プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。


先週に引き続き東京慈恵会医科大学 嘉糠洋陸教授のお話です。
マラリア、ジカ熱などの感染症、その感染源である蚊の研究者である嘉糠さん。前回の放送で、蚊は二酸化炭素、匂い、熱、それぞれを感知して、我々人間に近づいてくるなど、蚊が人によってくるメカニズムのお話、ありましたが、今回は更に深く、蚊のすごさについて伺いました。

〜蚊はどうやって人間を見つけるのでしょうか。
 かれらにとって、いちばんわかりやすいのが二酸化炭素なんですね。我々が吐く二酸化炭素。これがだいたい距離としては10mくらい先から彼らは検知できます。たとえば、私達人間が公園を歩いていて、当然我々は呼吸していますので二酸化炭素出します。そうするとヤブの中でじっとしていた蚊たちが、10m先から「来た!」と認識して飛び始めます。ただそのときは、「人間が来た」という信号だけなんですね。その後は飛びながら徐々に我々を探していくんです。彼らは一応目を持っていますけれども、そんなに何m先を見ることができる目でもないので、今度は匂いを頼りにします。で、だんだん飛びながら匂いの濃いほうへ向かっていって、最後は距離としては50cmくらいの距離になりますと、熱を感知して、いよいよ獲物がいるということで、我々の肌にとまるということなんですね。我々も何か美味しそうな匂いがしてきたときに、キョロキョロして探しますよね。匂いの濃いほうへどんどん向かって、お店を見つけます。あれと同じですね。

〜じゃあたくさん蚊がいるスポットでは息を止めていたら意味ありますか?
 かなり意味があると思いますね。まあどれだけ止められるかということですけれども。

〜家の庭の自転車を出すところにすごく蚊がいるんですね。ちょっといてもものすごく刺されるので、それくらいだったら息止められるかと思って。
 ぜひやってみてください。効果あると思います。1分くらい止められると思いますので、その間に自転車を出して出ていってしまうと、その場で刺されることはかなり減ると思います。>

〜それはすごいですね。家族にも言わないと!蚊が肌をさす構造はどうなっているんですか?
 注射針のようなものを想像される方が多いのですが、じつはあんな単純な構造ではないんですね。蚊はあんな小さな体では針を人の肌に刺すことはできないんです。ですから、顕微鏡でよく見ると、蚊の口先にはのこぎりのような構造がついているんですね。のこぎりの歯がドリルのようにみなさんの皮膚を切り裂いていくんです。それで初めて血を吸うための管を中に差し込むことができるんです。ですから、非常に細かい構造がたくさん含まれていて、肌を切り裂くのこぎり、血を吸う部分、あともう一つは唾液を送り込む管。我々は出血したら、血が固まりますよね。これは蚊にとってはひじょうにやっかいなことで、血が固まってしまったら、血を吸えなくなります。ですから、唾液を送り込むことによって、血液が固まる、血液凝固といいますが、これを阻止する成分を送り込むんですね。そのための管もあるんです。

〜なんで刺されると痒くなるんでしょうか?
 非常に大事なところですね。いま、唾液を送り込んで血液凝固を防ぐというお話をしましたが、あの成分自体は人間の体にとっては異物でしかないんですね。我々の体内にないものが外から送り込まれてきますので。そうすると、我々の体には免疫がありますので、抗体を作ってしまうんですね。それが反応すると免疫応答が起きてしまうんです。これが痒みの元なんですね。

〜のこぎりでギコギコやられたら普通は痛いですよね?
 そうですね。蚊の種類のよってはそれが下手くそな蚊がいるんです。そうすると、やっぱりチクチク刺されている感覚があるんですね。ですから下手な蚊はよくわかります。

〜そうすると潰されちゃいますね。
 そういう蚊は人間をあまり吸わず、牛とか、豚の血を吸うんですね。我々人間は肌が非常に敏感なので、チクチクしてすぐ気づいていしまいますね。そういう蚊は我々を吸わない。ただ、日頃周りにいる黒と白のシマシマの蚊がいますね。ヤブ蚊といいますが、彼らは非常に上手なんですね。

〜近くに来た蚊をつぶそうとしても、逃げられてしまってなかなかできません。すごい飛行技術を持っているんでしょうね。
 蚊は我々の体の周りをフワフワ飛ぶイメージがありますが、あれは実はヘリコプターに近い飛び方をしているということが最近わかってきました。羽が二枚ついていますので、バタバタ飛んでいるようなイメージがありますが、そうではなくて、羽を回しながら飛んでいるんです。バタフライのようなイメージですね。ああいうような回し方をすることによって浮力を生み出して、ヘリコプターのように飛びます。そうすると、人間の様子を見ながら、「そろそろ吸えるかな」って行ったり来たりしながら、最終的に我々の皮膚に着地すると。非常にうまくできていますね。

〜前に飛ぶだけですか?
 後ろにも飛べます。他の昆虫、たとえばハエなんかと比べてみると全然飛び方が違いますね。ハエはホバリングできませんから、ほぼ直線の飛び方をしますね。そう思うと蚊の飛び方がいかに際立ってるかがわかると思います。だから、我々がちょっと手で叩こうとしても右にも左にも、上にも下にも逃げられるということなんですね。

〜そんな蚊をうまく叩くにはどうすればいいんでしょうか。
 下から叩きに行くと、比較的潰しやすいですね。すくい上げるように叩くといいんです。ぜひやってみてください。蚊も一応目を持っていますので、それで周りを判断するんですけれども、比較的下からのものに対する認識能力が低いんですね。ですから下から叩きに行くと、案外よくたたけます。やってみてください。


下からすく上げるように!


嘉糠先生のお話、いかがだったでしょうか。今回のお話はポッドキャストでも詳しくご紹介していますので、こちらもぜひお聞きください!

【番組内でのオンエア曲】
・風になる / Lucky Kilimanjaro
・I Shot The Sheriff / Eric Clapton
夏休みということで、自然のあるところへおでかけになる機会が増えますが、そうなると気になるのが蚊ですよね。
そこで今回は、夏の風物詩、そして夏場のうっとおしい生き物の代表、「蚊」の専門家、東京慈恵会医科大学教授の嘉糠洋陸さんをお招きして、生き物としての蚊のお話、そしてみなさん知りたい蚊に食われないようにする方法など伺っていきます!


 世の中にはいろんな昆虫がますが、人間の健康に影響を及ぼす虫ということでいちばんわかりやすいのは蚊です。2014年にデング熱という病気が東京で流行ったことを覚えてらっしゃるかと思います。デング熱は感染症で、病気のもとになるウィルスを運ぶのは蚊です。蚊が皆さんの血を吸うことによって病気が広まるといったことがあります。それを主なメインテーマとして私は研究をしています。

〜かゆいだけじゃなくいろんな病気を運んでしまう虫なんだなというのは改めて思いましたが、ここからのシーズン。7月はどうですか。)
 蚊が勢いがつくシーズンです。蚊は4月から5月にちらほら生まれていて、コツコツ卵を産んでは増えているんですが、どんどん数が増えてきて7月下旬から8月位に最初のピークが来ます。その後に9月下旬ぐらいからもう一度ピークが来ます。冬の前にたくさん卵を産む関係で、秋に入る前にたくさん血を吸ってたくさん卵を産むんです。

〜蚊が発生するのを防ぐ方法はありますか?
 蚊は幼虫の時期がありますが、それは水が必要です。ボウフラは蚊の幼虫ですが、大体水の中に入ることが多いです。身近なところでは皆さんのおうちの周りにある植木鉢の受け皿とか、古いタイヤとか、空き缶などの中に雨水が溜まりますね。あそこがボウフラの発生場所になります。ですから、雨水が溜まっているところをなるべくなくしたり、水が入っていたらそれを捨てるということをするだけでだいぶ数が減ります。蚊は24時間、48時間という単位で生まれてしまいます。ですから梅雨の時期は蚊にとっては嬉しい時期です。毎日毎日雨が降って水が溜まり、そこに卵を産んでボウフラが育って大人の蚊が出てきます。


〜蚊はどうやって人を刺すのですか?
 我々がご飯を食べるのと同じで、蚊にも好みがあります。その好みはいろんな要素で左右されますが、主なものは3つです。まず、我々の呼吸の二酸化炭素、そして私たちの体から出る熱、我々の体が何かしら持っている匂い。この3つの組み合わせで蚊は我々を人間だとみなして寄ってきます。ですからたくさん二酸化炭素を出して、ある程度熱があって、それなりに匂いを持っている、そういう人が刺されやすいことになります。いちばんわかりやすいのは赤ん坊。赤ん坊は代謝が活発なのでちょっと体温も高い。二酸化炭素もよく出します。

〜匂いというのはどういう匂いなのでしょうか。
 蚊が感じる匂いと我々がいいと感じる匂いはだいぶ違うと言われています。例えば我々は香水などを嗅いだら非常に良い匂いだというふうに思いますが、蚊は香水の匂いが嫌いです。それとは逆に、汗の成分のひとつであるオクタノールは人間が嗅いでもそんなに嫌な匂いではないんですね。だけど蚊はオクタノールが大好きで、それを感知して寄ってくるんです。ですから汗かきな人、オクタノールを含んでいる汗をたくさん出す人は蚊によく刺されます。ですから、普段から綺麗にしている、におわなそうな人でもたくさん刺されるというのはそういう理由なんです。その人は蚊が好きな匂いを体から発しているんです。

〜蚊はどうやって人間をみつけるのでしょうか。
 蚊は普段は隠れています。野外だと葉っぱの裏や木の幹の穴の中にじっとしています。家だと軒先の裏などにいて、できるだけ余計なエネルギーを使わないようにしてじーっと待っています。そして、我々人間をどのように感知するかというと、いちばんわかりやすいのは二酸化炭素なんですね。我々が吐く二酸化炭素を、距離としては10メートルくらい先から検知します。我々は呼吸をしているので二酸化炭素を出すわけですが、そうするとじっとしていた蚊たちがその二酸化炭素を10メートル先から、来た!と認識して飛び始めます。ただその時は人間が来たという信号だけなんですね。その後は徐々に、飛びながら我々を探していくんです。彼らは目を持っていますが、何メートル先も見えることができるわけではないので、その先は臭いを頼りにします。飛びながら臭いの強い方向へ行って、最後は、大体距離が50センチ位の距離になると熱を感知して、いよいよ獲物がいるということで我々の肌に泊まるんです。


嘉糠先生のお話、いかがだったでしょうか。来週も引き続き蚊のお話、続きをお届けします!

【番組内でのオンエア曲】
・Could I Love You Any More ft. Jason Mraz / Reneé Dominique
・ビールボーイ / ケツメイシ
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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