プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


きょうは、番組で継続的にお伝えしている、鎮守の森のプロジェクトの活動レポートをお届けします。
今回取材したのは、宮城県岩沼市にある「千年希望の丘」。
東日本大震災の津波被害を受けた海岸沿いに、森の防潮堤を作る取り組みで、2013年から、市を挙げての植樹活動が続いています。今回の植樹会場は、千年希望の丘の「藤曽根)公園」。台風12号が過ぎた翌日の9月26日(土)に行われました。
ただ、今回の植樹はこれまでのやり方とはちょっと違う形での開催となりました。
鎮守の森プロジェクトの水田和宏さんのお話です。

コロナのことがあって、今回は小規模ですが合計3000本を植えようと思っています。来年仕切り直したファイナル植樹祭を、こちらで10,000本、6月以降になると思うが予定しています。日本全国、世界でもいろんな方に集まっていただいて、ここが1番最後の場所になります。ここが完成して千年希望の丘の森が全て完成する、植えるのが完成する形なので、そういった記念のイベントにしたいと思っています。

岩沼の植樹イベントは本来、参加者は数百人、多いときは数千人・1万人規模で、各地からボランティアの方が集まるんですが、今回は、感染症対策として県内から個人のボランティアに限定。およそ30名の方が参加して行われました。
ただ、人数は少なかったものの、お一人お一人が、本当に気持ちを込めて植樹をしている姿が印象的でした。しかも、何度も参加している経験者も多く、活動が地域に根付いているなと感じました。



そして今回は、とても「特別な」苗木を植える企画もあったんです。鎮守の森のプロジェクトの植樹指導担当、 東京農業大学 西野文貴さんに伺いました。

実は今回植樹に際して、林野庁からいただいた種、スダジイやアカガシの種をいただいてそれを育てたものがあります。成長して約5年くらいですね。これは記念植樹として今回植樹をしていただこうと思います。今回は皇居からこのドングリが送られてきました。背景としては、海岸で被災したところで森づくりをしていく団体に対して、記念植樹として使ってくださいということで今回植樹することになっています。全部で4種類、タブノキ、えのき、アカガシ、スダジイの種をいただいたんですがタブノキは残念ながら発芽せずに、今回はスダジイとアカガシとえのき。この3つの苗を植えることになります。大きさ的には2メートルくらいあります。

実はこのスダジイは明治神宮の主役の木でもあります。明治神宮で下から上に大きな木を葉っぱを見上げた時に、黄金色に輝いている木があればそれはすべてスダジイです。20メートルくらいまで大きくなります。しかもこのどんぐりは食べられます。年配の方は椎の実と言っていた方がいらっしゃると思う。それはスダジイかコジイです。日本にはドングリが20種類あるのですが、その中で食べておいしい、アクが少ないのは4種類ぐらいしかありません。そのうちの1種類です。縄文遺跡とかからも出てくることもあるんです。味は栗に近い。栗と銀杏の間くらいですよ。



「これはシャリンバイといって、葉っぱが丸い植物で、きれいなピンク色のまるで車輪のような花が咲きます。葉が分厚いのは、海岸の塩に強い耐性を持つためなんです。」西野さん


今回は縄のかけ方も教わりました!

今週は、岩沼市・千年希望の丘で行われた、鎮守の森のプロジェクトによる植樹イベントの模様をお届けしました。
今回の植樹は、タブノキなど22種類、およそ3,000本を植えました。いまはまだ小さな苗木ですが、15〜20年で20mの大きな木になり、いのちを守る森の防潮堤になるということです。

今回の模様はポッドキャストでも聞くことができます。植樹の様子や、参加者の方の声もお届けします。こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Geronimo / Sheppard
・あなたが待ってる / THE BACK HORN

今週は、先週に引き続き、インド洋の島国・モーリシャスで起きた重油流出事故についてお伝えします。
この事故を受けて、国際緊急援助隊として現地調査を行った国立環境研究所 生物・生態系環境研究センターの山野博哉さんにサンゴをはじめとしたモーリシャスの自然の、回復の見通しについて伺います。
山野さんが8月下旬に現地調査を行った際はシュノーケリングでサンゴの状態を確認したということなんですが、実は、重油の流出とは別の問題が起きているそうなんです。

サンゴ自体は重油がかぶって死んでいるということは全然なくて、海底にも重油が溜まっているとかそう言ったことはありませんでした。サンゴは全体的には生きていました。ただ結構濁りが酷くてですね、どうも座礁したわかしおが波で揺られて、打ち上がったところのサンゴ礁を削って、それが細かい粒子を発生させて濁りを強めているようでした。それが流れてきて、全体的に、特にわかしおに近いところでは水が濁った状況でした。濁ってしまうと光が届かなくなるんですね。サンゴは体の中に褐虫藻という藻類を共生させていて、それが光合成をして、その光合成で作ったものをもらって生きているんです。けれども光が届かなくなってしまうと、その光合成がうまくいかなくなってしまうんです。それから、細かい粒子がサンゴに溜まってしまうと、サンゴが窒息したり、あるいは窒息しないように粘液を出してそれを取り除こうとするんです。それが日々繰り返されてしまうと、やっぱりサンゴが弱って長期的にストレスになって死んでしまう。そういった二つの影響があると思います。わかしおがそこにある限りはずっと濁りが発生し続けるんですね。ですので、やっぱり根本的にはわかしおをなんとかしないといけないんですが、その前にやれることがあるとすれば、汚濁防止幕という、海の中にカーテンをかけて、それで濁りを遮断するようなやり方があるんです。それが設置できれば軽減されるかもしれないですね。ただそれは流れがあったり波があったりして結構難しいので、それは技術的な検討がもっと必要だと思います。

つまり、重油よりも沈んだ船による海水の濁りの問題が大きいということ。
ただ一方、海岸沿いに広がるマングローブ林については、やはり重油の影響が懸念されていると言います

〜湿地帯に生えているマングローブ林への被害はいかがでしたか?
マングローブに関しては、やはり被害はありましたが、全体がまんべんなくやられているわけではなく、近くのクレオール川の河口域が一番ひどい状況でした。マングローブの根には呼吸をする呼吸根というタコの足のようなものがるのですが、そこに重油がべったりついていたりですとか、干潟の泥の部分にも重油が流ついていたりという状況があります。マングローブ自体は死んではいないんですが、そちらもサンゴと同じく今後の様子を見ながらということになりますが、取り除くとすれば、それもなかなか慎重に考えなければいけません。例えば泥のところに人が入ってしまうと表面についている油を押し込んでしまう。それでなかなか分解されにくくなってしまうということが起きます。そもそも干潟に住んでいるカニといったものの巣を壊してしまったりという影響があるので、取るときは慎重にしないといけないし、そもそも取らずに自然の浄化に任せる考え方もひょっとしたら必要かもしれません。石油を食べる微生物はいろんなところにいるんですが、干潟には結構たくさんいて、干潟に上がった分は、希望的観測も含めると早く分解されていくのではないかと思います。そういうバクテリア、微生物の活動で重油がなくなるというのは事例としてはあります。ただその前にマングローブが死んでしまうと、自然に回復するには数十年以上かかってしまうので、その場合は植林をしたりという方法が必要です。でも死ななければ、やはり先ほど申し上げたように自然の浄化に任せる、あるいは取れるところから取っていくといったことをモニタリングもしながら、検討していくという段階だと思います。

〜カニがいるという話もありましたが、マングローブの林って様々な生き物の生態系を支えているといわれています。マングローブだけではなくて、もしかするとその他の生態系にも影響を及ぼしかねない状況なんでしょうか?
マングローブ自身は生態系の基盤となる生き物ですので、マングローブを中心に見ていくことになりますが、そこで暮らすカニや貝、あと今回は鳥の専門チームがいましたが、鳥の飛来、あるいは餌場としてマングローブがどうなっていくか、鳥にも影響がひょっとしたらあるかもしれません。そういう生態系は短期的なインパクトだけじゃなく、その後の影響も長期的にモニタリングしながら見ていかないといけないと思っています。

〜本来モーリシャスは生物多様性にあふれる島だそうですね。
モーリシャスは陸でいうと結構離れたところ、海から見てもそうですが、離れたところにあるので、固有種、そこにしかいない生き物が結構います。また、インド洋の西にしかいないものがモーリシャスにいたり、そこにしかいない生き物がたくさんいるいう重要性があります。そこからいなくなってしまうと絶滅してしまうということなので、そこは注意して絶滅させない努力を我々はしなければいけません。

〜今回は日本の船が起こした事故ということで、日本で心を痛めている人も多いと思います。
今回の事故はもちろん起こってはてはいけない事故ですし、ちょうど座礁したところがラムサール条約の湿地の近くで鳥の営巣地が近かったり、サンゴの状態が非常によかった場所なんですね。。また国際空港にも近くてリゾートもある所です。ですからモーリシャスの方々も非常に関心が高いんですね。ただ、最初のうちの報道で、私も勘違いしていたところがあるんですが、モーリシャスの海岸全体が油まみれになったという事は無いですし、調べてみるとサンゴは生きていたり、ラムサール条約の湿地も油の影響はほとんどありませんでした。生態系は予想したいたほどひどい状況ではなかったんですね。ですので今後我々のモニタリングと、それに対しても変化があれば適切な手段をとっていけば、今の状態はそれほどひどくならずに、ひょっとしたら回復に向かうんじゃないかと思っていますので、もう少し長い目で見ていただければと思います。今の状態はそんなにひどくはありません。サンゴも死んでいる状態じゃないですし。けれども濁度とか流れ着いた油が除去できていないと心配な面もありあますので、そこはしっかり見て、対策をこれから考えることによって、私自身もひどい状態にならないように努力していきたいと思っています。
                                   
インド洋に浮かぶ島・モーリシャスの沿岸で起きた重油流出事故の現地調査を行った国立環境研究所  生物・生態系環境研究センターの山野博哉センター長にお話し伺いました。
ちなみにモーリシャスの地元の環境団体は「十数年単位で監視を続けていく」ということを言っています。山野さんのお話にもあったが、こういう問題は、長期間にわたる影響を見ないといけないですね。数十年かけて自然が衰えてしまうこともあるそうですので、忘れず気にかけていく必要がありますね。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・トーチソング / ズーカラデル
・If I Were U / BLACKBEAR & LAUV
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パーソナリティ

高橋万里恵
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