今週は、地球の表面の「7割」を占めているもの・・・「水」をめぐるお話です。
ゲストは自然写真家・高砂淳二さん。地球をあちこち飛び回り、レンズを通して、森や海、様々な生き物たちの姿を捉え続けてきた高砂さん。新しく発表した写真集のテーマが「水」ということで、いろんなお話伺いたいと思います!


〜今朝のゲストは、自然写真家の高砂淳二さんです。1962年、宮城県石巻市生まれの自然写真家。ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。世界中を旅しながら、海の中、生き物、風景、地球全体をフィールドに、自然全体の繋がりや人とのかかわり合いなどをテーマに撮影活動を行っていらっしゃいます。
前回のご出演は2017年の秋でした。2年が経過しようとしていますが・・・
 ここ2年間は、地球の水をテーマに撮影をしていました。水そのものも撮影するし、水が循環している様子、例えば水は液体ですけれども、氷になったり雪、水蒸気というふうに変わるので、いろんな形を撮影して、あとはその水で生きる生き物とか植物とかを撮りました。約20カ国ぐらいですかね。その2年がぎゅっと詰まっています。
 なぜ水をテーマにしたかというと、今騒がれているプラスチックのゴミの問題ですね。そのことが自分の中ですごく気になって、自分ができることといえば写真を撮って見てもらうことなので水をテーマにしようと決めたんです。僕は30年以上この仕事、特に海で撮影をしてきているんですけれども、今から20年前にミッドウェーで撮影をしたら、絶海の孤島で周りに人が全然いないような場所で、コアホウドリの繁殖地だったんですけれども、コアホウドリの雛がいっぱいビーチで死んで転がっているんですね。近づいてみると、体が半分腐っているんですけれども胃の部分だけ形が残っているんです。よく見ると100円ライターとか釣りのテグスとかプラスチックの破片とかビーチサンダルのかけらとか、そういうのでいっぱいになって餓死している。それはお母さんたちが海からご飯を持ってきて、口移してあげるんだけれども、それが実はご飯じゃなくて浮かんで流れているプラスチックごみを子どもにあげているからそういう風になったんですよね。その時にすごくショックを受けたんです。それからもずっとこの仕事を続けている間に、徐々に徐々にゴミを目にするようになりました。最近は世界中で海から、もうこれは受け入れられないと突っ返されたりという感じがします。ビーチなんかもごちゃごちゃですよねプラスチックで。


〜20年前にもうそういう状況だったんですね。高砂さんが20年撮影を続けていく中で、どんどん環境が悪くなっていると感じる部分はありますか?
 プラスチックのゴミも海底に沈んでいたりビニール袋が浮かんでいたり、多く目にするようになっているし、それから温暖化もやっぱりすごく影響していて、例えばサンゴもどんどん水温が暖かくなってきているので白化現象を起こして死んでしまうというのがあちこちであります。サンゴ自体がかなり少ないですよね。あとは、今回の写真集でも使っていますが、アザラシとかホッキョクグマが住んでいるところの雪や氷もかなり溶けてきていて、今までは氷の上で何週間かかけて育っていた子どもが、そういうことができなくなってきています。この前もアザラシの赤ちゃんを撮影してきて、氷の上にヘリコプターで降りて撮影をしたりしていたんですね。それがここ10年は氷が薄くなってできなくなっていたんですが、久しぶりに氷がしっかり張ったので行ったんです。何日か撮影をして、そのあと僕が別の場所で別の撮影をして、流氷の分布を示すサイトを見たら、最初に撮影していた部分の氷が溶けちゃってなくなっていたんですね。その時点でまだアザラシの赤ん坊は2週間ぐらいしか経っていないので、あと2週間ぐらいは自立するのに必要だったんですよ。だから多分全部死んじゃっただろうと思って。アザラシの赤ちゃんは氷の上でお母さんのおっぱいをもらったり、あるいは氷から降りて泳ぎの練習をして、だんだん自分で自由に泳げるようになって自立するわけなんですけど、4週間ぐらい必要なんですね。

〜写真集の中にも氷が薄くなっているような、上から撮った写真がありますが、これはそういったものですか?
 ここにいっぱい黒いのが転がっているのがお母さんなんですね。ちょこちょこと赤いものが見えるんですけれども、これは子供を産んだ胎盤とかが転がっている跡なんですよ。2月末になると一斉に三日間くらいの間でみんな産むんですよ。その間に、お母さんだけだったのが横にいつも赤ちゃんがころっといるという状況になるんです。すごく可愛いですけど、この氷が、これから数日経ってどんどん温度が上がってしまって、それで溶けちゃったんですね。

〜そういった海の危機的な状況を伝えたいということで今回の写真集が生まれたという事なんですが、綺麗で迫力があったり、可愛かったり、地球ってこんなにきれいな場所があるんだなという感じがしますね。
 やっぱり何が伝えるにしても、悲惨な状況を写真で見せるドキュメンタリー的なものではなくて、地球ってすごいよね、水ってやっぱり大事だねと思ってもらえたらいいなと思っているんですね。

高砂淳二さんのお話、いかがだったでしょうか。来週も高砂さんのお話をお届けします。


『Planet of Water』高砂淳二(日系ナショナルジオグラフィック社)

そして写真集『PLANET of WATER』の発表に合わせて写真展も開催されます。
6月24日(ニコン・ザ・ギャラリー新宿)
7月18日〜31日(ニコン・ザ・ギャラリー大阪)
です。大阪では7月20日、27日にはトークイベントもあるそうです。詳しくは高砂淳二さんのウェブサイトをご覧ください!
http://junjitakasago.com/

【今週の番組でのオンエア曲】
・RUDE / Magic!
・太陽 feat.おおはた雄一 / Maia Hirasawa

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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