さて、日本の馬・在来馬を追いかけ続けるフリーランスカメラマン高草操さんのお話、いろいろ伺ってきましたが今週でラストとなります。
実は、森を守る役割を持っているという北海道の道産子コをはじめ、地元の方がテーマパークを作って守り続ける愛媛県の野間馬、森から切り出した木材を運ぶ馬搬の文化を繋ぐ、岩手県遠野市のお話。。。
日本にはまだ、こうした馬と人とのつながりが、各地にあるんだですね。
その一方、日本には人とのつながりをほとんど持たない馬も存在します。どういうことなのか。高草さんに教えていただきました。


〜日本にも野生の馬がいるんですか?
在来種の1つで御崎馬といいます。宮崎県の都井岬というところに野生状態で暮らしている馬が100頭近くいます。

〜野生の馬というのはどういうことなんでしょうか。)
生まれるのも死ぬのも人が手をかさない。全部そのまま、野生のままなんです。ただ日本に限らないんですけれども、本当の野生馬っていないというと語弊があるんですが、シマウマは馬じゃないんですけれども、本当の野生はシマウマだけなんですね。それ以外はみんな再野生化されたか、野生状態でも人がちゃんとどこかで手を貸している部分が多い。都井岬の御崎馬もそういう馬たちなんです。でも一応野生で生きているということで、天然記念物にもなっているし、在来種として認められています。監視の人が必ず見守っていて、でもその見回っているのは数をチェックしていると聞きました。例えばそこで怪我をしている馬を見つけても手は出せないし、見守っているしかない。手を加えてはいけないんです。だけれども、例えば年に一回その年に生まれた子馬を判定するために1カ所に集めて、一応駆虫剤を打ったりとか、そういう事はするんです。寄生虫が入らないようにとかそういう作業のために、1年に1度、駒追いというのがあるんですけれども、そういうのはやっているようですし、あと野焼きをして草の状態を保つ、そういう事はしているみたいです。だけど私が御崎馬で思ったのは、彼らが野生でいるための条件をちゃんと作っているのは人間なんだなということなんです。彼らは彼らなりに人と関わって生きているんだろうなというのは思いました。

〜御崎馬の特徴は?
特徴はそんなに大きくもなく小さくもなく、昔の高鍋藩の軍馬だったんですが、そこが放牧中心でほったらかしの飼い方の仕方をしていて、その馬がそのまま残ってたらしいんです。だけど明治になってそれが藩のものじゃなくなったときに、地元の住民が集まってきて、その馬たちを土地と一緒に面倒を見るというふうになった。でも放牧中心の飼い方だったから、そのままその馬たちが野生状態で残り、御崎馬になったと言われてます。

〜じゃぁ競馬の馬よりは小さいんですね。
ずっと小さいです。他の在来馬に比べて一番スマートかもしれません。ちょっとサラブレッドを小型にしたような。走ったら速いですね。

〜厩舎なんかに放牧されている馬は、人に興味を持って近づいてきたりするけどここの馬はどうですか。
人に興味を持って近づいてくる事はあんまりないかな。近くに行くことはできます。ただ季節的に子供を育てている時期とか、繁殖の季節なんかはオス同士の争いもあるので、そういう時は気をつけた方が良いと思うんですけど、御崎は多分普通に馬を見ることができます。でも都井岬は駒止めの門というのが崎に入る入り口にあって、そこから向こうは馬の生息地なので、人家は民宿ぐらいしかないです。人の暮らしと密接につながっているかというと、それは多分ないと思います。ぜひ行ってみてください。都井岬はすごく楽しいと思います。朝日や夕日も綺麗ですし。

〜いつ行っても馬に会えますか。
確実に会えます。特に夏は。冬場は寒さを防ぐために森の中に入ってしまうんですが、ビジターセンターとかもちゃんと岬の中にあるので、馬のことも勉強できると思うので楽しいと思います。

〜撫でたりできるんですか。
撫でたりはちょっと無理だと思います。餌をあげたりとかそういうのは厳禁です。車で入っていて、馬たちのいるところに近づくのももちろんいけます。

〜いろいろ日本の在来馬のお話聞いてきましたが、ぜひこの馬を見に行って欲しいという場所はどこかありますか?
馬の社会を見たいと思うんだったらと御崎馬がいいかもしれません。馬だけが暮らしている、馬だけの時間があるということも、実感できるんじゃないかと思います。前は海に囲まれていて、ほとんど丘みたいなところがあるんですけど、そこにハーレムがいくつかあって、オスを中心とした馬の集団がいくつかあるんですね。そういうところで馬がどういう風に暮らしているのかというのは、生態系として分かりやすいかなって思います。台風の土砂降りの中でも馬たちは普通に草を食んで、厳しい生活をしていると思います。だけれども、こういう馬たちの社会があるんだというのは、ちょっと実感できますね。山なんかでも線が山の斜面にずっとあるんですけど、それが馬が通る道なんです。馬道というんです。馬の世界にも人間としてずかずか入っていかない、馬は馬の社会をちゃんと持って生きているというのを、人間は知った方が良いかなと思います。


今週は、日本に古くからいる馬・在来馬を追いかけるフリーランスカメラマンの高草操さんのお話でした。
高草さんの本「人と共に生きる日本の馬」は JRA賞・馬事文化賞受賞した評価の高い本です。里文出版から出ています。是非チェックしてみてください!

『人と共に生きる日本の馬』高草操著 里文出版

今週の番組内でのオンエア曲
・ビューティフル・サンデー / Daniel Boone
・ファンタジア adding 原田郁子 (from クラムボン) / livetune

パーソナリティ

高橋万里恵
高橋万里恵

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