午後2時
体育館でミーティングをしている部員の様子を見に行く。
体育館裏に回り込み、ドアからこっそり覗き込む。
19、20人くらいいるだろうか。
みんなダンマリしながら先生の話を聞いている。
中にはボーっと窓の外を見ている部員もいる。
外は抜けるような青空。
絶対、話聞いてないんだろうな。
「じゃあ、行ってみようか」
体育館裏からこっそり侵入。
気配に気づいた部員がこっちを見た。
「・・・?」
確信の持てないざわめきが体育館をつつむ。
そのざわめきは、お互いの距離が縮まるほどに
歓声に変わってゆく。
「みなさんに紹介します。本日の課外授業の講師
ASIAN KUNG-FU GENERATIONの・・・
顧問の先生の声が生徒達の歓声にかき消される。
アジカンが信じられないくらい目の前にいる。
午後2時05分
改めて顧問の先生からアジカンが紹介され、今回の趣旨を説明。
バンドを頑張っている10代を応援したい。
自分たちが持っている知識や経験を若い世代に教えてあげたい。
若い世代にもっとロックを盛り上げていってほしい。
その手助けになるなら学校まで足を運んだっていい。
そんな気持ちで今日はやってきた。
「じゃあ、授業を始めましょう」