今週は、日本の森・里山、そして私たち人間の営みに昔からかかわってきた動物のお話です。
その動物とは・・・馬です。
今回お話を伺うのは、日本の在来馬・各地に古くから存在する馬を追いかけ続ける女性フォトカメラマン高草操さんです!



〜高草さんは長年、「日本の馬」をテーマに全国各地の撮ることになったんでしょうか。

最初は競馬ですね。競走馬ライスシャワーをテレビで見て、小さくて黒くて美しいなと思って、いろんな馬雑誌、競馬雑誌を初めて手に取ったんです。その中に「女性のための北海道牧場ツアー募集」という記事が載っていて、それに思わず応募してしまったら当たってしまって、北海道の社台スタリオンステーションに行ったんです。そこでいきなりサンデーサイレンスが出てきた!という感じで、その次に出てきたのが、トウカイテイオー、フジキセキ。もう衝撃のスタートでした。

〜そうやって高草さんが馬に魅せられて、日本の在来種と呼ばれる馬を追いかけ、全国各地へいかれたということなんですが、在来馬とはどういったものなんでしょうか。
日本に昔からいる土着の馬、外国の馬の血が混ざってない馬たちのことです。いちばんわかりやすい特徴は顔に流星がないんです。足の先に白いところがとにかくない。それが在来種として大きな特徴なんですけれども、いま在来種は8種類日本でも指定されています。北海道は道産子、長野県の木曽馬、愛媛県の野間馬、長崎県対馬の対馬馬、同じ九州で宮崎県の三崎馬、鹿児島県と奄美大島の間にトカラ列島がありここで生まれたトカラ馬、沖縄の宮古島の宮古馬、与那国島の与那国馬。江戸時代まではたくさんいたんです。明治時代になって、戦争のために軍馬生産をすることになったときに、日本に今までいた馬はあまりにも小さくて力がなくて、凶暴と言われていた。それで政府が国策として洋種の血を入れて馬を大型化、力を強くしようとしたんです。馬生局というのができたくらいです。それでだんだん日本の馬は淘汰されて、純粋な日本の馬は明治期にだいぶいなくなったと思います。それまでは結構全国にどこどこの馬と言う区分けもされていて、資料も残っているんですけど。

〜道産子と北海道の森は密接な関係があるそうですね。
もともと道産子は南部馬という岩手県や青森県ですごく有名な在来馬がいて、その南部藩の人がコンブ漁やニシン漁で夏の間に南部馬を連れて北海道に渡って、運搬とかの仕事をさせていたんですね。だけど冬になって、そういう人たちは本土に戻ってくるんですが馬はそのまま置き去りにしたといわれています。北海道の厳しい冬を馬たちが乗り越えるために、どういうものを食べていたかというと、雪の中でも育つミヤコザサがあって、それを食べて馬たちは野生の中で生き延びたというんですね。私が取材したのは北海道大学の研究牧場で、そこでは道産子が笹を食べて生き延びたという習性を利用して、森の中に道産子を放すんです。北海道は日本全国結構そうらしいんですが、森はほうって置くと笹が繁茂してしまって森が成り立たなくなる。それをブルドーザーとかで草を取り除いて森を維持していることも多いんですけど、機械でやると全部おもての養分なども持っていってしまうので土が育たないということもあるそうです。それを道産子に下草を食べてもらうことで必要な養分が残るんだそうですね。そうすると森がちゃんと保たれて新しい命もそこから生まれる。さらに、馬たちが木の芽を食べたり、下を踏み固めて森がダメになるんじゃないかという懸念もあったらしいんですが、研究の結果、それは森の樹木の間引きにつながって、逆に日が差し込んで、新しい植生やそういうものが保たれるというのが分かったと聞いています。だから11月から12月に森に放牧して、その時に下草刈りをさせている。春になって道産子が入っていた森に入ってみると、エゾエンゴサクとかカタクリとかそういった花畑ができていて、それは道産子を放牧した後に作られた花畑だと言っていました。


〜高草さんが昨年出された「人と共に生きる日本の馬」は2020年度のJRA賞馬事文化賞を受賞されていますが、拝見すると、馬たちのきれいな写真が出てきますね。道産子の群れが全員こっちを見ている写真がありますね。
100頭ぐらいいたんじゃないかと思います。たまたまそれぐらいの馬たちが固まっていたんですね。近づいていったら馬たちが一斉にこっちを「何かきたぞ」と一斉に見たんです。その時は遠かったんですが、近づいたら一頭の馬がトコトコこっちに歩いてきて、私のことを探るような目で見て、納得したように群れの中に戻っていったんです。まるで「だいじょぶそうだよ」と他の馬に言うみたいに。すると他の馬がぞろぞろ私の周りに来て、囲んで、「なんだこいつは?」という野次馬の状態でした。それで、だいじょぶそうだなと納得したらみんな散らばっていきました。私はその馬たちを撮影させてもらいました。

日本に古くからいる馬・在来馬を追いかけるフリーランスカメラマンの高草操さんのお話、いかがでしたでしょうか。
高草さんの本「人と共に生きる日本の馬」は JRA賞・馬事文化賞受賞した評価の高い本です。里文出版から出ています。是非チェックしてみてください!

『人と共に生きる日本の馬』高草操著 里文出版

【今週の番組内でのオンエア曲】
・Blinding Lights / The Weeknd
・忘れられないのサカナクション

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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