クルマを運転している時、先の見通しが良くないところで、
カーブミラーがあって「よかった!先が見える」と安心した経験はありませんか? 

カーブミラーは、ドライバーはもちろん、自転車の利用者や、歩行者にも、
直接は見えていない先の交通状況を提供してくれる、つまり危険を知らせてくれます。
カーブミラーが設置されている主な場所は・・・

◼️ カーブで道路の先が見えない地点

◼️ 左右の状況が直接わかりにくい細道のT字交差点

◼️ やはり左右の状況が直接わかりにくい信号機のない十時交差点

◼️ 駐車場の出入り口


ただ、実は万能ではなく、あくまで補助的な存在。
頼りすぎると、事故の原因になる可能性もあるので気をつけましょう。





万能ではない理由の1つが死角の存在です。
例えばT字路の縦線にあたる道路を下から上にクルマで走行していた時に
交差する横線にあたる道路に左右の先が見えるようメガネのように2つカーブミラーがあったとします。
そのミラーには左折しようというのであれば、左折した時の左側になるところに
右折しようというのであれば、右折した右側になるところに死角があるのです。
ミラーの大きさや設置された角度にもよりますが
クルマからは歩行者や自転車が見えないこともあり得ます。






カーブミラーが万能でない2つ目の理由は、ミラー=鏡なので逆転現象が起こっていることです。
例えば、やはりT字路の縦線にあたる道路を下から上にクルマで走行してきて右折するつもりで
右側のカーブミラー見ると通りの右側に停車しているクルマがあったとします。
でも、実際に右折してみるとクルマが停まっているのは左側というように。

さらに、カーブミラーに小さく近づいてくるクルマが見えて、
まだ遠いなと思っても、実はそれはミラーの形によって小さく見えるだけで
かなり近いところにいる可能性もあります。
そこで、T字路・十字路の交差点では必ず目視することが、安全に繋がるわけです。


まずは「見せる停止」。交差する道路に出る直前で一時停止して下さい。
自分から交差道路が見えなくても、向かってくるクルマのドライバーは存在に気づきます。
次に、カーブミラーを見て車がなければ、そろりそろりと出て「見せる停止」。
そして、自分の目で見えるところまで来たら、もう一度止まって確認する。
それで安全ならば進んでいきましょう。





カーブミラーが万能ではないことを理解して
安全運転に補助的に役立てるようにして下さい。

自転車は小回りが効くと同時にスピードもかなり出る移動手段。
クルマや歩行者と衝突してしまった時は、
その重量と速度が相まって衝撃が大きな車両です。
出会い頭の事故には気をつけなければいけません。

今回は自転車の安全利用促進委員会 委員 谷田貝一男さんにお話を伺い
注意点をお伝えしました。





多くの場合、4方向の道路が交差している交差点は
自転車や自動車や歩行者が行き交う衝突や接触が起こりやすい場所。
その中で出会い頭事故が多い交差点には、いくつか特徴があります。
信号機が設置されていない交差点。歩道がなくて道路の道幅が狭い交差点。
交差点周辺の建物によって交差する道路の通行状況が見えにくい交差点。
こうした交差点で出会い頭事故が多く発生しています。





ひとくちに「自転車の出会い頭の事故」といっても
相手は自動車、自転車同士、歩行者などのバリエーションが考えられます。

自動車との事故は、交差点を自転車が直進し始めた時に
左方向からスピードを出してきた自動車に追突されるというケース。
自転車同士の事故では、交差点を直進し始めた時、あるいは左に曲がろうとした時に
左方向から右側通行の自転車と衝突したというケース。
歩行者との事故では、左方向や右方向から歩き始めた歩行者に
スピードを出した自転車が追突してしまうケースがあります。





自転車の安全利用促進委員会 委員 谷田貝一男さんは、
自転車の出会い頭の事故が起こってしまう大きな要因に
『法令違反』と『ミス』があると指摘します。

特に「止まれ」標識があるのに停まらない一時停止違反や
右折をしたい時に短距離で通過できるので右側通行から右に曲がるという違反。
また、ブレーキをかけるのが遅かった、しっかり操作しなかったというミス。

こうした違反やミスがあるのは、
自転車を乗っている環境に対する悪い意味での慣れ、
自分は事故に遭ったことがないという自信過多、
急いでいる、面倒臭いという事故都合、
身体機能の低下という4つの理由があると谷田さんは言います。

これらが事故に繋がることは容易に想像でますよね。
注意しましょう。

そして、小さな子どもやお年寄りは、判断能力が高くありません。
自動車が近づいてきていたら、通過するまで待つことを、ご家族の方は伝えて下さい。




例えば、自転車に乗っていて交差点で一時停止を100回して
歩行者や自動車に出会わなかったとしても
101回目に出会ったとしたら一時停止しなかった時の怖さを認識できます。
そこで、歩行者の立場の時に、どんな交差点でも一時停止をして左右確認することが
自転車に乗っている時の出会い頭事故にも遭遇しない近道ではないでしょうか。
そう谷田貝さんは話して下さいました。
沖縄はすでに梅雨明けの報道がありましたが、九州から関東・北陸までは梅雨の時期。
東北もそろそろ入梅すると見られています。
雨の日は、さまざまな事情から交通事故が増えるということで、
今回は「雨の日の交通安全」の後編「歩行者編」です。





雨が降っていない時と雨が降っている時、歩行者で大きく違うのが傘をさしていること。
傘は視界を狭め、また空間をとっているので、他の人や自転車にぶつかってしまうと危険です。

傘によって視界が妨げられたり、濡れないようにすることに意識が集中して
うつむきがちになるため、狭い歩道や路側帯ですれ違う際は注意しましょう。
前をよく見て歩く、すれ違い時は傘を少しすぼめる、
広いところですれ違えるように立ち止まるなど、お互い思いやりを持ちたいところです。
また、自転車が歩道を通行することもありますので、
自転車が通るルールになっている車道側はあけましょう。

雨音はクルマや二輪車の接近に気づく妨げになることもあります。
目で確認せず、急に動きを変えることは危険です。
それまでとは違った動きをしようという時は、
きちんと目視で安全を確認しましょう。





そして、先週の「クルマ編」で雨の日は、
ドライバーの視界が良くないことを注意喚起しましたが、
歩行者や自転車を利用する人も、晴れや曇りの時と比べて雨の日は、
クルマのドライバーも周囲の状況が見にくくなることを
認識して行動することが大切です。

ドライバーに自身の存在が気付かれていない可能性を常に意識して、
急がず慌てず安全第一の行動を心がけましょう。
信号機のない横断歩道など渡る際には、自分がドライバーから見えているか
認識されているか、ドライバーの様子を見て気付かれていないようであれば、
立ち止まるようにします。





特に空が暗いような時には、
なるべく明るい衣服を着るようにする、
反射材を身につけるといったことも身の安全に繋がります。

マンホールの上など、滑りやすいところもあります。
滑って転んだところにクルマや自転車がきたら危険。
履く靴も滑りにくいものにしましょう。





そして、通勤、通学、お買い物などで自転車に乗る方は多いでしょう。
自転車にも少しふれましょう。
自転車も雨の日には危険が増します。

ウェザーニューズが2019年に行った調査によると、
「雨の日、自転車に乗っていて“ヒヤリ・ハット”した経験は?」
という質問に「ある」と答えた人が75%。「ない」と答えた人が25%。
有効回答者数は4,190人ということなので信憑性あるデータ。
やっぱり、雨の日は危険に見舞われることがありそうです。

その自転車に乗る時、雨が降っていたら、
傘を差して片手運転しているでしょうか?
自転車の傘差し運転は片手運転となり危険なため、
各自治体の定めた公安委員会規則で明確に禁止されています。
さらに来年4月からは改正道路交通法で自転車の交通違反に対する青切符制度が
導入されることが決まっていて反則金5000円の違反となります。





全国的にしばらく続く雨のシーズン。
クルマを運転するドライバー、自転車の利用者、歩行者、
それぞれの立場で視界や、周囲の状況を正しく認識するよう気をつけつつ
他の人も周りをわかりにくくなっていることを想像して
より安全な運転、行動を取るように心がけて下さい。
そして、お子さんがいる方は、そのことを子どもにも伝えて下さい。
日本列島は、そろそろ梅雨のシーズン。
雨の日は、さまざまな事情から、交通事故が増えます。
そこで、今週と来週は「雨の日の交通安全」。
今週は「クルマ編」でした。





以前、JAFは試験を行いました。
溝の深さが違うタイヤを用意して
路面が渇いている時と濡れている2つの状態で
直進進行中にブレーキを踏んだら制動距離はどのくらい違うのか計測。

使ったのは夏用タイヤ。
紹介する制動距離は実験の平均値です。
      
<新品の状態の10山> 

時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が17.0m。濡れた路面は16.7m。
時速100kmの時は渇いた路面では47.5m。濡れた路面は47.6m。
あまり変わりません。

<タイヤの溝が新品の半分の状態5分山>

時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が16.3m。濡れた路面は16.7m。
それほど変わりませんが・・・
時速100kmの時は、渇いた路面では44.1m。濡れた路面は50.8m。
6m以上も伸びます


<タイヤの溝が新品時の5分の1状態の2分山) 

時速60kmの時は、渇いた路面の制動距離が15.8m。濡れた路面は18.0m。
これまでより違いがあります。
時速100kmの時は、渇いた路面では42.6m。濡れた路面は70.5m。
30m近くも伸びています





ここから導き出されるのは、
雨のシーズンには溝がきちんと残っているタイヤを使用すること。
さらにスピードを出し過ぎないこと。

一般に残り溝4mm以下が夏タイヤの寿命。
溝が残っていても使用開始後5年以上経過で交換が推奨されています。

そして、残っている溝の深さが1.6mmになるとスリップサインと呼ばれるマークが出てきて
1箇所でもスリップサインが出たタイヤは、道路交通法で装着・使用が禁止されています。





次にドライバーの皆さんが、これまでの体験からお分かりのように
雨の時期は視界の確保に気をつける必要があります。

雨の日はワイパーによる拭き残しやドアガラスやミラーに付着する水滴が原因で
死角が増えることがあります。死角に危険が隠れていないか、体を動かして目視で確認します。

フロントガラスが曇る場合もあります。
これはガラス面の内側を清潔に保つことで曇りにくくなります。
薄めた中性洗剤を染み込ませたタオルでガラス全面抜いて
その後乾いたタオルでしっかり乾拭きしてください。
さらに市販の曇り止めスプレーを使うと曇りを防ぐ効果が期待できます。
また、ワイパーは消耗品ですので定期的な交換がおすすめです。

交換時期はワイパーゴムが半年から1年ごと、
ワイパーブレイドは1年から2年ごとが推奨されています。





次に視覚とともに、私たちが安全にクルマを走行させるため
大切な情報である 音にも配慮しましょう。

雨天時はドアガラスを閉めての走行となり
雨がボディーに当たる雨音やワイパーの音などで車外の音が聞こえにくくなりがち。

カーステレオの音量を控えめにしたり、
必要な場所に応じてドアガラスを少し空けるなどの配慮を行ないましょう。

また自転車の横を通過する際は、自転車が雨合羽のフードによって
周囲の音が聞こえにくくなってる場合があります。
自転車側が車の接近に気づいていない可能性があるので十分気をつけましょう。





最後に大量の雨がクルマを危険に陥れることがあります。
災害に巻き込まれないようにして下さい。

台風や大雨の際には、急な道路の冠水や川の増水が発生しやすくなります。
大雨に遭遇した際は川沿いや海岸沿いの他、高架下や立体交差のアンダーパスなど、
周囲より低い場所には絶対に進入せずに迂回するようにしましょう。

また、冠水した道路は見た目だけでは水深を測ることができないため、
進入してしまうと予想以上に深い場合がありまして、
場合によってはエンジンが停止し、立ち往生する可能性があります。

雨のシーズンの運転には特に気をつけましょう。
次回は「雨の日の交通安全 歩行者編」です。