今週は、先週に引き続き、宮城県・東松島市からのレポートです。
この春に開校した、森とともに学ぶ小学校「宮野森小学校」で行われた、「ひがしまつしま ひと・しごと・にぎわい創生シンポジウム」の模様をお届けします。
会場はこの春に開校した「宮野森小学校」のオール木造の体育館。東日本大震災による津波で被災した東松島・野蒜地区に新たに生まれた森そのものを学びの場にした小学校です。

シンポジウムの大きなテーマは、自然をキーワードにした東松島市のこれからの観光。
この地区の豊かな自然に魅せられた、作家で環境活動家 CWニコルさんや、観光マネジメントに詳しい東洋大学大学院 客員教授の中村賢一さんなどが、観光資源としての東松島の魅力を語りました。
まずは中村さん、ニコルさんのお話です。

中村賢一教授 : まず私がみなさんにお伝えしたいのは、観光の概念が日本で変わりつつあるということです。外国人が来ていないときの日本の典型的な観光・・・風光明媚なところを見ておいしいものを食べる。これが既存の概念の観光です。ですから、観光政策はどの自治体もそれに沿って政策立案されています。
しかし、外国人の旅行概念は全く違います。外国にも風光明媚なところはいっぱいあります。日本だから来るわけじゃないんです。じゃあ、なぜくるのかといえば、日本の文化や人に触れるためです。
いま、我々が受け入れていた観光の体制が岐路に立っています。地元に暮らしていると自然はあたりまえですよね。海も森もあるのが当たり前で、これって観光資源なのか?と思うかもしれませんが、世界から見るとものすごい観光資源です。ヨーロッパの都市部に自然はありません。東南アジアの国々は乱開発で自然が保護されていない。でも日本は自然が保護され手入れされていますし、おもてなしが良い。こんな良いところはほかにありません。世界的には観光的にすごい資源だと理解してほしいんです。
じゃあ東松島はどうでしょうか。アファンのような取り組みが起爆剤となり、世界から人を呼ぶ観光資源を作れるのではないでしょうか。旧来の観光ではなく、概念を変えて、市場を世界に広げる取り組みがヒントになると思います。

C.W.ニコル氏 : 震災後に東松島に来て、悲しいことをいっぱい見ました。でも、「ええ!?」ということもいっぱいみました。田んぼに海が入り、そこに鳥たちが、何百羽の白鳥が来ていました。オスプレイ(みさご)が観られるのは外国人にとってすごいことです。湿地帯を作れば必ず外国の客が来ます。そして、鳥が大好きだからみんな静かです。そして、たぶん一泊ではなく、もっと滞在します。
その話を元英国大使、英国野鳥の会のトップに話したら、来日して、「ここを湿地帯にしたら数年後にラムサール条約に入るだろう」といいました。その実現にはそんなにお金がかかりません。そして水鳥がいっぱいいるということは、小魚もいっぱいいるということです。魚の幼稚園になりますよ。山から綺麗な水が流れてきて混ざったところが水鳥は居心地が良いんです。水鳥がとまり糞を落とすと、畑も田んぼも豊かになります。遠浅・湿地帯・川。それらを大事にしたら漁業も良くなり、集客になります。良い客が来ます。ぜひそれを推していきたいですね。



そして今回は、シンポジウムの直前に。東松島の観光を考えるということで、東松島を散策するツアーが参加者を募って実施されました。
そのコーディネーターを務めたのが、冒頭にお話していた東洋大学 大学院 中村賢一 客員教授。実際にコーディネートしてみて感じた東松島の魅力を、こう語りました。

きのうは、小さい拠点でも、あっちこっちをぐるっと回ってみたらどうかというツアーを組んでみました。スタートは、東京から来ることを考えて、野蒜駅11時集合でスタートしました。最初に伝承館へ行って、個人で里山に避難所を作って70人が助かったというところにお願いして、実際の話を聞くというのをやりました。里山のあとは、すぐそばの海鮮堂で美味しい牡蠣を頂き、嵯峨渓の遊覧船に乗船しました。普通の遊覧船はぐるっと回っておしまいですが、嵯峨渓の目の前をゆっくり走りますし、それに船頭さんの巧妙な語り口。あれは価値のある遊覧船です。そして、ディスカバリーセンターで世界最先端の情報を見せてもらい、最後はアファンの森のツリーハウスの見学をするというコースです。5時に野蒜駅解散でした。
それぞれの場所は30分〜1時間の滞在ですが、組み合わせて、ぐるっと周遊コースでつなげる。そのなかには縄文村歴史資料館もありますし、宮戸八景というものもあります。そういうコースも組み合わせればできる。地元の歴史や文化が残っているので、組み合わせると、実は東松島は1泊しないと間に合わないコースも作れそうです。これはヒントになると感じました。外国人観光客をターゲットにする形に変えるのが流れではないかと思います。


最後のお話、東松島のスポットがたくさん出てきましたが、東松島 野蒜には「市の震災復興伝承館」があります。
そして、東松島の宮戸島は奥松島と呼ばれ、荒波と雨風で削られた、なんとも自然の力を感じる巨大な岩や岸壁の風景が楽しめます。これが嵯峨渓です。
さらに地域の方が中心となって、宮戸の風光明媚なスポットを「新宮戸八景」として、話題づくりも行われているそうです。
そして、このシンポジウムの後はCWニコルさん率いる「C.W.ニコルズバンド」と、D.W.ニコルズのライブもあったのですが、その模様は来週お届けします!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・パレード / つじあやの
・ハッピーラッキーデイ / D.W.ニコルズ

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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