「『坂』だらけの街サンフランシスコ」
 
アメリカを旅して、観光地である名所スポットには目もくれずに、想いを馳せた映画の撮影現場や、舞台になった土地を訪れるのも悪くない。というか最初からそれが目的なのだが。
さて、クリント・イーストウッドが、４４マグナムをブッ放して街の治安を乱していたのか、守っていたのか危うい境界線が魅力の『ダーティー・ハリー』シリーズの舞台は、ここサンフランシスコ。サンフランシスコは、非常に多くの映画の舞台として登場する超人気スポットだ。とりわけ個人的に観たかったのは、カー・チェイスでお馴染みのウソみたいな傾斜の『坂』と、太平洋からサンフランシスコ湾へ雄大な姿で観る者を圧倒するゴールデンゲート・ブリッジの２つ。

一つ目の『坂』は、特に名称も知らないので、どういう風に探せばよいのかと心配していたが、なんと至る所が坂だ。坂で出来ている街ではないかというぐらい険しく長い坂が続く。最近では『ハルク』が、この坂にヒビを入れたのも記憶に新しいところだが、激しいカー・チェイスが繰り広げられる『ザ・ロック』では、ショーン・コネリーとニコラス・ケイジが路面電車を横転させるほどの暴れぶりだった。個人的に大好きな映画である。
激しいアクションは映画の中だけで、優雅なサンフランシスコの空気に酔ってはみたものの、年間数百という映画が撮影され、ロケ地としてバシバシ使われている現実を考えると、ここで暮らす人々にはいい迷惑だなと、ちょっと後ろめたい気分に。本当批評家なんて勝手な商売だ。さて、サンフランシスコ観光は、２つ目のゴールデンゲート・ブリッジへと続く。(続く)  

映画狂ならではのアメリカ探訪と楽しみ方！