プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

6月9日(日)、宮城県岩沼市で行われた
『千年希望の丘 植樹祭』の模様をお届けします。
これは岩沼市が進めている計画の一環で行われたもので、
番組が継続して取材している「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」をはじめ、
4000人を超えるボランティアが参加。市が主体となった森作りが、
いよいよ始まっています。



岩沼市では今、10キロにおよぶ海岸線沿いに、コンクリートの防潮堤の
内側に、避難用の小高い丘と、森の防潮堤を作る計画を推し進めています。
その計画のスタートイベントとして行われたのが今回の植樹祭。
仙台空港すぐそばの植樹会場には、ボランティア4000人以上が集まり、
それぞれの想いとともに、タブの木やシイの木など苗木 3万本が植樹されました。

その中に、イベントを岩沼市とともに企画した
森の長城プロジェクト 理事長 細川護煕さんの姿もありました。



この「千年希望の丘」を作ることを決めた岩沼市の井口経明市長に、市の計画について伺いました。

井口市長によれば、岩沼市にはおよそ10キロの海岸線があるのですが、
避難場所になるような高い建物はほとんどないと言います。
そこで、いざという時の避難場所として高さ10mの丘を15個作る予定。
この15個の丘を、3mの盛り土の上に植樹した「森」で繋ぐ。
このつなぎの部分が、防潮堤と避難経路を兼ねる長細い「森」となるわけです。

また、植樹する土台の中には、法律で認められたコンクリートガレキと、
津波で堆積した土砂が利用されてます。

そしてこの千年希望の丘の計画には、鎮魂や防災だけでなく、
「災害を語り継ぐ」意味もあるといいます。



番組ポットキャストでもお楽しみ下さい!


今週も、先週に引き続き、全国の森から切り出された木が、
木材となって集まる場所、東京江東区新木場からのレポートをお届けします。

この界隈は江戸時代から、木材問屋さんの街として栄えてきたのですが、
近年は、その数も減り続けているといいます。
その理由は何なのか、木と私たちの関係はこれからどうなっていくのか。
色々とお話を伺いました。

先週は、この新木場の木材問屋さんが、昭和38年の500社をピークに、
いまでは342社にまで減っているという状況を教えて頂きました。
そしてその理由は、日本の住宅の材料に木材が使われなくなったから、
ということでしたが…なぜ、そうなってしまったのでしょうか。
吉条さんはこう説明します。

「日本の木が使われなくなった原因ですが、
戦後復興がすさまじく、復興資材は木材が主だったのですが、
ものすごい勢いで森林伐採が続き、木材価格が高騰しました。

日本全体の森林から木が無くなるのではないかという懸念が出てきたんですね。
昭和25年に木材資源利用合理化法が閣議決定され、
できるだけ木材を使わないようにしようと政府主導があったのです。
当時としては一理あったのですが、それでも木材需要は伸びて行き足りなくなった。

そこで輸入木材を入れるため関税を下げ買いやすくしたのです。
ということで、昭和44年に木材の自給率が50%を割ることになったというわけです。」

日本の森を守るために、木材を輸入して、国産の木材を使わないようにしよう、
という国の方策があったということ。

こうして木材の自給率が減ったわけですが、
その結果、日本の林業はどうなっていったのでしょうか。

「木材需要が伸びて行って輸入され、(国産材の)供給が少なくなりました。
少なくなることで林業労働者が減ったのです。
しかし雇用の受け皿はいくらでもあった時代でした。
工業製品や自動車、家電業界などです。

その一方、木材はものすごく蓄積量が増えていったのです。
日本の需要は7000万立方強なので十分まかなえるくらい成長しているが、それを切って市場に出すための労働力も不足しており手入れもされていないのです。

やっと政府がそれに気が付き、木を使わない方向から木をどんどん使おうという時代へいま、舵を切ろうとしています。
持続可能な資材、持続可能な木材の循環。
木を植えて育て、切って使う。そしてまた新しい木材を植えて…という循環が必要です。

そのために公共建築物等木材需要促進法という法律ができて低層(三階建以下)の公共建築物は木造で建てようという方向転換がなされたんですよ。」

この番組ではなんどか紹介していますが、今日本は、
国産の木材を「どんどん使っていこう」という方向にありますよね。

ただ、日本は少子化が続いているため住宅の建設は少ないのです・
だから住宅以外の公共の建物や、都市部のビルなどにも
木材が使われるようになるのではないか、と吉条さんはおっしゃっていました。

今回取材した、東京木材問屋協同組合の本部がある『木材会館』も、
7階建てのビルですが、たくさんの木材が活用されていましたよ。

番組ポットキャストでもお楽しみくださいね!

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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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