プロジェクト概要

太古の昔より、森は動物や植物などたくさんの命を育み、田畑や海、川にたくさんのミネラルをもたらし、地域と暮らしを守ってきました。 東日本震災では津波でコンクリート堤防や松林がことごとく破壊される中、その森や、昔からその地方に根差す、深く地面深くに根を張った潜在自然植生の木々たちは、津波の勢いを和らげました。 関東大震災や阪神大震災では、大火により建物が燃える被害を食い止め、防災林として大きな役割を果たしました。 この「鎮守の森」をモデルとした森をできるだけ多くつくることは、災害の多いこの国に生きていく私たちが、後世に伝え残さなくてはならない貴重な知恵であり、自然と共生していく教訓でもあります。 番組「いのちの森〜voice of forest~」では、「鎮守の森のプロジェクト」が行う活動をはじめ、日本のみならず世界各地の森を守る活動を行う人や団体にスポットをあて、森の大切さについて考えていきます。

今週もブッシュクラフターでイラストレーターのスズキサトルさんのお話、続きをお届けします。
とにかく、ナイフ一本でなんでも作っちゃうスズキサトルさん。日常で使う道具だけじゃなく、ご自身の “商売道具”まで、山や森の一部をちょっとだけ切り出して、頂いて、それを昔からの知恵と工夫で、手作りしているんです。最後はそんなお話です。


〜それは入れ物ですか?
 これはコフキサルノコシカケというキノコの傘の部分です。名前は知っていたんですが、モノを見たことがなくて、キノコの煙草入れってあるのかなと思って、東京の塩とタバコの博物館に問い合わせたんです。そうしたら、霊芝というキノコがあるんですが、それの煙草入れがあると。そういうものが実際に昔使われていたとわかって、自分も作ってみようと思ったんです。名称としては”とんこつ煙草入れ”と呼ばれます。硬い入れ物で作られた、貝とか鹿の角などいろいろなものがあるんですが、硬いもので作ったものはとんこつ煙草入れと呼ぶんです。これが面白いのは、サルノコシカケは中がコルクなんです。えごま油を表面に乗るとコーティングされてまるでうるしを塗ったような感じになるんですよね。
 このキノコ自体は、何も細工をしたわけではなくその形をそのままいじりたくはないんですよね。僕のブッシュクラフトは、あるひとつのものを見たときに、これから何が作れるのかなと考えることですね。



〜本職はイラストレーターでいらっしゃいますが、画材も自分でお作りになっているんですね?
 山で絵を描くときに、水をあまり使いたくなかったので、ペン画なんですね。それに使う道具が羽根ペンと竹ペン。羽根はカラスとトンビの羽ですね。意外と細かい描写ができますが、普通のペンほど思い通りには描けません。ただ僕も思い通りに絵を書くのがちょっと面白くなくなって来ちゃったんです。自分が予想できる線だと、予想できる絵しか書けなくなっちゃうので、僕は山の絵が好きなんですけれども、風景画ではなくて生き物を描いている感じで描いているんです。思い通りにならないものなので、画材も思い通りにならないものを使いたいなと思って。だから僕が予想した線をかけないんです。でもそれを受け入れて、なるべくその山を描こうとすると、何か”くる”ものが描けるんですね。これも面白いなと思って。こういう画材もできるだけ山にもっていくので軽くしてもっていきます。
 僕が山に持っていくの1つはブッシュクラフトナイフ。それとノコギリ、そんなに大きなものでなくてもいいんです。もう一つはメタルマッチ。この3つがあれば火を起こせますし、何か作ったりもできます。ブッシュクラフトを味わいたいという人は、これだけで良いんじゃないですかね。お金をかけないで楽しいことをするというのブッシュクラフトワーク。自分の技術とアイデアで道具をどんどん少なくなっていけば荷物も減ります。


〜ブッシュクラフトをしているときは、何の時間がいちばん楽しいと思いますか?
 人それぞれだと思うんですね。ナイフを使いたい、刃物を使って何かを作ったりとか、焚き火をしたりするのはもともと人間が持っているものなんですよね。昔はそういうことができなければ生きていけなかったので、それが何百年も続いていた時代があったんですけれども、近代になってそんなことをしなくても日常生活はできるようになりましたが、ちょっとどこかで体が求めるんですよね。それが普通の自然な人間としての欲求なんだと僕は思っているんです。だからこういうものが流行っているというか、話題になっているのもそういうことなのではないかと思いますね。


〜これから暖かくなっていきますが、長野の春はどんなものですか?
 ぜひ信州にお越しください。長野の春は、北アルプスがまだ雪が残っているんですよね。でも、手前のほうは森林の緑がたくさんあって、花とか咲いていて、おとぎ話みたいな、絵本みたいな世界です。僕も松本が好きすぎて乗り物の絵本に出しちゃったくらいです。
 僕は今年になってから、実はほとんど山に行けてないんです。そうすると体がおかしくなっちゃいますね。だから、そろそろ鍛えてまた行かないとと思ってます。北アルプスに行って、帰ってくるだけで3キロ痩せますからね。その時がいちばん自分が強い感じがします。K-1選手も倒せる気がするんです(笑)でも、戻ってくると直っちゃうんです(笑)


ブッシュクラフターでイラストレーター スズキサトルさんのお話、いかがだったでしょうか。スズキさんの本『森の生活図集 -スズキサトルのブッシュクラフトスキルワークブック-』もチェックしてみてください!


『森の生活図集 -スズキサトルのブッシュクラフトスキルワークブック-』スズキサトル 笠倉出版

【今週の番組内でのオンエア曲】
・COME COME COME / Maia Hirasawa
・Piece of the Feather / CHORO CLUB
前回に引き続き、ブッシュクラフターでイラストレーターのスズキサトルさんのお話です。
『森の生活図集』という、ブッシュクラフトの様々なスキルをイラストと共に紹介する本まで出しちゃったスズキさん。本当に野営・アウトドアでなんでも作っちゃう。なんでもできちゃう方です。
今回スズキさん、リュックに本当にいろんな道具を詰めて、持ってきてくださっていました。まずは、スズキサトルさんの「火起こし」について伺いました。

『森の生活図集 -スズキサトルのブッシュクラフトスキルワークブック-』スズキサトル 笠倉出版

〜スズキさんは火はどう起こされるんですか?
 いろいろですよ。時間に余裕があるときは火打ち石、火打金で起こしたりします。アマドゥに直接つけます。ホクチタケというキノコでできているんですが、昔の人たちがよく使っていた火種になるものなんです。キノコから火種を作るのはオーソドックスな方法ですね。ちょっと変わり種では、白樺の木にはえているカバノアナタケ。これを切って2、3ヶ月置いて乾燥させると火種になりますね。お茶にもなるんです。お茶の方が有名かもしれませんね。

 なかなかアマドゥに直接火をつけるのは難しいところがあるので、綿の混合紐の先っぽを炭化させるだけで火種になります。ここに先程の火花を移して、そこにホクチタケに火を移します。これはなかなか消えないんですよ。消す時は密閉できる入れ物にいれて、酸欠させて消すんですね。これでやれば1分以内に火がつきます。でもファイヤースティール、メタルマッチの方が簡単ですね。例えば松脂がたくさんあるトドマツ。根っこや枝のところに松脂をたっぷり含んだ木なんですが、これもフェザースティックにしてメタルマッチで火をつけると、本当にすぐ火がつきます。アイヌのイナウもフェザースティックの形に近いですね。フェザースティックを作るのが苦手な人も、僕の本には作りやすい方法が載っているので、それをやれば誰でも簡単にフェザースティックが作れます。

フェザースティック

〜スズキさんの考える焚き火のルールやマナーはありますか?
 それはやっぱりそこに来た時と同じくらいかもっときれいになるように、後片付けはちゃんとしていくと言う事ですね。直火が良いという所でも、自分がそこを汚したくないのであればガスストーブを使ったりガソリンストーブを使ったりアルコールを使っても良いと思うんですよね。

〜これは石のフライパンですか?
 石器時代は、おそらく肉は焚き火に入れたりして、焼いているだけだったんですよね。でも焼きムラ、どうしても焼けないところや、焦げちゃったりすることがあるんです。貴重な肉をどうにかして美味しく食べるようにしたいと思った時に、焼き石が出てきたんですね。石を焼いてそれをフライパンがわりにして焼いて食べるということですね。実際に昔の古墳や遺跡からも焦げた石が出てくるんですよね。石を、1つじゃなくて3つ4つくらいローテーションで焚火に入れて、大体だんだん温度が落ちてくるので落ちてきたらそれをまた焚き火に戻して新しいのを出しでそれで焼くんです。石で焼くと美味しいです。油も入りませんしね。肉から油が出るので。

〜スズキさんはナイフなどの道具を使って、自然の中にあるもので必要なものを作るということで、本の中でも紹介されているんですが、パイプも作っているんですね。
 これは簡単に作れます。木を見たときに、枝を見てこの部分はパイプになるんじゃないかなと思ったんです。Y字の枝はブッシュクラフトでよくいろいろなものに使います。参考にしたのがアイヌのパイプです。彼らは中が空洞の木を利用してパイプを作ったりいろいろあるので、僕もそれにからインスピレーションを受けて作ろうかなぁと思ったんです。

スズキサトルさんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。

【今週の番組内でのオンエア曲】
・ボブ・ディラン / Nakamura Emi
・桜の森 / 星野源
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パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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