります。そのときは向こうから2〜3mの距離まで近づいて来て、仲間がライフルを空に撃って逃しました。スノーモービルにのってグリーンランドでシロクマに会ったときは、エンジンを鳴らして逃げてもらいました。動物園ではない、檻のないところであうと怖いですね。


〜そんなユーコン川を下る旅では何をしている時間が楽しいですか?
 一日の始まりは朝焼けが見えたりして、漕ぎ出そうというときが不安もあるけど楽しいです。あとは川の上でのんびりしながら釣りしたり、本を読んだりという時間も楽しいですね。焚き火も楽しいし、全部楽しい。毎日ずっと川も流れ続けていて、森で山火事があればすごい煙と匂いがしたり、瀬が出てきて竿を突っ込むといつもつれない魚がつれたり。劇的に変化はしないが川は流れているというのをすごく感じますね。


石川直樹さんのお話、いかがだったでしょうか。インタビューの模様はポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!


石川直樹写真集『この星の光の地図を写す』リトルモア

【今週の番組内でのオンエア曲】
・MINT / Suchmos
・My Church / Maren Morris
今週も先週に引き続き世界をフィールドに活動を続ける写真家・石川直樹さんのインタビューです。
東京・新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで写真展を開催中の石川さん。その写真には、いわゆる「世界の絶景」をおさめたものだけでなく、人と自然・人類の歴史など、独自のアプローチで撮られたものが多いのですが、今日はそんなお話をいろいろお届けします!


 人がなかなか行かない場所に行くということは、ガイドブックなんかもないですから、情報を得られるのは人類学の論文だったり、民俗学の論文だったりします。なので、意識しなくてもそこに接続していくのがあるんです。例えばパキスタンの山奥の情報はあまりないし、各地の小さなお祭りなんかも人類学や民俗学の視点がどうしても必要になってくるわけですね。

〜いろいろな場所の、何万年も前の私たちの祖先が描いた壁画を写真に収められていますね。
 旅をするというのは移動する事ですが、古代の人が直接描い壁画だったり、手の痕跡だったりを見ると時間をさかのぼる旅をしていくような感覚があって、今までの山登りとかとはまた違う、タイムマシンではないけれども、そういう旅をしているような感覚になりますよね。

〜動物も様々に描かれていますよね。
 おまじない的な意味合いもあるみたいで、動物を捕りたいという強い願いを込めて描かれた壁画だと言われていますね。

〜数々の壁画を見ている石川さんですが、一番印象に残っているのは?
 世界中に手の壁画があるんです。。ヨーロッパにも中央アジアにも北米にも南米にもオーストラリアにもあって、それがすごく不思議なんです。壁に手を置いて、口に顔料を含んで唾液と一緒に、インクジェットプリンターのように吹き付けていくんです。その壁画が世界中に残っているのですが、なぜ描かれたのかいまだに諸説あってわかっていなくて、それがいつも不思議に思っていますね。ネガティブハンドといって、写真のネガフィルムと同じで反転画像になっているんです。それが不思議。なぜなんだろうといつも思います。ほかにも本当にいろんなもの見ましたね。オーストラリアの壁画なんかはいまも描き続けられています。アボリジニの人たちは文字がないので、絵で歴史を伝えたりして、今もずっと受け継がれて描き続けられているんですよね。

〜今回の個展では秋田のなまはげなど、来訪神をテーマにした写真もありますが、写真家として仮面の神々たちをどんな存在だと思いますか?
 仮面がものすごく迫力あって、インパクトがありました。鹿児島の悪石島にボゼというものを見て、「日本もアジアなのか」という感覚に出会ってから、日本列島に点在する来訪神の仮面の行事を撮影していこうと思10年近くずっと撮影し続けていますね。仮面を使ってお祭りは北陸と東北と九州と沖縄があって、間にはない。やっぱり海の彼方からやってくる異質な他者を表しているらしくて、北と南に分かれていて面白いですね。特に南のはやっぱりアジアとのつながりがすごいあります。中国大陸もあるし、あるいはフィリピンやあっちの影響も見られるし、交差点になっている場所が鹿児島・沖縄の島々かなと思います。


『国東半島』石川直樹(青土社)

〜国東半島の写真集も出されていますが、国東半島はどういう土地なんですか?
 すごく不思議な場所でした。3年ぐらいずっと通っていたんですけれども、すごく古くからの行事だったり文化が残っている場所で、朝鮮半島の影響も混じっているし、仮面の行事、ケベスだったり修正鬼会(しゅじょうおにえ)だったり、昔からの特別な行事事がたくさん残っていて面白い場所でしたね。

〜修正鬼会とはどういったものなんですか?
 お坊さんが全身を縄で縛られているのですが、鬼の魔力を閉じ込めると言われています。お坊さんたちは夜通し集落を一軒一軒まわり、お祈りをしたりご馳走をもらったりお酒を飲ましてもらったりして、最後は本当にフラフラになって朝5時にお寺に戻ってくると、暴れて暴れて、トランス状態に入ってるんです。そして、みんなに押さえつけられて縄を解かれるとまた日常に戻るという不思議な行事ですよね。

写真家・石川直樹さんにお話いかがだったでしょうか。石川さんの個展「この星の光の地図を写す」は新宿の東京オペラシティ アートギャラリーで開催中。


同じタイトルの写真集も出版されています。ぜひチェックしてみてくださいね。

石川直樹写真集『この星の光の地図を写す』リトルモア

【今週の番組内でのオンエア曲】
・SNOW SOUND / ALEXANDROS
・Ain't Got You / Kevin Michael
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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