先週に引き続き、東北・宮城県東松島市の「奥松島 縄文村歴史資料館」のレポートです。
日本最大級の「貝塚」がある土地。そしてこの地域の貝塚からは、縄文人が何を食べ、何を考えて生活していたか、まさに彼らの暮らしそのものが詰まっています。
今日も、貝塚から分かる縄文ライフ、一緒に覗いてみましょう!
資料館の館長・菅原弘樹さんに教えていただきました!

◆山と海と共に暮らしていた縄文人
ここの貝塚は、台地の高いところの斜面に形成されています。家の周りの端っこに貝塚が作られているんですが、家の台所のそばでアサリや魚の骨、動物の骨を捨てるという感じなんですね。ですから今回の津波も10m以上きていますが、津波の来ないところに縄文人は住んでいたんですね。縄文人は山のものも大切にしていました。里山・里海という言葉がありますが、まさに縄文人は里山里海を大事にして、その中で自然とともに暮らしていたということなんです。
これだけ貝殻と魚がたくさん出土していると、魚介類だけ食べていた感じがしますが、人骨を調べると山の幸を利用していたということがわかるんです。魚介類は多いですが半分近くは植物質の食べ物を食べていて、土の中の花粉を調べると栗の花粉ばかりなんです。ということはそこが栗林だった証拠です。栗は縄文人にとって重要で、実もそうですが、家の建材としても丈夫でいい材料なんです。竪穴住居は土屋根だとわかっていますが、その土を屋根にかける。その時の柱は栗の木なんです。つまり、縄文人にとって栗は非常に重要だったことが分かります。縄文人はちゃんと栗の木を管理をしていました。下草を切って太陽の光があたるようにして、あまり密生しないようにしていました。密生していると実がつかなくなってしまうから、管理してあげないといけない。遺跡から出る栗は大きさが揃っているんです。また、栗はアク抜きが必要ない。粉にして食べれば保存が効きます。
もう少し後の縄文の中期になると栃の実も利用するようになります。栃の実はかなり食べる部分が多いのですが、アク抜きが必要で、ちゃんとその作業をやっています。縄文人は魚介類、旬の魚を獲っていますが、もう一方でちゃんと山を管理していたことも分かっています。家を高いところに作って、周辺に里山をもって、そこに家を作って生活していたんです。
現在の日本の食文化は、ほとんど縄文人が作った食文化や伝統の上に生活が成り立っていますね。日本の基層文化は縄文だといえます。


我々日本人は4000年前から、ずーっと里山とともに生きていたんですね。
ちなみに、奥松島の縄文人はじめ本州の縄文人は、栗の粉を使ったクッキーやパンを食べていたため、世界の狩猟採集民と比べて、「虫歯率」が高かった、なんて話もあります。
そしてもう一つ。縄文人たちの貝塚は、私たちに大切な教訓を伝えてくれているんです。

◆縄文人の防災意識
貝塚は村の台地の斜面にあります。斜面の下には津波は来ていますが、縄文人が住んでいるのは一段高いところなので津波はほとんど及んでいません。今回も10mの津波が来ましたが、それより一段高い所ということがあったんじゃないかと思うんです。里山・里海を活かした生活、自然と共生する生活をしようと場所を選ぶと、台地の上なんだと思います。それが近世くらいになって、漁師の生活になると山には住まず、海のそば、船のそばに暮らす。今回の津波では江戸時代以降にできた海のそばの集落はみんな流されてしまいました。一方、縄文以来の高台 里浜はほとんど流されなかった。これは里浜だけでなく松島湾全体にいえます。松島湾にはたくさんの貝塚があるが、対岸や松島の貝塚もその時期はどういうわけか一段高いところに移っています。そして同じ時期に低いところに移っています。おそらく気候が寒くなって海が引いたときに少しでも海に近い所によっていったんだと思います。ただそれでも絶対に海のそばではなく一段高い台地の上で生活しているんですが、目の前に津波が来るのを見るとより高いところに。そういう防災意識はあったんじゃないかなと思いますね。


今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ドライブ / ホフディラン
・狩りから稲作へ feat.足軽先生・東インド貿易会社マン / レキシ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

あなたからのメッセージ・ご意見をお待ちしております

各放送局の放送時間

  • JFNヒューマンコンシャス募金は鎮守の森のプロジェクトを応援しています。

ポッドキャスト

  • ポッドキャスト RSS
  • ※iTunesなどのPodcastingアプリケーションにドラッグ&ドロップしてください。
  • 鎮守の森のプロジェクト
  • EARTH & HUMAN CONSCIOUS
  • LOVE&HOPE〜ヒューマン・ケア・プロジェクト〜
  • AIG損保 ACTIVE CARE

PAGE TOP