今週は、JFN38局が取り組む『COOL WOOD JAPAN PROJECT』をお届けします。
今回ピックアップしたのは、「サバニ」です。サバニとは沖縄の言葉で、沖縄の漁師さん「海人(うみんちゅ)」が、かつて使っていた漁船のことなんです。古くは地元・琉球の松を使っていたそうですが、ハギ舟といわれる、複数の材木を組み合わせたものになってからは宮崎県産の飫肥杉を使っているそうです。なぜ、沖縄の漁船を、宮崎県の杉の木で作ったのでしょうか・・・。
糸満の海人の歴史を語り継ぐ「語り部」、NPO法人ハマスーキ理事長 上原謙さんにお話を伺いました。
NPO法人ハマスーキ上原さん
◆潜り漁が盛んな糸満で生まれた、ミーカガン(水中めがね)
糸満は首里王国から魚を獲っていいと許可を得ていた地域なんです。糸満は遠浅で、川から栄養が流れこみ、サンゴ礁もあって海の幸がいっぱいあり、素潜りで海の幸を捕ることが主流でした。
それで当時、漁の時に目を保護するものが必要ということで、サツマイモを輪切りにして外側にガラスを入れ、水中眼鏡を作りました。

沖縄の言葉で「ミーカガン」といいます。それまでは目を痛めてしまう人も多かったそうですが、このミーカガンはとても画期的な発明で、漁獲高も大きく増えたそうです。元々は明治17年に玉城安太郎という人が作り出したもので、それをみんなが真似したんです。そして次第に芋で作るのは大変だということで、海岸に生えている木を使うようになりました。この近くにありますが、砂浜にハマスーキという木が生えています。この木は柔らかいけど割れない木で、簡単に穴が開きます。



糸満で120年前に考案された水中めがめの原型「ミーカガン」。
サツマイモを輪切りにしてくりぬき、ガラスを付けて、漁をする網で顔に縛り付けたもの。
それがこの姿(笑)

およそ120年前のこの画期的な発明と舟、つまり「サバニ」の進化が、
海人たちの生活を大きく変えたといいます。

◆サバニの進化
以前のサバニは琉球松の木をくりぬいてつくった「マルキンニ」といわれる丸木舟でした。しかしこれでは遠くへは行けません。琉球王朝は中国との貿易をするために大きな船が必要で、それにはたくさんの木が必要でした。そこで薩摩から、船の材料に最適だった飫肥杉を入れ、それを製材して曲げて作るようになりました。
糸満では、イノー(サンゴ礁に囲まれた浅い海)で魚を捕る舟を「イノーニ」といっていました。「ニ」は舟のことです。イノーの外にいく舟は「フカッキサーニ」、サメやフカを糸満ではサバといいますが、サバを釣る舟を「サバニ」といっていました。今はどんな舟でもサバニと呼ぶようになりました。
やがて琉球の海人たちはこのサバニに帆を張って島から島へ渡っていきました。奄美大島から鹿児島へ、鹿児島から長崎、五島列島、山口を回って、福井県までいきました。島根にはまだサバニが残っています。また、太平洋側は宮崎、大分、四国、和歌山、東京、千葉県まで島伝いに帆で行っていました。天気予報もない時代ですが、何月ころはどこから風が吹くか、午前と午後ではどう違うかなどを読み、雲の流れや波を見て、潮に逆らわずに行っていたんです。


こうして糸満の海人は日本全国だけでなく ハワイ、サイパン、フィリピン、シンガポールまで行って漁をしていました。上原さんは、海を渡る「海人」の子どもとして、ミクロネシア「ポナペ島」で生まれたともおっしゃっていました。ポナペ島は現在ポンペイ島と呼ばれています。

沖縄の漁師さん「海人」が獲っていたサバ=サメは、身はかまぼこになるし、フカヒレは中国へ輸出され、肝臓から取った油はペンキ代わりに船に塗るなど、貴重な資源だったようです。

本当に奥が深く、感心するお話ばかりですね。お話を伺った上原さんが理事長を務めるNPO法人ハマスーキのサイトもぜひご覧ください。
糸満 海人工房・資料館

この続きはまた来週お届けします。

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『COOL WOOD JAPAN PROJECT』では、JFN38局それぞれが各地域の森の情報や取り組みなどをご紹介しています。詳しくは「COOL WOOD JAPAN PROJECT」の特設WEBサイトをご覧ください。
COOL WOOD JAPAN PROJECT

【今週のオンエア曲】
・AM11:00 / HY
・てぃんさぐぬ花 / 我如古より子 吉川忠英

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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