プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

さて、ガラパゴスだけに生息する不思議な魚、ガラパゴスバットフィッシュに恋してしまった人、バットフィッシャーアキコさんのお話は、まだまだ続きます。
もともとは、この魚だけがお目当てだったアキコさん。すごいめぐりあわせで、ガラパゴスのチャールズダーウィン研究所のボランティアとして働くことに。ということで島の生物の調査研究に関わる中で知った多様性の島・ガラパゴスの様々な生き物のお話です。
なにせ、ダーウィンが進化論をひらめいた、固有種の楽園。本当に不思議で、面白い動植物たちにあふれているんです!


〜ガラパゴス諸島の印象的な動植物はなんでしょうか。
スカレシアという固有の植物があるのですが、サンタクルス島に10メートル位の高さの植物が群生するエリアがあるんです。そこにいったときに高い木がたくさんあると思ったら、それがスカレシアだと教えられました。スカレシアはヒナギクの仲間なんですが、10メートルもあるのにヒナギクの仲間というのが信じられませんでした。植物のダーウィンフィンチと言われているのですが、ダーウィンフィンチとはガラパゴス諸島を象徴するスズメのような鳥で、ガラパゴスに何らかの方法でたどり着いて、もともとの祖先は1種類だったんですが、生育環境や食べ物に応じてくちばしの形、大きさ、羽毛の色を適用させ14種類に分かれた鳥なんです。その植物バージョンがスカレシアなんです。スカレシアもガラパゴスのそれぞれの島に環境に応じて15種類に分化しました。10メートルを超えるような立派な木になるものもあれば、低木もあります。低木といっても150センチくらいに育ちます。15種類全てがヒナギクが元とは思えないようなのが特徴で印象的でした。
動物では、ガラパゴスリクイグアナという固有のイグアナがいるんです。面白いのは主食がウチワサボテンの実だったり葉っぱなんですが、自分から取りに行かないんですよ。じっと実が落ちてくるのを待つんです。でも簡単に落ちてくるものではないので、サボテンの下で5〜6匹のリクイグアナが輪になって待機していて、そのまま眠くなって昼寝をしだすようなのもいたり、落ちてくると、のんびりしていたのが打って変わって争奪戦になるんです。私がフィールドワークで研究所に所属していた時に、リクイグアナのすごく多い島を調査中にリュックから物を落とすと、その音を聞いて来てしまうんです。それで無いのが分かるととぼとぼと悲しそうに去っていく。自分から取りに行く姿勢が基本的に見られないのうらやましいというか(笑)


〜ダーウィンが進化論を思いつくきっかけを感じるようなものってありますか?
ダーウィンがガラパゴス諸島にやってきたのは1835年。滞在している間に4つの島に上陸して、様々な鳥を捕獲して剥製にしていました。その真っ只中にマネシツグミをみて、他の島の同じ鳥と違うことに気がついたんです。イギリスに帰国後に鳥類学者に相談をして調べるうちに、ガラパゴスの生き物は全てが実はそれまで発見したことがない新種で、ほとんどすべてが島によって個体差がある。それはなぜなのか分析したところ、環境に有意なものは生き残ってそうでないものは淘汰されていた、その繰り返しで生物は自然環境に適した進化を遂げたのではないかと言う進化論の提唱に至ったんですね。ウチワサボテンも、食べつくされてはかなわないので彼らなりに巨木化しました。松の木みたいに太くなり、硬い皮で覆われて、島によっては15メートル位の高さになるまで巨木化して届かないようにしました。リクイグアナは爪があるので登れば良いのだが、かなり屈強な樹木のように進化したので、爪が立たずに登れないんです。ゾウガメも首を伸ばしても届かないと言う進化を遂げた島もあるが、他の島では別に高さがないものもあるんです。その島にはリクイグアナもゾウガメも存在しないんです。だから巨木化する必要がなかった。同じガラパゴスのサボテンでも、島ごとに違いが見られるんですね。

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家で、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ、バットフィッシャー・アキコさんのお話でした。来週もさらに続きをお届けします。

【番組内でのオンエア曲】
・Summer Girl / Haim
・Girlfriend / Charlie Puth

今週も、ガラパゴスだけに生息する不思議な生き物、ガラパゴスバットフィッシュに恋してしまった人、バットフィッシャーアキコさんのインタビューです。

泳がない。
動かない。
とくに何もせず海底で佇んでいる。
とにかく佇んでいる。
たらこくちびるで手足のようなヒレで佇んでいる。

そんな不思議な魚、ガラパゴスバットフィッシュ。

今日は、このお魚の謎の生態と、このお魚に会うためだけにガラパゴス諸島へ向かったアキコさんの人生の転機のお話です。

〜ガラパゴスバットフィッシュを研究してる人はいるんですか?
私もそれが気になったので調べたんですが、世界中のどこにもガラパゴスバッドフィッシュの研究をしている方がいないんですね。論文だったら何か出てくると思って検索をしたがんですが、メインで扱っているものは1つもない。ちょっと言及されているのが1つ2つあるかないかです。でもお膝元のガラパゴス諸島のチャールズダーウィン研究所には何かしらあると思ったので、2回目の大学4年生の時にチャールズダーウィン研究所に足を運んで、海の生態系を扱う部門で話を伺うことができたんですね。「私はガラパゴスバットフィッシュ大好きなんですが、どんな研究が行われているのですか?」とお伺いしたら「扱っていません」と言う結論だったんですね。。。なぜ?と思って深掘りして聞いてみたところ、チャールズダーウィン研究所は世界中の企業や個人の寄付で保全研究が行われている機関なんですが、ドナーとなる寄付をする側は、「ガラパゴスペンギンの保全の研究にお金を使ってください」「ジンベエザメの研究に使ってください」とプロジェクトのリクエストを添えて希望されるパターンがほとんどなんですね。もちろんその他の生き物でも、一刻も早くこの生き物を保護を始めないといけないというものは新たにプロジェクトを立ち上げて研究も行われるんですが、ガラパゴスバットフィッシュに関しては絶滅危惧種でもないんです。保護の必要もとりあえずないだろうという背景があって、扱っていないと説明を受けました。それはちょっとどうなんでしょうかと、拙いスペイン語で異を唱えたんですね。そしたら「そんなに好きならうちに来ればいいじゃん」と言ってくれたんです。想定外だったんですが、「たとえ君がここに加入したとしてもバットフィッシュメインの研究は難しい。だけどジンベエザメの保全の研究で船を出すときに、その帰りにちょっとバットフィッシュの事についてサンプルを取るとか、そういう形なら実現できなくもないよ」と言ってもらえて、こんなことになるとは思わなかったと喜びながら、ウキウキで帰国をして、無事に大学も卒業して、もう一度ガラパゴスに戻ってきたんです。これで私のガラパゴスライフが、バットフィッシュライフが始まるぞ!と思って行ってみたら、「ごめん、いまうち海洋部門に空きの席がないんだよ」と言われたんです。。。それでうろたえていたら、植物部門のリーダーが「うちで預かりますよ」と名乗り出てくださって、なので私は結局チャールズダーウィン研究所においては植物部門の、ガラパゴスヴェルデ2050と言う、植物生態系の保全に関する部署に所属して、平日は倉庫で保全の研究、勤務を行い、休日には個人的に海に潜って勝手に研究をするという生活を送ることになりました。

〜実際にガラパゴスバットフィッシュを研究してみて、なにかわかったことはありますか?
基本的にはたたずんでいる状態なので冷静沈着のようでありながら、実はうろたえがちなんじゃないかと思うことがありました。海の中でガラパゴスバットフィッシュを発見して、私も含めてダイバーが4〜5人で取り囲んだら、彼は普段と同じようにちょっと戸惑って後ずさりをして、いろいろ彼なりに考えたらしいんですね。前には私にいる、右にも左にもダイバーがいる、後はふさがっている。ならば上だ!と思ったらしく突然ジェット噴射するかのように、真上に浮上したんです。そしたら、ちょうどせり出していた岩がそこにあって、頭をぶつけて戻って来ちゃったんです。そのまま意気消沈して着地。そのまま後ずさりをして。あの時の様子からはうろたえているというか、てんぱっているとお見受けしたので、これは発見ですよね!ガラパゴスバットフィッシュはあきらめるんだと!

〜ガラパゴスバットフィッシュは何を食べて生きているんですか?
実のところよくわかっていないんです。私自身も実際にガラパゴスバットフィッシュが何かを食べているシーンを見たことがなくて、他のダイビングガイドにしてもそういったシーンはよく見たことがないそうなんです。カリブ海に生息しているロングノーズバットフィッシュという近縁種は、日本の水族館でも見られます。品川の水族館で会ったことがあるんですけれども、ちょうど飼育員がご飯をあげている時間にぶつかりまして、バットフィッシュがたたずんでいる目の前にエビのようなものを落としてあげたんです。でもエビが落ちてからそれを認識するのに30秒かかったんです。30秒経ってエビの方向に向き直して、そこから前傾姿勢になるのに30秒かかって、食べるまでにまた30秒かかっていたので、海の中でもすごく俊敏にものを食べるというのはちょっと想像しづらいですね。


撮影:バットフィッシャーアキコ

〜写真を拝見すると口が本当に口紅を塗ったように赤いのですが、なにか理由があるんでしょうか?
それも全く研究がされていないので不明な状態なんですけれども、可能性としてはその色で何か調べ物となるものを引き寄せるとか、そういった効果はもしかしたらあるのかもしれないですよね。

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家で、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ、
バットフィッシャー・アキコさんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Afterglow / Taylor Swift
・この道を行こう / RIP SLYME
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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