先週に引き続き珍しい植物を追い求め日本全国、世界全土を旅するプラントハンター、西畠清順さんのインタビューをお届けします。
京都の植物卸問屋の五代目にして、いままで誰もやらなかった、海外の珍しい植物の輸入に乗り出した若き革命児。
前回は海外の珍しい「ヤシの木」の輸入を、「誰もやってないなら俺がやるわ」と 挑戦したというお話の途中でした。
これまで不可能とされてきた、ヤシの木をどうやって日本で根付かせたのか。今回はその「企業秘密」の部分に迫ります。


-そのヤシをいままで園芸業界の方ができなかったのに、西畠さんができたのはなぜですか?
まず自分が海外で育てればいいと思ったんですね。ある程度育ったものを海外で輸出用の土ではないものに植え替えて、2〜3年かけて養生してもらうんです。それを輸入するんです。だから思い立ってから輸入するまで4年くらいかかったんです。現地の業者にも協力してもらわなければいけませんし、ヤシの種類によって、小さいうちに植え替えたほうがいいものと、大きくなってから植え替えたほうがいいものとか、いろいろあるんです。それは植物の生理的なことを知っていると、成功の確率が上がります。100本仕入れたら100本とも枯れてしまったということもありますね。

-それまで日本には3種類しかなかったそうですが、どれくらいの種類のヤシをもってきたんですか?
10種類近くあります。代々木VILLAGEにあるそら植物園の事務所に世界中のヤシの標本展示がしてあります。代々木VILLAGEは各国を代表する植物が一箇所に集まり、共存をテーマに、国境も人種も関係なく仲良く暮らしているという世界をメッセージとして、庭を通じて出しているんですが、二階は木をたくさん植えられないので、植木鉢に世界中のヤシの標本展示をしているんです。


-海外から来たヤシはちゃんと日本の土に根付くんですか?
植物は100種類あったら、100通りの育て方があるというわけでもなく、系統立てて分類すると、おおまかに10種類くらいの育て方に分けられるんです。極端なことを言うと3種類くらいに分けることもできるんです。ですから、100の植物を持ってこようという時に、それぞれに土や環境を合わせなくてもいいんです。

-それは西畠さんだからわかることなんでしょうね。
ぼくはこの仕事は13〜4年くらいの経験年数ですが、自分のやっていることに関しては人より30倍は覚えるのが早かったし、仕事だけは一生懸命やってきたので、ぼくだからわかるということにしておこうかな(笑)やっぱり好きだからということもありますね。

-根付くのは植物の力ですか。
もちろんそうです。だからそれをできるだけスムーズに発揮させてあげるようにします。うちの会社は20数人の会社ですが、3000種類以上の植物を生産管理していて、どこの企業よりもたくさんの植物を育てた経験があります。けれども、それぞれの植物のことを全部知っておくというのはとても難しいし、自分は植物を育てるのがうまい方ではないと思ってるんです。でもその植物の性質をうまく分類して、それに適した環境にセットすれば、あとは植物はストイックに生きていくので、それを邪魔しないようにしてあげるんです。

-西畠さんはどれくらいの大きさのものまで持ってくるんですか?
一本の木が13トンくらいのものを持ってきたことがあります。やっぱりでかいものは好きですね。巨木好きなんですよ。とくにぼくの好きな巨木は、自分が手に入れられるものです。
ぼくは小さい頃からヒーローが好きで、ウルトラマンみたいな強くて大きなものに憧れたんですよ。もちろん小さい花も好きなんですが、やっぱりでかいものは男子にとっては憧れですよね。巨木はぼくにとってはウルトラマンであり、憧れているものですね。たとえばアイドルはテレビの向こうの人ですが、もしそのアイドルが自分の目の前に現れて、会話できたりしたら、ひょっとしたら自分のものにできるかもしれないと思いますよね。そうするともっとそのアイドルにのめり込むと思うんです。巨木も一緒で、初めてマダガスカルでバオバブを見たとき、涙が出たんです。これは自分が扱える世界の外にあると思ったんですが、あるときマダガスカルの大使にあって、売りに出されているバオバブがあると言われて、手に入るかもしれないと思ったら、余計にバオバブのことが好きになるんです。手に入るかもしれないと思ったら、必死になりますよね。恋愛も一緒ですよね、どうにかなるかもしれないと思ったら頑張るし、手に入って、一緒になれたら嬉しい。そんなことを繰り返しているんです。

巨木を輸入するには何千万円もかかって、結局枯れてしまうこともあるわけです。つまりリスクが大きい。だから、何も考えずに突き進んでいるように見えて、じつはいろいろ考えてやっているんです。巨木を運ぶということはビジネスというだけではなく、自分の想いとメッセージを運ぶということも大切なことなんじゃないかなと思っているんです。


西畠さんのお話いかがだったでしょうか。ポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Talk About You / MIKA
・AFRICA / TOTO

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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