プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週は、日本の森・里山、そして私たち人間の営みに昔からかかわってきた動物のお話です。
その動物とは・・・馬です。
今回お話を伺うのは、日本の在来馬・各地に古くから存在する馬を追いかけ続ける女性フォトカメラマン高草操さんです!



〜高草さんは長年、「日本の馬」をテーマに全国各地の撮ることになったんでしょうか。

最初は競馬ですね。競走馬ライスシャワーをテレビで見て、小さくて黒くて美しいなと思って、いろんな馬雑誌、競馬雑誌を初めて手に取ったんです。その中に「女性のための北海道牧場ツアー募集」という記事が載っていて、それに思わず応募してしまったら当たってしまって、北海道の社台スタリオンステーションに行ったんです。そこでいきなりサンデーサイレンスが出てきた!という感じで、その次に出てきたのが、トウカイテイオー、フジキセキ。もう衝撃のスタートでした。

〜そうやって高草さんが馬に魅せられて、日本の在来種と呼ばれる馬を追いかけ、全国各地へいかれたということなんですが、在来馬とはどういったものなんでしょうか。
日本に昔からいる土着の馬、外国の馬の血が混ざってない馬たちのことです。いちばんわかりやすい特徴は顔に流星がないんです。足の先に白いところがとにかくない。それが在来種として大きな特徴なんですけれども、いま在来種は8種類日本でも指定されています。北海道は道産子、長野県の木曽馬、愛媛県の野間馬、長崎県対馬の対馬馬、同じ九州で宮崎県の三崎馬、鹿児島県と奄美大島の間にトカラ列島がありここで生まれたトカラ馬、沖縄の宮古島の宮古馬、与那国島の与那国馬。江戸時代まではたくさんいたんです。明治時代になって、戦争のために軍馬生産をすることになったときに、日本に今までいた馬はあまりにも小さくて力がなくて、凶暴と言われていた。それで政府が国策として洋種の血を入れて馬を大型化、力を強くしようとしたんです。馬生局というのができたくらいです。それでだんだん日本の馬は淘汰されて、純粋な日本の馬は明治期にだいぶいなくなったと思います。それまでは結構全国にどこどこの馬と言う区分けもされていて、資料も残っているんですけど。

〜道産子と北海道の森は密接な関係があるそうですね。
もともと道産子は南部馬という岩手県や青森県ですごく有名な在来馬がいて、その南部藩の人がコンブ漁やニシン漁で夏の間に南部馬を連れて北海道に渡って、運搬とかの仕事をさせていたんですね。だけど冬になって、そういう人たちは本土に戻ってくるんですが馬はそのまま置き去りにしたといわれています。北海道の厳しい冬を馬たちが乗り越えるために、どういうものを食べていたかというと、雪の中でも育つミヤコザサがあって、それを食べて馬たちは野生の中で生き延びたというんですね。私が取材したのは北海道大学の研究牧場で、そこでは道産子が笹を食べて生き延びたという習性を利用して、森の中に道産子を放すんです。北海道は日本全国結構そうらしいんですが、森はほうって置くと笹が繁茂してしまって森が成り立たなくなる。それをブルドーザーとかで草を取り除いて森を維持していることも多いんですけど、機械でやると全部おもての養分なども持っていってしまうので土が育たないということもあるそうです。それを道産子に下草を食べてもらうことで必要な養分が残るんだそうですね。そうすると森がちゃんと保たれて新しい命もそこから生まれる。さらに、馬たちが木の芽を食べたり、下を踏み固めて森がダメになるんじゃないかという懸念もあったらしいんですが、研究の結果、それは森の樹木の間引きにつながって、逆に日が差し込んで、新しい植生やそういうものが保たれるというのが分かったと聞いています。だから11月から12月に森に放牧して、その時に下草刈りをさせている。春になって道産子が入っていた森に入ってみると、エゾエンゴサクとかカタクリとかそういった花畑ができていて、それは道産子を放牧した後に作られた花畑だと言っていました。


〜高草さんが昨年出された「人と共に生きる日本の馬」は2020年度のJRA賞馬事文化賞を受賞されていますが、拝見すると、馬たちのきれいな写真が出てきますね。道産子の群れが全員こっちを見ている写真がありますね。
100頭ぐらいいたんじゃないかと思います。たまたまそれぐらいの馬たちが固まっていたんですね。近づいていったら馬たちが一斉にこっちを「何かきたぞ」と一斉に見たんです。その時は遠かったんですが、近づいたら一頭の馬がトコトコこっちに歩いてきて、私のことを探るような目で見て、納得したように群れの中に戻っていったんです。まるで「だいじょぶそうだよ」と他の馬に言うみたいに。すると他の馬がぞろぞろ私の周りに来て、囲んで、「なんだこいつは?」という野次馬の状態でした。それで、だいじょぶそうだなと納得したらみんな散らばっていきました。私はその馬たちを撮影させてもらいました。

日本に古くからいる馬・在来馬を追いかけるフリーランスカメラマンの高草操さんのお話、いかがでしたでしょうか。
高草さんの本「人と共に生きる日本の馬」は JRA賞・馬事文化賞受賞した評価の高い本です。里文出版から出ています。是非チェックしてみてください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Blinding Lights / The Weeknd
・忘れられないのサカナクション
熊本県、阿蘇ジオパークからのリポートお届けしてきましたが今週でラストとなります。前回は、阿蘇の象徴のひとつ、カルデラに広がる大草原は、人々がこの環境から恵みを得るために作り上げた人工の草原だということをお伝えしました。
そしてこの草原は、阿蘇の人々の生活を支え、さらに観光で訪れる私たちの“楽しみ”も育て続けているんです。
阿蘇ジオパークガイド、山崎真流子さんに伺いました。


このあたりは草原をそれぞれ区切って、牧野。無農薬の生えてきた草を食べて、湧き水を飲んでのんびりストレスなく、赤牛と馬が過ごしています。昔から阿蘇では牧畜、家事に牛の助けを借りて暮らしていました。最初は暮らしを助ける牛でしたが、体が小さく育ちが遅かったので、スイスから体の大きなあか牛を連れてきて、交配していまのあか牛のもとになるものに作り変えたんです。肉のミネラル分が多く、さしがさっぱりしています。健康的に育った牛は美味しく、人間の体にももちろん良いんです。赤牛は阿蘇の地域に欠かせないし、ダイエット意識の高い女子のみなさんにめしあがっていただくにもふさわしいお肉なんです。

〜あか牛はずっと食べられるくらいさっぱり美味しいですもんね。
本当にいくら食べても脂が胃にもたれないし、噛みしめるほど肉の味がいつまでも口に広がり続けて、お腹に落ちてもずっと噛んでいるような気がするんです。


阿蘇の地域は古くから稲作も行われていたので、農作業のための牛は欠かせませんでした。その牛を育てるためには、草原が必要だったわけです。また、平安時代には、阿蘇は優れた馬の産地として全国的にも有名だったそう。草原が、阿蘇を豊かにしてきたわけですね。でも、当時と今では事情も変わりました。いまはこの草原をいかに維持するか、守っていくかが課題だといいます。


草原から受ける恵みがすごく大きかったので、牧野の縄張り争いが起きたので、それじゃいかんぞと、広さを決めて区切る柵をつくりました。遠くから見るとただの段差に見えるますが、そばにいくと高さ2m幅2mというとんでもない大きさの柵。まわりの土をほって土を重ねて作るんです。重労働ですね。100人がかりで1日やってもできる木柵は2mくらい。昔は道具も少なかったし。そうやって苦労してエリア分けして今は管理しています。昔は牧野から受ける恵みが欲しくて争っていましたが、いまは管理が大変で、誰が管理するのかを押し付けあっているかも知れないですね笑。
野焼きボランティアに登録するには研修を受けないといけないんです。12月から2月にかけて年間4回くらいやっていますが、それをやったあと、すぐ野焼きができるわけではなく、3月まで待ちます。東京から何度も何度も来るのは支援がしにくいとおもいますので、もし草原を守ることに興味のある方は阿蘇市のふるさと納税をお使いいただきたいと思います。阿蘇市のふるさと納税は草原を守る基金になります。どこかのお肉やホタテやカニのような立派な返礼品ではありませんが、阿蘇市にふるさと納税をすると阿蘇の草原が守れます。


〜こんな広い草原を自由に色んな人が歩けるのはすごいですよね。
いまからの時期、草原はすすきが咲いてだんだん真っ白になっていきます。冬になるとこのあたりは寒いので、空気中の水分が木の枝や葉っぱについて凍るんです。そうすると童話の世界に迷い込んだようなすごいファンタジックな景観になってきれいなんです。阿蘇は秋冬が本場。避暑地として有名だからみnな夏に来ますが、秋冬のきれいさを見てほしいんです。時間帯は早朝や夜を楽しんでほしい。夜明けの朝日が谷に入ってきて、一気に目覚めていく様子、山に登るとすごくきれいです。それに雲海があると超絶ラッキー。すごくきれいです。また、夜もお泊まりいただいて、お宿の温泉を楽しんで星を見上げてほしい。また空気がピリッと済んでいて痛いような寒さがたまらないんです。

〜それも楽しみつつ、たくさんの人にきてもらって草原を守ってもらうのがベストですね。
なかに住んでいる人だけで守ろうとうするのも限界があるので、色んな人に関わってほしいですね。ぜひみんなで楽しんで、愛して守って欲しいです。阿蘇にぜひ訪れて、いろんなところをみてもらって、知らないうちに草原に貢献してほしいですね。すてきな景色を独り占めしやすい良い時期です。この景色を独り占めできる時期なんておそらくそうそうない。いまだから見られる阿蘇、大雨が降って崩れながら、噴火によって形が変わっていく阿蘇も今しか見られない。いつだって今しかないんです。


今日のお話、いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください。

【番組内でのオンエア曲】
・Buzzcut Season / Lorde
・Rocky Mountain High / John Denver
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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