プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週も、香川県小豆島、山田オリーブ園の山田典章さんのインタビューです。
オリーブの木を枯らしてしまう害虫、オリーブアナアキゾウムシをひたすら、自分の目で探して取り除く・・・というシンプルなアイデアと地道な努力で日本初の、有機栽培のオリーブづくりに成功した山田オリーブ園。
ただ、園主の山田さんは、そこで満足する方ではないんです。さらに良い方法はないか、日々模索しています。
その一つが、オリーブアナアキゾウムシの「天敵」を探し出してその力でゾウムシを駆除するという方法なんですが、どうやら、この方法はちょっと難しいみたいです。


ムカデとかカエルとかトカゲの仲間とか、そういったものも飼育箱に入れてみたのですが、殻が固くて美味しくないのか、食べないんですよ。オリーブアナアキゾウムシを食べる虫は今のところ見つかっていません。だから今はもう天敵を探すのは諦めて、AIを使ってゾウムシを捕まえる方法を考え始めたところですね。
オリーブアナアキゾウムシの天敵は今は人間である僕だけなんですけれども、ゾウムシを捕まえるのが難しいのは、見つけにくいから。見えにくいんです。でもAIの画像認識のシステムを使うと割と簡単に見つけられるんですね。今のところまだ僕の方が勝っているんですけれども、少なくともうちの嫁さんよりはAIの方が先に認識します。AIはどんどん賢くなる、たくさん見せるとどんどん識別の精度が上がっていくので、どんどん見せているうちにAIの画像認識によってオリーブアナアキゾウムシを見つけることができるようになってくると考えています。
実は小豆島みたいな所には、小さな畑がいっぱい余っているんです。大きな畑ではたくさんお米を作ったりいろんなものが既に作られていて、小さな畑がたくさん余っています。AIをドローンに積んだりラジコンに積んでゾウムシを見つけるようなロボットを作っていきたいと思っているんですが、これは既存の技術を転用すればできるので、コストをかけなくても開発できると思っています。何千万円もする機械を使って農業をするのではなく10万、20万円のAIロボットで見つけられるのであれば、小さな畑も使えるようになると思っているんです。日本にはそういう小さな畑がいっぱいあります。僕が目指しているのは家族でやる農業。小さな畑で食っていくことができる仕事が地方にたくさんできてきた方が、農業も強くなるし、しかもどんなことがあってもそういう農家は強いですよね。誰も使っていない、使わなくなった土地を使えば良いんです。ただその時に素人のサラリーマンがやろうと思ってもなかなかいろんな技術が難しくてできないんですけれども、そこの専門的なところをAIにやってもらう。なんでもかんでもAIがやるというのではなく、ゾウムシの場合は認識するところだけをAIがやるんですね。それはオリーブアナアキゾウムシを識別をするのが難しいから。ただ、それを捕まえるところまでロボットを使うとなると開発費がかかるので、そんな事はやらない。「ここにいる」とい事だけ教えてくれれば人間がとればいいんです。人間が苦手なことを賢くAIにやってもらうことによって、農業の形が変わると思います。夢みたいな話かもしれないですけれども、誰も使っていないような小さい畑からいろんな農作物を作れるようになってくるということは、技術的にはもうそこまで行っているはずです。



〜オリーブの木は、普通は挿し木で増やすそうですが、一方で山田さんは自然交配で新しい品種を作ってみたいということをおっしゃっていました。この3年間で進捗はありましたか?

300本ぐらい育てているうちの3本だけは実がつくようになっています。今年ようやく木も大きくなってきて、1本で10キロくらい取れそうなんですね。10キロ取れると搾汁ができるので、今年の秋には3本は難しいかもしれないですが、1種類だけは初めてオリーブオイルが絞れるかもしれないです。どんな味のオイルになるかは絞ってみてのお楽しみですけれども、ようやく今年の秋にはたどり着けそうです。ただ、それが実がすごくおいしいオイルか、あまりぱっとしなければどうするかというのはあります。風味次第ですかね。


〜コロナ禍で小豆島に移住したいという方がたくさんいらっしゃるそうですね。

関東を中心に、うちにもここのところ数件問い合わせがありました。テレワーク、パソコンで仕事をするということが出来るようになったことで、東京にいなくても仕事ができることがわかって、だったら自分が住んでみたいところを自由に選んでみよう、引っ越したいと思っているという相談がここのところ続いていますね。なかなか東京でオリーブを何本も植えて育てるのは難しいと思うんですけれども、こちらに来ると畑もたくさんありますので、オリーブなんかも育てながら、もともとやっている仕事も持ちながら、引っ越したいけれども、空き家はあるでしょうかとか、といったご相談が結構あります。


〜災害の時もそうですけれども、自分で食べ物を作るお仕事をされているのは、安心につながる部分もあるかもしれないですね。

それはこういうことが起こるたびにひしひしと感じますね。例えば海外からの食料が止まってしまったらとか、その時にやっぱり、畑で育てているのはオリーブだけじゃないので、最悪何とかなるなという気持ちはやはりありますね。そういったことを考えられる方も増えているんじゃないかなと思います。


〜小豆島は雰囲気が素晴らしいですよね、緑豊かでいろんなところにオリーブがあって海も綺麗で。

そうですね、のんびり暮らすには海もあって山もあって良いところだと思います。


山田オリーブ園の山田典章さんのインタビュー、いかがだったでしょうか。
山田さんの本、現在発売中です。

「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」
農山漁村文化協会から発売中です。気になった方は是非チェックしてみてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Summer Feelings (feat. Charlie Puth) / Lennon Stella
・The Lazy Song / Bruno Mars
先週に引き続き、香川県小豆島、山田オリーブ園の山田典章さんのインタビューをお届けします。
オリーブの木を枯らしてしまう天敵、オリーブアナアキゾウムシをただひたすら、自分の目で探して取り除く・・・という方法によって、日本初の、有機栽培のオリーブづくりに成功した山田オリーブ園。
いまも園主の山田さんは、日々、ゾウムシを見つけては取り除き、よりよいオリーブづくりのための研究を続けています。
そして今年6月。10年間で蓄積したノウハウを、山田さんは一冊の本にまとめました。きょうはこの本のお話です。


〜山田さんの著書「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」を出すきっかけはなんだったんでしょうか?
日本で発売されているオリーブの本は自宅の庭、ガーデニングとして植える園芸用しかなかったんですね。農家になったとき、楽しみとしてオリーブを育てるための参考にする本はあったが、オリーブ農家が収穫するために何をしたらいいかと言う本はありませんでした。僕も困ったし、多くの人が困っているのがオリーブを育てるのを、楽しむのではなく実を収穫するためには何をすればいいのかということなんです。これが正解かどうかわかりませんが、僕が10年間で経験したことを出してみようと思ったんです。いまは割と日本中でオリーブ農家が増えてきているので参考になるかなと思います。オリーブの実を収穫して、食べてみる、塩漬けにしてみる、オイルを絞ってみるというのは、農家では普通にありますが、ご自宅で育てている方はそこまでなかなかできていない方も多いと思うんですね。ただ農家が有機栽培、要するに無農薬で育てるのはでなかなか大変なんですが、実は、自宅で2本、3本育てているという方はそんなに大変ではありません。もし自宅で育てている方がいれば、ぜひ農薬を使うのではなく、何日かに1回、木の根元を見るだけでゾウムシから木を守ることができるので、お庭で育ててらっしゃるんだったら参考にしていただいて、ぜひ無農薬で育ててみたらどうかなというのもあります。

〜自宅レベルでも頑張れば実はつくんですね。
この本にも書いたんですけれども、品種は2種類以上ないと受粉しないということがあるので、実がつきやすい2品種以上を植えて、しかも栽培方法や選定方法をきちんと間違わずにやると、オリーブは必ず実をつけます。ノウハウをわかった上で育てれば、ただ単に眺めるオリーブから食べるところまでできるオリーブになると思います。


〜実がつきやすい品種を2品種以上というのがポイントなんですね。
1本だけ植えてもほぼ実はつきません。柑橘類と違って、自分のおしべとめしべでは受粉しません。品種が違うところに花粉が飛んでくると受粉するという性質を持っています。

〜じゃぁ適当に買ってもだめですね。
ホームセンターでは品種が書いていないものが結構あります。あまり考えずに品種が書いていないものを2本を植えたとしても、同じ品種を植えている可能性があるので、それでは実がつきません。必ずラベルに品種が書いてあって違う品種を選ぶ。しかもその品種の名前は、日本で実績がある品種を選ばないとオリーブは眺めるだけで終わってしまいます。一番相性が良くて実績が良い品種は、ちょうど小豆島で栽培されているミッションとルッカです。これは日本で100年以上栽培されていて実績がある品種なので、実はつくし相性が良いこともわかっています。こういった品種を選ぶとまず間違いなく実がつきます。

〜東京で育てていてもオリーブアナアキゾウムシはいるんですか?
います。オリーブアナアキゾウムシは、金木犀などモクセイ科の木につく虫なので、ほぼ全国的にいるようです。めったに飛んでこないのでいないと思っている方も多いんですが、忘れた頃に急にやってきて、どんどん集まって気づいたら枯れちゃっていることがあるので、いると思って育てた方がいいですね

〜オリーブアナアキゾウムシを見つけやすいポイントはありますか?
一番単純なのは植える場所。根本が食べられたら枯れていくので、玄関の通り道の横にオリーブを植えておくと、必ず目が行くので、わざわざ見に行かなくていいですよね。人の目が届きやすい場所に植えること。それから植えたら、その木の根元に草花を一緒に育てないということ。そこだけは常に木肌が見えてくようにしておくとゾウムシも住みにくいし、しかもきたらすぐ気がつくので、よい環境を作ることがオリーブを守りやすいことになります。あまり普段行かないところに植えちゃうと見に行かないので、いつの間にかやられているところがあります。できるだけ目につくところに植えると何も意識しなくてもゾウムシが来たらすぐわかります。

〜ゾウムシという存在も知っていないといけないですね。
これはゾウムシですか、これは害虫ですかと言われることがあるんですが、オリーブアナアキゾウムシじゃないものをおっしゃっていることが多いんですね。オリーブアナアキゾウムシは虫だという絵をみておかないと、関係ない虫に一喜一憂してしまいます。オリーブを枯らす虫は1種類だけなので、どういう虫なのかは写真で見ておく、知っておかないといけないですね。

〜以前お話を伺ったとき、オリーブアナアキゾウムシには天敵がいないという事でしたが、その後の研究でも天敵はやっぱりいませんか?
天敵が少ない最大の理由は、あまり昼間は動かないということだと思います。夜動く虫なので、夜行性の虫じゃないと食べてくれない。大きなムカデとか、虫ではありませんがカエルとか、トカゲの仲間とか、そういったものも飼育箱に入れて食べないかなどを見てみましたが、結局殻が固くて美味しくないのか、固まって動かなくなるからなのかわからないですけれども、食べる虫は今のところ見つかっていません。

山田オリーブ園の山田典章さんのお話、いかがだったでしょうか。
山田さんの本「これならできる オリーブ栽培: 有機栽培・自家搾油・直売」は現在農山漁村文化協会から発売中です。ぜひチェックしてみてください!


【今週の番組内でのオンエア曲】
・Rain On Me with Ariana Grande / Lady Gaga
・Nowhere Man / The Beatles
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パーソナリティ

高橋万里恵
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