書道用具の一つ「硯」を作るため、日本のみならず中国まで足を運び、材料となる石を探し求める職人…製硯師。この肩書を日本で唯一名乗る方、青傍史さんのインタビュー、2回めとなります。
実は青砲気鵑痢歌舞伎俳優・市川猿之助さんはじめ、著名人の硯も数多く手掛けているのですが、それだけでなく、なんと、お月さまの石で硯を作ったこともあるんです!
きょうは、そんな青砲気鵑痢崟弌廚紡个垢襪發里垢瓦ぞ霰に迫ります。

〜この番組で先日、千葉県の鋸山を取材しまして、採石場で人が石を取り出していたというところを見てきたのですが、あそこの石は硯としてはどうでしょうか?
 鋸山の石は、最適ではないと思いますが、技術的なカバーで硯にはなると思います。そこが製硯師の仕事だと思うんです。どんな石も硯にして差し上げたいという。
 山に行く時は耐水ペーパー120番と墨と筆とお葉書だけ持っていってみてください。山を見て硯の石になるかどうかを判断するのは難しいんですが、見分けるには、山があるという事は川があるわけですけれども、川をまず見て、手を差し込んでいくつかの石をサンプルでとります。あんまりうろちょろしないで1カ所だけ決めて、せいぜい5メートル四方くらいの川の中で石をいろいろ見てみる。きれいな石から何から緑、赤、黒、いろんな石を拾って、それを120番の耐水ペーパーので擦るんです。そうすると川の中で転がされていてきた石の皮が剥けて内部が露出されます。露出された状態というのは、造形はまだできていないけれども墨の機能が剥き出しになるので、墨がすれるか確認できるんです。スポイトを持っていくといいんですが、2〜3滴の水を石に垂らしてすってみて、1分ほどで黒くなれば硯として機能しているということです。そこで葉書を書きましょう。そして帰りに山道のポストに突っ込んで、友達に、「私がとった石で書きました」と書きましょう。そこが楽しみ、山の面白さです。

 僕らは次の段階の仕事があります。川というのはその上流の山の状況を教えてくれる図鑑のようなところです。S字を描いているところは、クランクの部分に上流の石が溜まるんです。その石を見たときに、そこから何メートルぐらい先にこの石があって転がってきたのか、大体その削られ方であてがつくんです。なので僕らは川に行ってクランクの部分で砕石して、そこに、メモをつけていきます。例えば山梨の南木曽の側を歩いているときに緑色の石があれば、緑の1番、緑の2番とつけていく。その特徴を書いていくんです。そして1度テントや宿に戻ります。宿のお風呂でよく洗って、硯になるかどうかを確認します。これと決めたものがあったらそこから何メートル、何キロ先の山なのかを想定します。想定しながらその山に住んでいる人たちに、この石がとれているところはありませんかと聞き込みを始めます。「あるよ、あそこだよ。ただ、200年も前からあそこは人がいていないからいけないよ」などと言われます。そうしたr,あなぜいけないのかを自分で行って見に行きます。技術的にいけないのか、それとも誰も行く理由がなくて行っていないのか、そこを確かめて実際にいく。なので山にツルハシを当てるのは最終段階です。急に行くわけではないんです。そこら中に穴を掘るわけではなく、川から入ります。
 僕は地球全体どこへ遊びに行っても、硯になるかならないかでしか見ていないです。例えばオーストラリアのエアーズロックへ行っても、これは硯になるか、そういう風にしか見られないヤツなんです。あそこは取っちゃいけないですからおさわりだけですが、触らせていただいて、なるかなならないかなと、じっくりコンタクトした結果、なりそうだと思いました。硯に適していな石は基本的には硬すぎる石です。造形として作りにくいので、構造として作りにくいのは墨をかみにくい。そうするとすりにくいので、硯の名利としてはいかがなものかと思うんですね。以前に月の石で硯を作りましたけど、あの石は墨をするのに向いていないんです。作ってみると硬すぎて、しかも地球上にない鉱物だったんですね。だから違う言葉をしゃべる石のような、応答が返ってこないような石ですね。どうしたら良いのか分からないという。月の石は難しかったですね。

 でも硯に最適な石が一番だという、それだけの世界じゃないということを僕は思いたいんです。やはり石というのはどれもひとつひとつ美しさがあるんですね。その美しさは必ずしも実用性だけではないと思うんです。墨をすれればいいだけじゃない。その人にとって良い石は一つ一つ考え方があるんです。僕は月の石の硯は好きですよ。月をみながら、「あそこのお月さまの石を僕は持っているんだ」って、それで墨をすってお手紙書いたらなかなか楽しいじゃないですか。なのでやっぱり石の美しさだけではなくて、石から硯に転じる、それを使ってどうするかという先にある面白さもあるので、これからもっと僕も硯との会話ができる言葉を習得できるようにしていこうかなと思います。


青柳さんのお話、いかがだったでしょうか。来週もインタビューの続きをお届けします。
【今週の番組内でのオンエア曲】
・白日 / King Gnu
・Good As Hell / LIZZO

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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