プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

執筆家の四角大輔さんのインタビュー、今週でラストになります。
ニュージーランドの湖のほとりで半自給自足をしながら、世界各国を旅したり、日本各地の山々を「冒険」している四角さん。最後は、同じように「冒険」をしてみたい方へ、アドバイスをしていただきます!


 歩いてしか見られない景色、歩いてしか見られない場所があると僕はいつも思っていて、車や飛行機、列車で旅をするより歩いて旅をするのが好きだったんですね。フライフィッシング冒険の話をしましたが、山菜を採ったり魚を釣りながら山をずっと歩き続けるみたいなのは、今ニュージーランドでやっている自給自足の暮らしにもつながっているんです。
 僕はいろんな世界中の絶景を見てきました。60カ国を周って本当に忘れられない絶景をたくさん見てきたんですけれども、過去に見た絶景のベスト5を上げろと言われたら全部歩いた景色なんです。歩くというのは人の最も原始的な行為です。走り続けるのは難しいんですけども、歩き続けるのは普段運動しない方でもできてしまいます。僕の場合は長い山旅をたくさんするようになったんですけれども、いまだに1番好きなのは「LOVELY GREEN NEW ZEALAND 未来の国を旅するガイドブック」でも紹介している、わずか標高230メートルの山なんです。マウントマウンガヌイという山で、これは街に隣接した山で、最もハワイっぽい山と言われているんですけれども、ダイヤモンドヘッドみたいなところです。町からわずか40分位で山頂に登れるんですが、ここからの景色は本当に大好きで、50回以上登っています。ここはハイキング程度でのぼれるんですが、歩いてしか登れない。歩いてしか見られないんです。その景色は、まず登りきって街の反対側に見える水平線が地球を感じるような曲線になっているのが分かるんです。反対側を見ると青い海と隣接した街を見ることができるんですね。ただの大自然じゃなくて、人間の営みが見えるというところがすごく魅力的で、自分が立っている場所はわずか230メートルで、わずか40分ぐらいで来てるんだけれども、足元に広がる街のある場所、今立っている場所が全く異空間な感じがするんです。そして、後ろを振り返ると地球を感じられるように水平線が丸くなっている。それを見ることができるというのがすごく大好きですね。
 そういう歩いてしか見れない絶景は日本にもたくさんあります。Google マップで”ハイキング”と入力するといっぱい出てきます。日本て実はハイキング天国なんです。日本中どこにいても必ず1時間以内にハイキングコースがあって、ハイキングというのはスニーカーで歩ける、30〜40分とか長くても1〜2時間位。だまされたと思ってハイキングルート、30分でも良いのでいちど週末に行ってみてください。自然の中を歩くだけで、本当に普段街に暮らしていたら見ることがないような景色が体験できます。僕は自然の中に入っていくという行為を幼少期からやっていて、すごく助けられました。社会人になってからもしんどい時、辛い時にも自然の中に入っていくと救われたました。僕は何より自然からたくさんのことを教わったので、1人でも多く、僕と同じような感覚を味わって欲しいなと思って、この本を書きました。
 最近、自然セラピーというのが一般化してきて、森の中や河原、海辺、自然に近いところに行くと人間の精神が安定する、脈拍が安定したり脳波が安定したりということが科学的に証明されてきていますけれども、昔から自然の中に入ると、元気が出るとか、疲れが吹っ飛ぶというのは誰もが感じているじゃないですか。それをもう一度思い出してほしいなと思って、僕はいつもこういう話をしているんです。


〜さきほどおっしゃっていた北アルプス縦走のように、2週間位森の中を歩いて生活をすると、心はどんな状態になりますか?
 とにかく全てがシンプルになるんですね。そもそも、バックパックに入ってるものは最小限で、余計なものは何も入っていないので、持ち物もシンプルです。それに山に入ってしばらくすると、自然のものしか目に入ってこなくなるので、視覚的に入ってくるものにも、ノイズがないし、聴覚的にもノイズがない。そうすると頭の中がシンプルになってくるんです。頭の中の思考のノイズがなくなると、どんどん、今のこの仕事を抱えていたけど、本当はやりたくなかったのかなとか、あの人のことを本当は大好きだったんだなとか、昔こういうことやりたいと思ったけど忘れていたとか、本来の自分に帰れる、取り戻せるんですね。僕はレコード会社で働いていましたが、ご存知のようにメディアとかエンターテイメントの世界って忙しくて、ノイズだらけで、だからこそ面白いこともたくさんあるんですけれども、つい自分を見失いがちになってしまうんです。僕はそれを回避するために、自分を失わないために、レコード会社のプロデューサー時代もどんなに忙しくても、アーティストにブーブー言われながらもバックパッキング登山をやっていましたし、フライフィッシング冒険をやっていました。自然が好きということもあるんですけれども、自分を取り戻す、自分に帰るため、本来の自分に帰るためというのがすごく大きかったですね。


『LOVELY GREEN NEW ZEALAND 未来の国を旅するガイドブック』ダイヤモンド・ビッグ社


『バックパッキング登山入門』エイ出版社


『バックパッキング登山紀行』エイ出版社

四隅大輔さんのお話、いかがだったでしょうか。今回のインタビューはポッドキャストでも詳しくご紹介しています。こちらもぜひお聞きください。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Somewhere Only We Know / Keane
・坂道 / 折坂悠太
今週も引き続き、人呼んで「森の生活者」。執筆家の四角大輔さんのインタビューをお届けします。ここまでは、四角さんが生活の拠点とするニュージーランドの大自然や美味しいお店のある町、そこでの暮らしぶりのお話でしたが、今日は、四角さんのもう一つの顔「冒険家」に迫りたいと思います。
フライフィッシングとアウトドアを愛するあまり、いまの生活にいきついた四角さん。実はしょっちゅう、すごい大冒険をしているんです!


〜今年、四角さんはたくさんの本を出されていますね。そのなかのひとつ、「バックパッキング登山紀行」はどんな本なのでしょうか?
 父親がもともと登山部だったので鍛えられてました。渓流釣りも幼稚園に入る前から教えられて、アウトドアの英才教育を受けていたんです。今年48歳なんですけれども、40年以上ずっと釣りとキャンプと登山をやってきたんですよ。ですので、大学生くらいの時に自分なりのアウトドアスタイルが確立してきたんです。
 登山は山頂に登って降りるというイメージがありますが、これはピークハンティングといいます。でも僕はひとつの山に登って終わるんではなくて、ひとつの山に登ると次の山が見えてくるじゃないですか。特に日本の山は山脈が多いんです。これは日本の自然のすばらしいところなんですが、山脈だから山が連なっていて、ひとつの山に登るとまた次の山が見える。「じゃあ次回あそこの山に登ろう」と以前はやっていたんですが、この山を降りて、もう一回向こうの尾根までの持ってずっと旅をしたらどうだと思って調べてみたら、日本中に山頂をずっとつないでいる山道があったんです。例えば、「バックパッキング登山紀行」で紹介しているんですが、北アルプスを2週間かけてずっと山道を山頂から山頂をつないで歩くんです。いちども街に降りずに。この間に40個以上の山を越えているんです。岐阜県から入って長野県を抜けて富山県、最後は新潟まで行って海まで降りるというルートなんですけれども、そうやって山をずっと歩き続ける行為を「縦走」といいます。僕は縦走の概念を超えた距離を歩くのが好きなんです。例えば1週間以上歩くんです。ですので、これは単なる登山ではなく旅だなという概念があります。
 「バックパッキング」には旅という意味がありますが、僕は「バックパッキング登山」ということで山から山へ、その先の山へ何日間も歩き続けるということを大学の頃からやってました。そこへさらにフライフィッシングの道具を積んで、魚を釣りながらバックパッキング登山をやるという。その2つの冒険を10年以上登山雑誌やフライフィッシングの専門誌、アウトドア雑誌に記事を書いてきたんです。その中でもベスト19をまとめたのがこの「バックパッキング登山紀行」です。


〜岐阜から新潟まで、2週間ずっと山の中を歩くのですか?
 北アルプスは日本でも高い山がたくさんあります。日本には21個の3000メートルの山があるんですが、そのうち11個が北アルプス。それを含めた山々を41越えていったんです。それが北アルプス縦走ですね。

〜ちょっと想像もつきませんが、それは、出る前に綿密な計画を立てるのですか?
 そうですね。いざとなったときの逃げ道みたいなところも全部確認を事前にして、どこに水場があるか、どこでテントを張れるかなど、全部事前に調べて半年位かけて計画を立てて挑みました。

〜四角さんはSNSに写真をたくさんあげていらっしゃいますね。
 日本の山の山頂はほぼ電波が入るので、電波が入るたびにリアルタイムで中継をしました。その日のベストカットを何枚かそこに上げて、今どこどこにいますみたいなのをやっていました。僕のInstagramは冒険中の写真も上がるし、世界を旅しているときの写真も上がるし、ニュージーランドで森の中で自給自足の生活の写真も上がるんです。よくみんなから「何やってるんですか」と言われますね。北アルプスを2週間かけて歩いた時は”#北アルプス完全縦断ハイク”というハッシュタグだったので、もしよかったら検索してみてください。

〜2週間ずっと山の中で暮らしていくとなると、大変な荷物になりませんか?
 20代の頃は大きくて、90リットルのザックを背負わなければいけなかったんですが、どんどん今はテクノロジーが発展して軽くて小さくなっています。それに僕が経験が長いのでこれはいらない、これがあれば大丈夫というのがわかってきたので、今は本当に軽い荷物になりました。僕は極端に軽いんですけれども、60リットルを切る位のバックパックで2週間旅できます。重さは20キロくらいですかね。昔は40キロから50キロコースでしたが。

〜どんどん軽くなって便利になってるんですね。
 自分なりにどうすれば山を旅できるのか、山で暮らすように歩き続けることができるのかというのを、「バックパッキング登山入門」という本で公開しています。本当にこれは最新のギアとウェアで、世界中を旅する僕が世界中から厳選したものだけを選んで載せいているんですね。これはほとんど今日本でも通販で買うことができます。それらは登山でなくても、普通の旅でも使えるので、僕は3ヶ月かけて世界中を旅しても、機内持ち込みの荷物だけで旅いけちゃうんです。

四角大輔さんのお話、いかがでしたでしょうか。来週も引き続き四角さんのお話をお届けします。


「バックパッキング登山紀行」エイ出版社


「バックパッキング登山入門」エイ出版社


【今週の番組内でのオンエア曲】
・ONE FOOT / WALK THE MOON
・Walking In The Sun / Travis

オープニングで高橋万里恵さんが話していた万灯の写真です。

きれいですね!
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