今週も引き続き、植物を見る目が大きく変わるお話です。
ベストセラー『植物はすごい!』の著者で、農学者の田中修さんのインタビューをお届けします。

子ども向けの電話相談の番組で、ちびっこたちの、とっても素朴な疑問にも丁寧に分かりやすく答えている田中さん。
「植物の種はなんで黒や茶色なの」とか、「なんでイチョウは黄色くなって、モミジは赤くなるの」といった、子どものように純粋な疑問の中に、実は植物のもつ本当にすごい力が隠れている・・・ということを教えてくださいました。

今日は、こんな疑問に答えてもらいます。
よく、「お花や植物に話しかけると元気になる」という話を聞きませんか。
あれ、誰が言いだしたのか分かりませんけど、結構まことしやかに言われています。これ実際にはどうなのか。田中さんに教えてもらいました!


◆植物に優しい声をかけて育てる綺麗な花が咲く?
植物に優しい声を掛けて育てると綺麗な花が咲くって言われますけども、それは嘘です。植物は言葉はわかりません。でも「いや、本当にそうなるんだ。」という人もいます。
だいたい、そういう方は優しい声を掛けながら触ってるんですね。植物は触られると体の中にエチレンという物質ができるんです。エチレンは茎をなるべく伸ばさずに太い茎を作る作用を持ってるんです。ですから植物を触りまくってたら太く短いたくましい茎の植物ができる。全然触らなかったらヒョロヒョロヒョロっと伸びてくる。
植物って賢くて、自分の体で支えられる大きさの花しか咲かしません。だから触られずにヒョロヒョロっと長く伸びた方は小さな花になります。でも太く短くたくましい茎になった方の花は大きな花を咲かすことができます。それで、きれいな立派な花が咲いたって形容されるんです。
それは風にふかれたり動物に触られたりしても、それで倒れないようにエチレンが発生するんですね。やっぱり倒れたら植物は生きていけないので、そういう防御機構って考えたらいいと思います。だから倒れにくい植物を作ろうとしたら、例えば畑なんかでは、わざわざ畑の向こうとこっちとで縄を張って、揺すって触るっていうことをやることもあります。


植物は、風にあおられ、動物に踏みつけられて、強くなるんですね!

そしてもう一つ。トウモロコシのお話しです。家庭菜園でトウモロコシを育てると、なかなか上手くいかないケースが多いそうなんですが、これには、トウモロコシが生き残るための、よくできた仕組みが関係しているらしいんです!


◆トウモロコシの秘密
お店で売ってるトウモロコシって実がびっしり詰まってるんですが、家でトウモロコシを栽培すると歯が抜けたようになってしまうんです。それは栽培が下手なわけじゃないんです。
トウモロコシは雄花と雌花っていうのがひとつの株で離れて咲きます。植物はみんなそうなんですけども、自分の花粉を自分の雌しべに付けて子供は作りたくないんです。そんなことして作ると同じ性質の子供ができるんですね。で、動物でも雄と雌に性が分化してるっていうのは、それは雄が持ってる性質と雌が持ってる性質を混ぜて色んな性質の子供を作ってきたいからなんです。ですから、雄花と雌花っていうのは分かれてるんですね。
トウモロコシの場合、上にあるのが雄花、下にあるのが雌花です。そうすると、そのままだったら、上の雄花の花粉が下の雌花に落ちてきてしまいますよね。だからどんな工夫をするかっていうと、雄花の方が先に成熟して花粉を飛ばすんです。その時はまだ雌花は熟してないんで、花粉は受け取らない。だから雄花の花粉は雌花に付かないんです。
トウモロコシの実に毛がいっぱいありますよね。あの毛っていうのはそれぞれ1本1本が雌しべなんです。だからあの毛1本に実が1個付く。だから実をビシッとつけようと思ったらあの毛に全部花粉がつかないとだめなんですね。
でも、同じ株の雄花と雌花は同時に成熟しないので、家庭菜園で5本とか10本とか植えても、なかなか全部の雌花の毛に花粉がつかない。だから歯抜け状態の実になるんです。
でもトウモロコシ畑には何百本、何千本があって、成熟のタイミングにはズレが出てきますから、全部の花粉が雌花の毛について、ビシッと実がなるんです。



最後に田中さんに、「田中さんが知っている、一番不思議で珍しい植物ってなんですか?」という質問をしてみました。すると・・・田中さんはこんなお話をしてくれました。


◆植物はすごい!
動物は移動できるけれども、植物は移動できないから、動物のほうが生き物として能力が高いというような表現をしますがそんなことはありません。植物は動き回る必要なんかないんです。
なんで動物がうろうろしてるか、それは食べ物を探し求めてです。でも植物は根から水を吸って、葉っぱで空気中の二酸化炭素を吸収して太陽の光に当たれば、いくらでも食べ物、栄養作っていけるわけですから動き回る必要がありません。しかも地球上のすべての動物は植物がそうして作ってくれたものを食べて生きてるわけです。
それに、例えばお米を一粒蒔いたら、秋には一株になって、一株になると大体20本穂が出るんです。一本の穂には約80粒のお米が付きます。
ということは一粒が春から秋までに1600粒に増えるっていうことなんです。考えてみてください。春から秋までの6ヶ月間に1万円が1600万円になるなんていうことはあいますか?
これ植物が持ってる光合成という能力のすごさなんです。ですから、身近な植物がみんなすごさを持ってるということなんです。



甲南大学理工学部教授、農学者の田中修さんのインタビューをいかがだったでしょうか。ちょっとお散歩して、公園の植物をいろいろ見るだけでも発見や驚きが、他にもいっぱいあるんでしょうね。
来週は連休ですし、そんな発見を探しにお出かけしてみてはいかがでしょうか。

こうした田中さんのお話は、7月に出た『植物はすごい 七不思議編』でさらに詳しく知ることができます。こちらもぜひチェックしてみてください!

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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