高橋:3月16日、夜遅くに福島県沖で発生した最大震度6強の地震・・・
11年前を思い出すような、大きな地震でしたね
皆さん、怪我などされなかったでしょうか。
宮城県の女川町では、町をあげて20日に大きなイベントがあったのですが
しばらく余震の心配と、鉄道や道路にも被害が発生したため「中止」になってしまいました。 
地元の方からも、悔しい・・・という声、届いています。



高橋:今週は、宮城県仙台市のお隣、名取市からのリポートです。
この番組でも何度かお伝えしている、私の大好きな「セリ鍋」。
そのセリの生産量日本一の産地が、名取市なんですが
今日は、そのセリを根っこごと食べる「セリ鍋」を広めた仕掛け人の一人・・・
名取のセリ農家・三浦隆弘さんのインタビューをお届けします。
コンコンと水が湧き出す、セリの水田でお話を伺いました。



(三浦農園・三浦さんと万里恵さん)

>>>>>>>>>>>>>>
<< 現地レポートの様子 >>

高橋:三浦さんお会いしたかったですよろしくお願いします!これがせりの?

三浦:遠路はるばるありがとうございます。
水の中で野菜を作るのでせりの田んぼという呼び方をします。
春の七草や万葉集に乗っているくらい
日本中の水辺に入れていた草なんです。
それを昔の方は冬を生き残るために食べていた。
1000年かけて野草を野菜に変えて食べ物に変わった品種です。
なので日本中の田んぼに元々せりは生えているんですね


(三浦農園”セリ”の田んぼ)

高橋:水の音が聞こえます

三浦:この場所ってちょっと穴を掘ったり
地下を掘るとすごくたくさん水が流れている場所で、
だからこそ水をたくさん使うせりみたいな野菜が
栽培に適した場所なんです。地下90メートルくらい
井戸を掘って組み上げているんですけれども、
1年中温度が15度くらいで一定なので、
冬の時期で外気温がマイナスだとあったかい湯気が
もくもく出る田んぼになります。
そういう水の恵みでせりという野菜は出来上がっています。




三浦:作業着は、渓流釣りをする人たちが着る
胴長と呼ばれるものです。
これで田んぼの中で膝をついて泥まみれになって手で収穫します。


  

高橋:せり鍋は震災前からあったんですよね

三浦:震災前の2003年、04年くらいから
スローフードや野菜ソムリエの方と
仙台の小さなお店で始まったものですね。
家庭からではなく仙台の飲食店から始まった取り込み。
いな穂という小さいお店なんですが、
私はずっといな穂さんに育てていただいた農家で、
せり鍋の言い出しっぺの1人として。



(「せり鍋」)


(三浦農園のせり)

高橋: 仕掛け人みたいな感じですか?

三浦:そうです。
震災によって仙台にいろんな支援の方がいらっしゃるようになって、
そこで地元のものにより光が当たるようになったんですね。
それでせり鍋を仙台で食べるという応援の取り組みが
広がったのが大事なところかなと思います。
あとは仙台って、地元のものがあんまりなくて、
海外から来た牛の舌が名物になる街でもあったので、
地元のおいしい野菜、地元の旬の野菜を応援することで
この街に来る人、街に住んでいる人も、
この街が良い街だと確認し合う作業みたいなんですね。
あとは秋田のきりたんぽやだまこ鍋が名物になっていましたが
出荷する量は宮城県がずっと日本一なんですね。
ということは名取でおいしいせりを作っても食べる方は
「秋田のきりたんぽはおいしいね」と言って食べていたわけです。
そこでもやもやするものもあってでもやっぱり地元のものを
地元で食べて欲しいなというのが取り組みの
最初のきっかけにはなりましたね。あとはそもそも、
せり鍋以前はせりの根っこを食べる文化は仙台にはありませんでした。
取り組みの最初は、「草の根っこを食わせてカネとるのか三浦くん」
とずいぶん怒られましたね。食べてみると
根っこの付け根部分が実際美味しくて、ほろ苦いくて後引く甘さで。
あれをぜひ体感してほしいし、
ペアリングとかテロワールと言いますが
地元のお酒と地元の魚と肉と、食文化として
楽しんでもらえるようになったら
この街はもっとおいしいものがたくさんある豊かな街に
なれるんじゃないかなと思っています。


>>>>>>>>>>>>>>


高橋:名取のセリ農家・三浦さんや、仙台の飲食店など、
草の根的な取り組みとして始まったのが、仙台名物セリ鍋だったという…。

ちなみに三浦農園のすぐそばには、
mapで見ると古墳や弥生時代の集落の遺跡があるのが分かります。
本当に古くから人が暮らしていた地域。
そこで生まれ育った三浦さん。こんな想いでセリ作りをしていると言います。


>>>>>>>>>>>>>>

<< 現地レポートの様子 >>


三浦:私は家でいうと7代目ですが、
この場所自体が400年前くらいからずっと
セリを作っている村なんですよ。
古文書にも、殿様が来たときにここで
セリでおもてなししたとか京都のお公家さんに
庄屋のおじさんがせりを送って喜ばれたとかいう
古文書が残っているくらいで。
良い水がたくさんあるようなところでせりをたくさん作って、
それでここは歴史的に暮らしてこられていたんですね。
そういうルーツも大事にしたかったというのもあります。
在来作物とか伝統野菜の大事なことって、
やっぱり先祖とか地域のおじいちゃんおばあちゃんから
受けつないだバトンを、いかに未来につなぐかだと思うんですよ。
だからこそ受け渡したバトンをなるべく
良い状態で次の世代をつなげたいというのが、
バトンを受け渡された側の私の今の仕事のモチベーションで、
なのでいかに少ない面積でたくさんせりを作るというのとは
ちょっと違っていて、やっぱりおいしいせりを、
400年続いたからには400年後も大丈夫な野菜を作ると考えると、
絶滅危惧種の生き物もいるしいろんな雑草も
生えていますけれどもちょうど良いバランスを保つことの方が
土や水にとっては持続可能性があるのかなと。


高橋:有機農法で無農薬でやってらっしゃる?

三浦: そうですね。
農薬や化学肥料を使わずにオーガニックな無農薬、無化学肥料。
イトミミズが土の養分を食べてくれて、
そのふんがせりの栄養になるんですね。
イトミミズがここでも数億匹いると思うんですけど、
そのふんがせり以外の草の種を埋め込んでくれる、
冬水田んぼみたいな効果があるんです。
一言で言うと生き物の居心地が良い土を作っている。



(土がプルップル!)

三浦:だからこそちゃんと根っこを洗ってくれる料理人さんと。
1人前せり鍋は150グラムだが料理人さんは
大体15分から20分かけて洗いますので、
それをみんな2、3分で食べますんで(笑)。



(三浦農園のせり)

高橋:皆さんはどうやって洗ってるんですか?

三浦:歯ブラシです。
仙台の飲食店ではせり鍋専用の歯ブラシがあって、
歯ブラシと一緒に腱鞘炎と戦う学生バイトがたくさんおります。
だからこそ、肉や魚など熟成で美味しくなるものがありますが
野菜は収穫した途端に品質が劣化していきますからなるべく早く
良い状態で食べてもらうには、
産地の近くで食べてもらうのが一番かなと思います。




>>>>>>>>>>>>>>



高橋: 宮城県名取市のセリ農家・三浦隆弘さんのお仕事の現場からの
リポートでした。来週も、この続きをお届けします!


【今週の番組内でのオンエア曲】
・If Ever/ Paula Fuga, Jack Johnson & Ben Harper
・BLUE SOULS_A_o, ROTH BART BARON & アイナ・ジ・エンド

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

あなたからのメッセージ・ご意見をお待ちしております

各放送局の放送時間

  • JFN募金は鎮守の森のプロジェクトを応援しています。

ポッドキャスト

  • ポッドキャスト RSS
  • ※iTunesなどのPodcastingアプリケーションにドラッグ&ドロップしてください。

アーカイブ

  • 鎮守の森のプロジェクト
  • LOVE&HOPE〜ヒューマン・ケア・プロジェクト〜
  • AIG損保 ACTIVE CARE

PAGE TOP