今週、ご案内するのは、東京を代表する大きな森。明治神宮の森です。
日本一の参拝客を集める初詣スポットとしてしられる明治神宮は、東京ドーム15個分、70万平方メートルという広大な鎮守の森に囲まれています。

東京・渋谷区という大きな街の中心に、なぜこれほど大きな森があるのでしょうか・・・
実は、このあたりは、元々は「森ではありませんでした」。
この地に明治神宮を鎮座するにあたり、人の手によって造られた人工の森、
それが明治神宮の森なんです。

江戸時代、このあたりの土地は熊本藩・加藤家、彦根藩・井伊家など大名の下屋敷がありました。その後、明治維新を経て、土地は御料地…つまり皇室のものとなったのですが当時は、ほとんどが畑や荒れ地だったと言います。


◆明治神宮の森 誕生まで
明治天皇様がお亡くなりになって、ご聖徳を偲ぶためのお宮を、という声が全国から上がり、四十数箇所の候補地の中からここに決まりました。まず森があってお宮というのが普通ですが、まず場所がここに決まり、その次に、「お宮には鎮守の森が必要だ」ということになったのです。そこへ出てきたのが日比谷公園などを作った本多静六さんと本郷高徳さん、上原敬二さんたちです。その後、こうしてこの森を作ったんだよ、というのを本郷高徳さんが『林縁計画書』として残してくれています。私たちも当時 森を作った想いを大切にしながら、より良い姿でもって引き継ぐのが仕事だと思っています。


現在、明治神宮の森を管理している 沖沢幸二さんによると、
時代は明治から大正へ。この土地に明治神宮を鎮座して、その「鎮守の森」を作る計画が立ち上がりました。それは、明治神宮にふさわしい永遠の森を目指す壮大なプロジェクトだったそうです。
計画したのは、以前、あの「伊勢神宮の森作り」を紹介した時に登場した、本多静六氏など、当時の林学者です。


◆明治神宮の森−森作りの工程表
まず、ここをどんな森にしようかと話し合われました。お宮というと杉や桧。伊勢神宮も日光もそう。当初ココもそういうものにしたいと当時の総理、大隈重信さんにはありましたが、森作りを担当した本多静六さんたちは、猛反対の声をあげました。
杉やヒノキはこの土地の性質や都会の環境には合わないこと。またこの土地そのものが関東ローム層で非常に乾燥しており、ヒノキは適当な湿り気がないとダメだということでなんとか説得しました。
神社の森は切ったり植えたりをするのではなく、最終的には自然の力で世代を交代していくというのが、鎮守の森としてふさわしい。そういうものは常緑広葉樹、かし、しい、くすなどで森を作れば、切ったり植えたりすることなく自らの力で世代交代をする森ができると考えました。

◆4段階に分けられた森作りの工程表
一段回目としては、常緑広葉樹は最初は成長が遅い。まずは成長の早い、松を主体とした森、次に杉や桧を下に植え込む。その下に将来この森を担う、くすやかし、しいを植えこんで、その下に小さなあおきなど灌木類を植えていく。そうすることで50年くらいたつと、杉やヒノキに松の成長が負けて衰退、杉とヒノキの森へと変わり、更に50年後には、常緑広葉樹の成長に負けたスギ・ヒノキが衰退していく。さらに次の4段階目では、しいやくす、かしという常緑広葉樹が、森の一番上を占めて、その下に子どもができて自然の力で世代交代をする森というのが、4段階の形。
それで森ができたという人もいますが、神社の森としては、ちょうど常緑広葉樹の森がスタートしたところ。これから本数が増えたり減ったりしながら、自然の力でうねりながら、また200年〜300年経過して、神社の本当の森らしい森ができていくのだなと思い、日々そんな風に森を見ているんですよ。



そして大正4年。人が手を加えなくても、自然の力で世代交代を続ける「永遠の森」を目指した森づくりが始まり、現在。当初は「150年後にそうなるだろう」を予想していた森は、およそ90年で、早くも当時 予測していた森の姿になっているといいます。

『いのちの森 voice of forest』。来週は、明治神宮の森・後編。
100年先、200年先を見据えた森の、今の姿についてお伝えします。
お楽しみに。


パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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