プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

書道用具の一つ「硯」を作るため、日本のみならず中国まで足を運び、材料となる石を探し求める職人…製硯師。この肩書を日本で唯一名乗る方、青傍史さんのインタビュー、2回めとなります。
実は青砲気鵑痢歌舞伎俳優・市川猿之助さんはじめ、著名人の硯も数多く手掛けているのですが、それだけでなく、なんと、お月さまの石で硯を作ったこともあるんです!
きょうは、そんな青砲気鵑痢崟弌廚紡个垢襪發里垢瓦ぞ霰に迫ります。

〜この番組で先日、千葉県の鋸山を取材しまして、採石場で人が石を取り出していたというところを見てきたのですが、あそこの石は硯としてはどうでしょうか?
 鋸山の石は、最適ではないと思いますが、技術的なカバーで硯にはなると思います。そこが製硯師の仕事だと思うんです。どんな石も硯にして差し上げたいという。
 山に行く時は耐水ペーパー120番と墨と筆とお葉書だけ持っていってみてください。山を見て硯の石になるかどうかを判断するのは難しいんですが、見分けるには、山があるという事は川があるわけですけれども、川をまず見て、手を差し込んでいくつかの石をサンプルでとります。あんまりうろちょろしないで1カ所だけ決めて、せいぜい5メートル四方くらいの川の中で石をいろいろ見てみる。きれいな石から何から緑、赤、黒、いろんな石を拾って、それを120番の耐水ペーパーので擦るんです。そうすると川の中で転がされていてきた石の皮が剥けて内部が露出されます。露出された状態というのは、造形はまだできていないけれども墨の機能が剥き出しになるので、墨がすれるか確認できるんです。スポイトを持っていくといいんですが、2〜3滴の水を石に垂らしてすってみて、1分ほどで黒くなれば硯として機能しているということです。そこで葉書を書きましょう。そして帰りに山道のポストに突っ込んで、友達に、「私がとった石で書きました」と書きましょう。そこが楽しみ、山の面白さです。

 僕らは次の段階の仕事があります。川というのはその上流の山の状況を教えてくれる図鑑のようなところです。S字を描いているところは、クランクの部分に上流の石が溜まるんです。その石を見たときに、そこから何メートルぐらい先にこの石があって転がってきたのか、大体その削られ方であてがつくんです。なので僕らは川に行ってクランクの部分で砕石して、そこに、メモをつけていきます。例えば山梨の南木曽の側を歩いているときに緑色の石があれば、緑の1番、緑の2番とつけていく。その特徴を書いていくんです。そして1度テントや宿に戻ります。宿のお風呂でよく洗って、硯になるかどうかを確認します。これと決めたものがあったらそこから何メートル、何キロ先の山なのかを想定します。想定しながらその山に住んでいる人たちに、この石がとれているところはありませんかと聞き込みを始めます。「あるよ、あそこだよ。ただ、200年も前からあそこは人がいていないからいけないよ」などと言われます。そうしたr,あなぜいけないのかを自分で行って見に行きます。技術的にいけないのか、それとも誰も行く理由がなくて行っていないのか、そこを確かめて実際にいく。なので山にツルハシを当てるのは最終段階です。急に行くわけではないんです。そこら中に穴を掘るわけではなく、川から入ります。
 僕は地球全体どこへ遊びに行っても、硯になるかならないかでしか見ていないです。例えばオーストラリアのエアーズロックへ行っても、これは硯になるか、そういう風にしか見られないヤツなんです。あそこは取っちゃいけないですからおさわりだけですが、触らせていただいて、なるかなならないかなと、じっくりコンタクトした結果、なりそうだと思いました。硯に適していな石は基本的には硬すぎる石です。造形として作りにくいので、構造として作りにくいのは墨をかみにくい。そうするとすりにくいので、硯の名利としてはいかがなものかと思うんですね。以前に月の石で硯を作りましたけど、あの石は墨をするのに向いていないんです。作ってみると硬すぎて、しかも地球上にない鉱物だったんですね。だから違う言葉をしゃべる石のような、応答が返ってこないような石ですね。どうしたら良いのか分からないという。月の石は難しかったですね。

 でも硯に最適な石が一番だという、それだけの世界じゃないということを僕は思いたいんです。やはり石というのはどれもひとつひとつ美しさがあるんですね。その美しさは必ずしも実用性だけではないと思うんです。墨をすれればいいだけじゃない。その人にとって良い石は一つ一つ考え方があるんです。僕は月の石の硯は好きですよ。月をみながら、「あそこのお月さまの石を僕は持っているんだ」って、それで墨をすってお手紙書いたらなかなか楽しいじゃないですか。なのでやっぱり石の美しさだけではなくて、石から硯に転じる、それを使ってどうするかという先にある面白さもあるので、これからもっと僕も硯との会話ができる言葉を習得できるようにしていこうかなと思います。


青柳さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・白日 / King Gnu
・Good As Hell / LIZZO
さて、この番組では様々な分野で、自然と向き合う方にお話を伺っていますが、きょうは、地球が作り出した自然の構造物の中でも、「石」に特化して、ひたすら石と向き合う方にお話を伺います。
スタジオにお迎えしたのは、「製硯師(せいけんし)」の青傍史さんです。よろしくお願いいたします。各地を飛び回って石を探し、石を使ってあるものを創り出すお仕事の方です。


〜青砲気鵑賄豕・浅草で80年続く書道用具専門店の4代目でいらっしゃいますが、製硯師とは?
 一般的な硯職人さんと人と違うところがあって、硯職人さんは工房の近くに石の山を持っていますよね。産地の石を使って伝統工芸として職人さんとしてやられていますが、浅草には石も山もありません。ですので、僕は日本、中国のいろんな産地にお邪魔して様々な石を使って硯を作っています。作るだけではなく石を山からいただきに行くシェフのようなものですね。料理を振る舞うために必要な材料、素材をいただきに行くという感じです。
 バイヤーのところに石を買いに行ったとします。そうすると、これは浙江省の石だよとか、何年前の石だと言われるんですね。でも本当にそこから取れているのかどうかわからないじゃないですか。その素材が取れている場所を自分でちゃんと見たいと思うようになって、ちょうど30代頭くらいから、中国や日本のあちこちに自分の足で行くようになりました。そしてその硯の石が育った山には硯の産業が成り立っているので、そこの住民の方の文化を自分で足を運んで呼吸で感じて、言葉を聞いて、そして衣食住を共にすることで石の情報だけではなく、そこの産地の情報も自分の体の中にインプットできるような気がして。それで日本中のいろんなところに足を運ぶようになったんです。


〜硯は道具ではあると思うんですが、やっぱり同時に美術品と言う面もあるんですか?
 墨をするための道具です。なので墨をすれる構造を作ってあげるのが1番なんですけど、硯は発祥してから2000年以上経っているんです。中国で発祥したのは紀元前ですね。石でできたもので今の形の元祖になったものが出来上がったのが1500年前。その形を作ったときの当時の中国の作硯家たち、造形の哲学、石への向き合い方というのを僕なりに研究した結果、やはり硯の名利として墨をすることができる事は当然ながら持っていなければいけないんだけれども、石の美しさをどれだけ引き出してあげられるかということが、中に内蔵されているんですね。そういった作り方を目指して僕たちはやっています。

〜今日硯をお持ち頂いたんですよね。
 1つは僕が普段使っている硯です。もう1つは個展に展示した宮城県の雄勝石、2つお持ちしました。

この石は浙江省の石なんですけれども歙洲石という石なんですね。時の皇帝が使っていたのとと同じものです。石の調査に20代に行った時に、石をとっていた鉱脈が知りたくて、でも既に埋められていて見れないんですけれども、そのヒントがあって、石をとったときに端材を川に捨てたんです。だから川の底ほじくれば出てくるだろうと思って、川に潜ってとってきたんですよ。外国人がおかしなことをしていると村の人に言われました。ペットボトルを切って目に当てて中を見ながら。それで潜ってとったんです。裏面を見ていただくと分かるんですが、川で育てられたままの形になっていますよね。川の中で転がされてこの形が作られたんです。

砕石した当時はもっとゴツゴツとした岩肌むき出しの形だったはずなんですね。それが川の中で転がってこういう風になる。しかも数百年の間で育った形なんですね。その”霜降り”の部分が全部出てくれればいいなと思って、上から削っていったんです。側面を見てもらうと積層があるんですけれども、こちらを見てみると斜めに複雑な層ができているんですけど、全部美しいところだと、なんというか味気ないんです。こういう夾雑物がある、すれないところがある、そして荒いところもある、岩肌も残っているという、いろいろな自然の要素が重なって、そして墨をするのに向いているところが際立ってくる。比較対象がこの1つの面の中に混在してくれると景色も良くなるんです。また硯は少し温まらないと墨が出にくいんですけれども、これだけ薄いと僕が手の温度で多少温めることができるんですね。室温程度まで温まってくれるとすごくトロンと墨をおろしてくれます。キンキンに冷えているとなかなか墨はおりないんですよ。


宝研堂
http://houkendo.co.jp/

青柳さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・Better Half of Me / Tom Walker
・Church ft. EARTHGANG / Samm Henshaw
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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