今年も「秋の全国交通安全運動」が、
9月21日月曜日から30日 水曜日までの10日間実施されます。
今週と来週は警察庁 交通局交通企画課 大竹和美さんを迎えて
その大切なポイントをお伝えします。





令和2年上半期の交通死亡事故件数は昨年同時期と比べて減少しました。
しかし、高齢者の横断歩道横断中や運転中の単独死亡事故が増加。
二輪車の死亡事故も増えています。


そんな状況で実施される「秋の全国交通安全運動」。
今年は重点ポイントが3つです。


【1】子供を始めとする歩行者の安全と自転車の安全利用の確保

交通事故死者で最も多いのは「歩行者」。
約7割が「道路横断中」に車と衝突して亡くなっています。

横断歩道が近くにあるのに横断歩道以外のところを渡る
走っている車の直前直後を渡るなど
多くの場合に歩行者にも交通違反があります。

横断歩道が近くにあるときは必ず横断歩道を渡り
しっかりと左右の安全を確認しましょう。

また、幼児の歩行中の死亡事故は約6割が道路横断中以外で発生し
ひとり歩き、飛び出しで半数以上を占めています。

子どもには車が近づいてきていないかよく見ること、
急に道路に飛び出さないことを、繰り返し教えて下さい。

また、自転車と車との交通事故は約半数が交差点での出会い頭。
自転車の約8割にも信号無視や一時停止違反、安全不確認などの交通違反があります。
交通ルールを守り、ヘルメットを着用して自転車に乗りましょう。





【2】高齢運転者等の安全運転の励行

まず、年齢に関わらずドライバーは横断歩道の手前ではスピードを落としましょう。
信号機のない横断歩道に横断しようとしている歩行者がいる時は必ず停止。
歩行者の横断を優先させなければいけません。
思いやりを持った運転を心がけて下さい。

そして、高齢ドライバーは他の世代に比べてハンドル操作の誤り、
ブレーキとアクセルの踏み間違い事故の割合が高いです。
年齢を重ねると体の機能が変化しますが、自分では気づかない場合もあります。
周囲に高齢運転者がいる場合は安全運転について話し合ってみて下さい。





【3】夕暮れ時と夜間の交通事故防止と飲酒運転等の危険運転の防止

10月から12月は夕暮れ時や夜間の死亡事故の割合が高くなります。
夏よりも暗くなるのが早く視界が悪いので歩行者や自転車の発見が遅れます。
また、速度感覚が鈍り、速度超過になりがちです。
早めのライト点灯と速度の出し過ぎに注意して下さい。

歩行者は、車から見つけられやすいように反射材を身に着ける
明るく目立つ色の服を着るなどを心がけてください。

そして、残念ながら「飲酒運転」や、「あおり運転」など
危険運転による悲惨な交通事故は後を絶ちません。
飲酒運転は「絶対にしない、させない」との強い意思で根絶しなければなりません。
「あおり運転」については道路交通法に妨害運転罪が創設されました。
車間距離を極端に詰めること、不必要な急ブレーキ、割込などはやめましょう。




私たちがふだんの生活の中で陥ってしまう錯覚。
それは車のハンドルを握っている時にも起こります。

今週は先週に続いて
自動車ジャーナリスト 菰田潔さんでにお話を伺い
『運転中に起こる錯覚』後編をお送りしました。





今週はまず「視覚吸引作用」と呼ばれるケースから。
ドライバーはいろいろなところを見て運転しているわけですが
目で見た方向に進んでいく傾向があります。

例えばトンネルの中に入った時に壁が近くて圧迫感があると
壁ではないほう方を見て、その方向に車が寄ってしまう。
それが高速道路で時速100kmで走っていたとすると
ハンドルを少し動かしただけでもかなり角度が変わります。

例えばその結果、右隣の車線に近づくと、
そちらの車線を走るドライバーは「幅寄せした」と思うかもしれません。
自分の車線をキープして車線の真ん中を走るよう心がけましょう。





車もそうですが特に見た方向に進んでしまうのが二輪車。
最近は性能が良く、ヘルメットをかぶった頭を向けるだけで、
その方向へ簡単に進むので、気をつけるようにして下さい。





そして、次は「曲方志向」。
これはカーブを曲がっている時に広い方に寄ってしまうこと。
左カーブの時には左側に寄っていきますが、
スピードを出したまま曲がる場合、寄りすぎることがあります。
左側にガードレールや崖や土手があったりする時には危険です。

右カーブの時は右に寄る傾向があります。
日本は左側通行なので対向車線があれば対向車とぶつかるかもしれません。
この現象も自分の車線の中だけで走る意識で防ぎましょう。





そして、次は街中ではなく、田畑の中の
信号機はなくて広く見通しの良い交差点で起こる「コリジョンコース現象」。

あなたは信号のない真っ直ぐの田舎道を直進しているとしましょう。
前方で別の道路が90度で交差しています。

その交差点に向かって、あなたが南から北へ走っているとしたら、
東から西へ走っている車があります。走る速度はあなたの車とほぼ同じ。

この車がピラーの死角に入っていると車の存在に気づきません。
またこの時にウィンドウ越しに視界に入っていても、
同じ速度で走っているとお互いの車が動いているようには見えない、
田畑と同様、風景の一部と錯覚してしまうので察知しにくいのです。
そして、気づかずに衝突・・・ これがコリジョンコース現象です。
初めは道路がない飛行機で起こりました。

自動車の場合は北海道のような広大なところで起こりがち。
視界が開けた田舎道なのでスピードを出していることもあり
重大な事故になることも少なくありません。
旅行の時には気をつけましょう。

2週にわかってお伝えした運転中に起こる錯覚。
錯覚をしやすい状況を覚えておいて下さい。
そして、まずは未然に防ぐよう注意しつつ、
何かの時には正しい対応策をとるようにしましょう。


このところ流行っているトリックアート。
私たちの目の錯覚を生かして楽しむものですが、
目の錯覚がクルマの運転中に起こってしまうと・・・危ないですよね。

でも、ハンドルを握っている時も、
そんなシーンは少なからず起こり得ます。
今週と来週の「なるほど!交通安全」は『運転中に起こる錯覚』です。
話を聞くのは日本自動車ジャーナリスト協会 会長で
日本自動車連盟 交通安全委員会の委員もつとめる菰田潔さんです。





まず「蒸発現象」と言われるケース。
これは急に明るい光が射すところに入ると目の調節が追いつかず
今まで見えていたものが見えなくなってしまうことを言います。
例えば、トンネルの出口。
暗いトンネルの中から明るい外へ出た瞬間、
前の車や状況が見えなくなってしまいます。
逆に夜の場合にはカーブや道の勾配によって対向車のライトが目に入り
途中の車が見えなくなってしまうこともあります。





トンネルから外の明るいところに出る時は予め目を細めておく、
あるいは明るいところを意識して見るようにしましょう。
暗いところに慣れた目を早めに明るいところに慣れさせることが必要です。
また、眩しいと思った時には、そのライトは見ないことが大事。
びっくりして急ブレーキを踏んでしまったりすると危険です。
落ち着いて運転することがとても大切なポイントです。


そして、同じく見えなくなる運転時の錯覚でも
暗さで見えなくなる「溶け込み現象」。
こちらの例は特にあまり大きくない道路に現れるライトが暗い、
あるいはライトがないトンネルなどで起こります。
前の車が外からトンネルの中に入ると
後続ドライバーには暗やみに溶け込んでいなくなったように見える。





最近の車はデイタイムランニングライトが点いていますが
そうではない車に乗っている方はトンネルに入る時には
必ずライトを点灯するようにしましょう。
ヘッドライトは自分で障害物を見るためもありますが
自分がそこにいるぞということを周りに知らせる意味もあります。


そして、「追従静止視界」。
追従、ついて行くと視界が静止するという現象です。




      
これは高速道路でよく起こります。
例えば時速100キロとかなりのスピードで走っていたとしても
前の車と同じスピードでずっと走っているとスピード感覚を失います。
前の車と自分の車の距離が全然変わらない
お互い止まっているように錯覚してしまうのです。
すると、スピードを感じなくなってしまうので、
車間距離が近づいても危険を感じなくなります。

ところが時速100キロで走っているとするとブレーキを踏んでから
車が停車するまで約56mは必要。
前の車と近すぎていた場合は何かあってブレーキを踏んでも
間に合わないということになってしまいます。
必ず、適切な車間距離が必要です。
菰田さんによると、世界では車間距離は2秒空けるというのが浸透しています。


まだまだある「運転中に起こる錯覚」
この続きは、来週、お伝えします。