プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週も引き続き、水中写真家・中村征夫さんのインタビューです。
世界各地の海だけでなく、湖や沼をはじめ、地球上のいろんな水の中にもぐり、シャッターを切り続けている中村さん。
実は、一般人はけして潜ることのできない、特別な場所にも潜っているんです。
ということできょうは、誰もその水の中の様子を知らない神秘の沼福島県裏磐梯にある「五色沼」のお話です。


五色沼は磐梯朝日国立公園の中にあるので勝手に潜ったり、枝1本折っちゃいけないんです。ですからここは誰も潜ったことがないので、沼の底がどうなっているのかきちんと残しておかなきゃいけないんじゃないかなと思ったんです。水が将来干上がってなくなる可能性もあるし、現実になくなった沼もあります。それを残しておくことが大事じゃないかなということで、当時の環境庁と掛け合って、なんとか潜らせてもらうことになりました。これまで30〜40回位は潜っています。五色沼といっても本当は100以上あるんです。ただそれを総称して五色沼と言っているんだけれども、探勝路があって、そこをめぐると右に左に有名な沼が見えてきて、それを五色沼と言っているんですが本当はいっぱいあるんです。噴火でせき止められできたのでたくさんあるはずなんですよ。


〜今日は写真を持ってきてもらっていますが、幻想的ですよね。
こういう世界を見たことないですね。沼ごとに成り立ちが違うものですから、火山性の鉱物が沸き上がってきているかどうかで全然色が違うんですね。五色沼といわれる沼の中でも、魚が住めるのは2つか3つぐらいしかないんじゃないですかね。硫黄などの火山性の物質が湧き上がっているからほとんどの魚が住めないんです。その中に潜っているわけなんですが、素潜りで撮影しますので、ゴクリと飲んじゃうことがある。水からあがるとひゅーひゅーと声が出ないことがあります。
 最初に顔をつけたのがるり沼という沼でした。有名な沼でとってもきれいなんですが、この沼に最初に入って泳いだ時に、僕はもぐれる人間で本当に幸せものだと思いました。ものすごく大きなサイズのマリモのような、ウカミガマゴケというコケの一緒なんですが、それがつながってお茶畑のようになっているんですよ。水の透明度が良いし視界も抜けていて、何だこの世界は!と思いました。。魚は1匹もいない。沼の底を見たら何か湧き上がっているんです。これケイ酸アルミニウムが湧き上がっているんです。これが沼の神秘の色の元なんです。これに光が反射して瑠璃色に見えているんですね。
 五色沼の現地のガイドさんがいつも僕らを案内してくれたんだけれども、その方も1度も覗いたことがないから「見てみたい!」と。僕は許可を得ているので、一緒にもぐれば大丈夫ということでウェットスーツ着てもらって、みどろ沼という所に潜って見たら感動していました。その景色もまた不思議な沼なんですよ。上から見ると、手前が黄緑色で向こうが青い沼なんですね。手前は全く見えない状態なんですが、上だけでつながっているんです。そこに芦とかが生えているいるんですね。その下あたりからケイ酸アルミニウムが湧き上がっている。だから手前には魚がいないが向こうには魚がいるんです。なぜこんなに黄緑色なのかというとケイ酸アルミニウムに植物プランクトンが混じり合うとこういう色になるんです。濃い緑色になるんです。それで水の綺麗なほうに近づいていったら、植物に鉄分の粒子が覆いかぶさっている。全体に赤っぽい写真になるんですよ。
 いま五色沼の陸上をしっかり撮影しているんですよ。まもなく撮影に行くんですけれども、陸上をしっかり撮ってまとめたいと思っています。


〜すごい、水面が揺れているから紅葉も揺れて、青空も揺れています。子どもの頃やったマーブリングを思い出します。ラジオだから全部伝えるのが難しいので、見たい方は写真展が開催中です。五色沼に関する写真展を9月4日から30日まで、裏磐梯高原ホテルで開催中です。気になる方はぜひ足を運んでみてください!詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

写真家中村征夫公式ページ –https://squall.co.jp/


「中村征夫の写真絵本『サンゴと生きる』写真・文/中村征夫 監修/茅根創」

【番組内でのオンエア曲】
・LOST IN THIS CITY / Michael Kaneko
・Sunday Candy / Donnie Trumpet & the Social Experiment
今週も先週に引き続き、水中写真家・中村征夫さんのインタビューです。
中村さんが沖縄・慶良間諸島で撮影したサンゴの知られざる生態、そして環境問題を、写真絵本という形でまとめた新刊「中村征夫の写真絵本 サンゴと生きる」。

サンゴに住み着く小さなカニを主人公にして、お子さんにもわかりやすく伝えてくれている本なんです!
この中には、中村さんが「初めて撮影に成功した」という貴重なシーンが入っています。それはなにかというと・・・「サンゴの喧嘩シーン」。
ういうことなんでしょうか。

サンゴは石のように動かないと思うじゃないですか。確かにじっと見ていてもほとんど動かないです。でも夜になるともう一つの顔があるんです。サンゴには成長の早いサンゴと遅いサンゴがいます。テーブルサンゴとか枝サンゴ、きれいですよね。テーブルサンゴは、これから海に行った時によく上から見てみてください。喧嘩の跡がはっきり分かります。丸いテーブルサンゴは1メートル、2メートル、3メートルくらいになりますが、その端ががえぐれている。そこの下には必ず成長の遅いサンゴがあります。これは成長が遅くて1年間に2ミリしか伸びない。テーブルサンゴは1年間で10センチぐらい伸びますから、どんどん成長していくと下にいたサンゴの上を覆ってしまいます。そうすると光合成ができなくて、死んでしまうんです。それで口喧嘩が始まるんです。「こっちに来るなよ」「俺、太陽の光を受けないと死んじゃうじゃないか」「そんなこと言ったって僕ももっと大きくなりたいから」と。そして「そっちがその気ならこっちにも手があるぞ」と言って、3週間から1ヶ月ぐらいかけて長いスリーパー触手という毒の触手を作るんです。普通は数ミリくらいしかないのに、それは17センチ伸びる。長いストローみたいなものです。それが漂うんだけども先っちょがふくれていて、それで相手のサンゴに当てて組織を溶かしてしまうんです。あるいは自分の体内から組織を出して、白い糸のように激しく動かしてサンゴの上に覆い被さるようにして、相手の組織を全部溶かしていく。そういう喧嘩が夜は行われているんです。

〜成長が遅い方負けるわけじゃないんですね。喧嘩をしていると知って潜るとまた面白いですね。
知ってる見方が全然変わるから楽しくなっちゃうと思いますね。オニヒトデがサンゴを食べるじゃないですか。オニヒトデって悪いものというイメージを皆さんがもっていますが、針は猛毒を持っているので確かに怖いんです。大きいオニヒトデは40、50センチありますよ。あれが足の踏み場もないくらい出てくるんだから怖いですよ。でも昔はほとんど見かけることがなかったんです。太陽の光が大嫌いで、岩の奥のほうに隠れていたんです。だから沖縄の復帰前は見ることがなかった。でもきっといたんですね。沖縄が日本に戻ってきて、観光地なのでリゾートができました。道路ができて乱開発が始まったので、土砂が全部海に流れてしまって、いまだに雨が降ると海が土砂で赤く染まっちゃうんです。生きているサンゴの上に土砂が降り注いでしまったので、呼吸困難でサンゴが死んでしまったんです。沖縄が復帰してから9%くらい沖縄本島のサンゴは死んだそうです。実はオニヒトデでは毎年30〜50万くらいの卵を産むんだけれども、それはサンゴの餌だったんですよ。それでバランスが保たれていた。ところが乱開発が始まったからサンゴが激減してしまったので、ほとんどのオニヒトデの赤ちゃんが成長できるようになっちゃって、わずか1年くらいでサンゴを食べちゃう。それで生き残った者もだいぶ壊れてしまって、食うサンゴがなくなると潮に乗って北上して九州、四国、和歌山、三宅島まできました。だからオニヒトデはサンゴを食い荒らしていると言うけれども、実はオニヒトデが大好きなのはテーブルサンゴとか枝サンゴとか成長の早いサンゴです。成長が遅いサンゴはほとんど食べない。ということは成長の早いサンゴが減ることによって成長の遅いサンゴが生き残る可能性がある。間引きしているということです。台風が来ると、後楽園球場やサッカー場くらいの広大な面積に広がっていたテーブルサンゴがたった1度の台風で全滅になることがあるんです。成長が早い分、もろいんです。ただ石のように固い成長の遅いサンゴはしっかりと生きていくので、どんなに波が来てもびくともしない。だから防波堤の役目を果たしているのは実はそういう石のように固いサンゴなんですよ。それらが生きていかれるようにちゃんと間引きしていたということになるんじゃないですか。だから自然界っていうのは本当にうまくできている。そういうのを目の前で見せてもらうと、どの生き物も無駄な生き物はもひとつもない、みんな影響しあいながら生きているということがよくわかりますね。

〜今回絵本という形で発表したことで、新たな気づきもありましたか?
絵本を持って小学校で講演をしたりしているんですが、子どもたちは反応がすごいですね。今までサンゴが酸素を供給していたというが、実際は植物プランクトンだったんだねとか、マスコミが言っているのは間違いじゃないですか、とか言ってくるんです。小学生ですよ。お父さんからメールが来て、「うちの子どもが片っ端から家の電気を消しまくって、冷蔵庫のスイッチまで切っていました」とかね。すぐ行動に移してくれるのが子どもたち。そういう子どもたちの為にも今この地球環境をなんとか元に戻して、僕らは渡さなきゃいけないじゃないですか。このままじゃちょっとね。

水中写真家中村征夫さんのお話、いかがだったでしょうか。
写真展が開催中です。
福島県の、裏磐梯高原ホテルにて「中村征夫写真展 五色沼の魅力に迫る」 入場無料9月30日(水)までとなっています。
詳しくは中村征夫さんのHPをご覧ください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・A Case of You / Joni Mitchell
・島人(しまんちゅ)ぬ宝 / BEGIN
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パーソナリティ

高橋万里恵
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