今週も引き続き、ツリーハウスクリエイター、小林崇さんのインタビューです。
以前、この番組で、宮城県東松島市・野蒜地区で計画が進む、『森の学校』を紹介したことがあります。これは、作家で環境活動家・CWニコルさんと、ニコルさんの団体『アファンの森財団』が中心となった取り組み。東日本大震災で大きな被害を受けた野蒜地区の、高台の森を手入れして、森を生かした、子どもたちの「学校」をつくろうというものです。
2018年の完成を目指して、今も着々と計画が進んでいるのですが、実は、この森の学校の一つの象徴として、ツリーハウスも作られています。そしてこのツリーハウスを作ったのも、実は小林さんなんです。


◆ツリードラゴン
東日本大震災の被災地で東松島というところがあります。津波の被害で、山沿いに移転するのですが、そこに木造の小学校をつくろうという話があります。この小学校ができると通学路になる山があって、通学路の途中にツリーハウスができたらいいよね、という話がニコルさんからありました。また、ツリーハウスで授業がやりたいという話もあって、じゃあやりましょうということでつくったんです。
ただ、ツリーハウスをつくるのにあまりいい木がなく、場所も急斜面だったので、木にのせることは無理でした。そこで、斜めのところにマッチ箱のように下から組み上げていきました。
一階部分は山の斜面を掘ってつくったのですが、その掘ったところが洞窟みたいになって、竪穴式住居のようになりました。そして、岩を削ってストーブをつくったんです。
重機もほとんど入らなかったので、ほぼ手作業でした。また、材木は買いませんでした。そこはすでに移転のための造成が始まっていたので、なぎ倒された木があり、それをチェーンソーを使って手作りで板にしました。ですから、90パーセントはそこにあるものを確保して、そこに戻した状態です。
このツリーハウスは『ツリードラゴン』という名前で、龍が登っていくような、再生や復活のイメージです。何も無くなってしまったけど、もう1回再生するんだという、龍が天に登っていくようなイメージです。




元々、小林さんはニコルさんの「アファンの森財団」とも付き合いがあり、震災後、財団の方からの呼びかけを受けて、このツリーハウスを作ることに、協力したそうです。
そしてこのツリーハウスは、地元の子どもたち、大人たちの想いとともにつくったものでもあるんです。


◆100%の安全はない
ツリーハウスづくりは地元の子どもたちも手伝ってくれました。泥団子を作ってぶつけたりして、子どもたちもすごく喜んでいました。ここはたくさんの子どもが亡くなった場所で、なんともいえない気持ちでした。
このツリーハウスはストーブをつくったので、火が焚けるんです。いざとなれば暖もとれて、お湯も沸かせるのでシェルターになります。ですから、こういうものがたくさんできたらいいのにと思いました。山を造成して建物を建てるのではなく、森を残してこういうものがある街づくりもあったのではないかと思いす。このツリーハウスが街づくりのために自然を壊すのか、森を残すのか、選択するためのよい教材になるのではと考えています。
ツリードラゴンは子どもたちが使うだけではなく、ここで結婚式を挙げた地元の人もいました。近くに住んでいるおじいちゃんに、制作の期間は泊めてもらっていたのですが、最初はうさんくさく思われていたものの、最後はとても喜んでくれて、お酒を飲み過ぎてしまいました。
でもツリーハウスは構造計算は大丈夫なのかとか、子どもが落ちて怪我したらどうするのかとか、火事になったらどうするのかという話もあります。しかしそれは、そういうものだと思うんです。100パーセントの安全はないんです。今回これが許されたのは、行政や町、アファンの森財団といった人たちの強い気持ちあったからできたんです。



「100パーセントの安全んはない」小林さん、そう言っていましたね。この言葉には、小林さんが考えるツリーハウスという存在や、そこで子どもたちに、何を学んでほしいか、という気持ちが込められています。

◆体験からしか学べないこと
こんな手すりのないところに子どもたちが登って、危ないという人もいます。でもそれは意識の問題です。僕もニコルさんもいいんじゃない?って思っているんです。100人のって大丈夫でも、101人目で壊れてしまうかもしれません。でもそういうことを子どもたちは分かっていた方がいいと思うんです。木に登るとき、自分は大丈夫でも、もっと大きい子が登ったら枝が折れるかもしれない。そういうことは体験でしか分かりません。それが少なすぎて、何かあったときに危ないんじゃないかと思うんです。
何かあった時に判断するのは自分です。たとえば地震があった、津波があったというときに、親や大人がいればいいですが、そうではないときに判断するのは第六感です。ですから学校では学べない何かを子どもたちは身に付けるべきだと思います。
ワクワクする、ドキドキするものにはリスクがあります。ツリーハウスは何年もつのかとか、何人のれるのか、大丈夫なのかとか、いろいろ聞かれます。でもそれは難しい問題です。だからやっている人は少ないんです。日本でプロは僕だけです。


小林さんのお話、お届けしましたがいかがでしたでしょうか。
たしかに体験だけでしか分からないことって大切ですよね

次回も小林さんのお話をお届けしますのでお楽しみに。

今回ご紹介しな内容はポッドキャストでも詳しくご紹介しています。
こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Happily / ONE DIRECTION
・Daydream Believer / The Monkeys

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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