この番組は、東日本大震災で発生した震災ガレキを“活かして”
津波から命を守る「防潮林を作ろう」という取り組み
「森の長城プロジェクト」の活動を追いかけています。

今週も引き続き、森の長城プロジェクトのメンバーのお一人、
東京大学教授で、日本文学者のロバート・キャンベルさんの
インタビューをお送りします。

今回のテーマは「日本文学と森の関係」についてお話を伺いました。

番組ではよく「鎮守の森」という言葉を紹介しているのですが、
植物生態学者の宮脇昭さんによると、英語に「鎮守の森」にあたる言葉は見当たらない・・・

ということなんですが、それは本当ですか?
とキャンベルさんにお伺いすると、

「困りましたね・・・見当たらないんですよ」とのこと。

「鎮守の森」という言葉に最初に出会ったキャンベルさん。
神社と森一体になって、神木もあって、その周りと大切に地域の人々が守っていて、
その森にまつわる物語が伝承されていると言うことに、とても感銘を受けたそうです。

そのキャンベルさんのピックアップした「森と日本文学」ですが、
18世紀の文学者の上田 秋成(うえだあきなり)です。

上田秋成は、江戸時代後期の読本作者で、歌人、茶人、国学者、俳人でもあります。
怪異小説「雨月物語」の作者として特に知られている方。

この「雨月物語」のなかに、「目ひとつの神」という話があります。

あらすじは、
相模国小余綾(こゆるぎ)の浦で育った若者が、歌を教わりたいと考え、京を目指す物語。

途中近江老曾(おいそ)の森で、夜中、修験者、一つ目の神、法師、神主、獣らによる宴に出くわします。

神は若者に、
「京では芸道という枠組みにより、個人の才能の発露が制約されており、そのような環境で歌を学んでも益はない。東国でしかるべき師匠を見つけ、自身が歌を深めていくことこそ大事である」と説きます。
最後は天狗と一緒に空を飛んで東に帰る・・・
ファンタスティックな物語に、人が通過する森の包容力、不思議な美しさがよく描かれている作品なんです。

「江老曾(おいそ)の森」というのは、よく和歌にも詠まれる地名。小説を読む人にとってはなじみのある場所。

森は怖いけど、守ってくれるというそういう存在として描かれているんです。
若者の通過儀礼というか、鎮守の森として、皆を守るもの、なんです。

近代になると島崎藤村の「夜明け前」などの作品にも「森と人間」の関係が出てきます。
(「木曽路は全て山の中にある」という出だしで有名なあの作品です!)

キャンベルさんは、近代文学の中で表現される「森」と人間について更に語ってくれます・・・。

詳しくは、是非番組ポットキャストで聞いてくださいね。

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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