前方に向かってクルマを走らしている時、二輪車が追い抜いていく、
また、二輪車がクルマの前で位置どりを変えて追い越していく事があります。
こうしたシーンでは接触や追突事故の危険があり
クルマ側に非がないとしても気をつけなければいけません。





今回、お話をお聞きしたモーターサイクルジャーナリストで
ライディングインストラクターの佐川健太郎さんによると
教習所でも習うとおり、バックミラーだけではなく目視で直接確認することが大事。

人間の視野は、おおよそ左右180度。
そして、バックミラーで見られる真後ろを中心に90度。
つまり、前方を向いて、バックミラーを見ても
左右ともに後ろの45度を確認することができていません。
必ず首を振って目視で確認して下さい。

人間の視野は、おおよそ左右180度。
バックミラーで後方をカバーできる範囲が、真後ろを起点に左右約90度。
前方を向いて、バックミラーを見るという行為だと、
左右ともに後ろの45度を確認することができていません。
必ず首を振って目視で確認して下さい。





さらにクルマの車線変更については、
二輪車に乗っているライダーとの感覚の違いを意識しましょう。

バイクは車に比べて軽快な乗り物。
一瞬で視覚に入ってくる、死角から飛び出してくる、という性質があります。
クルマのドライバーからすると急に現れるというふうに見えるかもしれませんが
バイク側から見ると普通に走っているだけだったりするので感覚にズレがあります。

佐川健太郎さんの提言は、クルマのドライバーが2〜3秒の観察時間をおくこと。
その時間を作ることで、バイクが急に現れても回避できたり、動きを観察できます。
その余裕を持って車線変更アクションに入って下さい。





そして、注意すべきは特に渋滞時にありがちな
二輪車がクルマの間を縫うようにして先へこうとするすり抜け運転に対して、
接触、追突しないための注意点やクルマの操作。

まず、気をつけるべきは急な車線変更をしないこと。
急ハンドル、急ブレーキなどの急な動作、操作が増えるほど接触可能性が高くなります。

車・バイクのドライバー・ライダーの反応速度は約2秒。
操作するまでに1秒。その後の求めた作動に移るまでに1秒。
その約2秒の余裕を持つと事故を回避できる確率が高くなると言われています。
そのように、ライダーが反応できる時間を少し余計にとることが
お互い事故を防ぐ大事なポイントになります。





事故防止には二輪車側の注意とルールに則ったライディングも必要です。
なるべくあまり追い抜き・追い越しはしない。
特に市街地は何が起きるかわかりません。
道路脇から歩行者だとか自転車が飛び出してくる可能性もあります。

それらを前提にして、あえて追い越しをするのであれば
十分な横の間隔や空間を確保した上で行いましょう。
1.5mは車との横の間隔を開けて追い越しというのが佐川さんの指摘。

渋滞時に猛スピードで右から左からすり抜けていくのはやめましょう。
それは法律的には安全運転義務違反。
それによって先を急いでいても大して時間は変わりません。
余裕を持った運転をするよう心がけて下さい。

交通社会を構成する四輪車、二輪車。
運転をするドライバー、ライダーともに思いやりと配慮、
そして、注意意識を持って、事故が起きないよう気をつけましょう。