今週は、東北は宮城県東松島市から、この土地で数千年前に暮らしていた私達の祖先・縄文人のお話です。
今回、取材したのは東松島市にある「奥松島縄文村歴史資料館」。宮城県は、千葉県・茨城県に次ぐ 貝塚の多い土地で、特に松島湾沿岸は貝塚が集中する土地として知られています。また、資料館のある宮戸島には、『里浜貝塚』という日本最大級の貝塚も残っています。その大きさはなんと・・・640m✕200m!!
ということで、資料館の館長・菅原弘樹さんにお話を伺いました。

ここは縄文時代は海だった場所で、すぐ近くで縄文人が長く住んだ場所なんですね。7000年くらい前からここに住み始めて、縄文時代ずっと4500年間くらい住んで、その後もここの島にずっと住み続けて現代までつながっている場所なんですね。
この島の広い範囲で貝殻が落ちていて、一緒に縄文土器が落ちていて、動物の骨や魚の骨があって、それを見るとただの貝殻ではなくて縄文人が獲って捨てた場所であり、日々の生活を送った場所の痕跡だということが分かるんですね。

 ここにあるのは、実際に発掘調査をして3mくらい掘ったもの。まっすぐ掘ってできた壁を剥がしてきたものなんですね。縄文人が日々生活していた物、簡単に言えばゴミが積もったものなんですね。これはまさに縄文人の生活の積み重なりが分かる場所なんですね。縄文の貝塚から出てくるものを調べると、我々現代人が食べているものとそんなに変わりません。ただ動物はちょっと違います。牛じゃなくて鹿、豚じゃなくて猪、鶏じゃなくて鴨やキジの肉を食べていたんですが、少なくとも魚介類は私達と全然変わらないものを食べていたことが分かるんですね。発掘前は、おそらく一番多いのはマグロだったり大きなスズキかなと思っていたんですが、実際調べてみると3分の1以上はイワシだったんですね。なんとなく縄文人って勇壮に魚を取っていたイメージがありますが、実はそうじゃなくて、その季節に沢山やってくるイワシやアジを村総出で獲って、安定的に食料を確保して、大きな魚はお父さんの太公望的な、男を自慢するようなものだったんですね。そんなことって貝塚を掘るまではわからなかったんですね。
ここに見えている貝は、ほとんどアサリなんですが、これは1年のうちの春を意味しています。いまも潮干狩りは春じゃないですか。縄文人も春に獲っていたことが分かっているんですね。というのも、木の年輪は1年に1本ですが、貝殻も1日に1本成長線を残すんです。それを調べると、このアサリがいつの季節に獲られたかがわかるんです。一年の中でも冬は成長しないので、そうやって調べると、春の層だということが分かるんです。この層は2m〜3mありますが、じつは20〜30年分くらいなんです。ですからここに住んだ縄文人の20〜30年分の生活が詰まっているんです。

 この貝塚からは人骨も見つかっています。さっき「ゴミ」とお話しましたが、縄文人にはゴミという感覚はないんですね。自然の恵みを頂いて、それを土に返すんですよね。食べかすも神が宿っていて、土に返すことでまた恵みとして戻ってきて欲しいという再生を祈る場所でもあるんです。ですから自分の身内が亡くなると貝塚に埋葬するんです。壊れた土器や食べかすが出てくると現代人の感覚ではゴミ捨て場というイメージですが、実は縄文人の意識の中では「全てのお墓」というイメージがあるんですね。
 あと、縄文人は犬を飼っていたんですが、それは狩りをする狩猟犬としてです。縄文時代は旧石器時代と違い、非常に効率よく狩りができるようになったんですが、それは弓矢の発明とともに、犬を飼うようになったということが大きいんです。それまでは槍をもって動物に正面から向かっていたんですが、犬を使うことによって、獲物を追い立てて、行き詰ったところで遠くはなれたところから弓でひく。そうすると安全で効率的に獲物をとらえることができたんですね。ですから、犬はパートナーとしてかわいがっていたし、ちゃんとお墓に埋葬しているんです。そこから、犬は他の動物とはちょっと別の生き物だったということが分かるんですね。


今回のお話いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Geronimo / Sheppard
・お犬様 feat. 尼ンダ / レキシ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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