ーもてん
「羅針盤(ASIAN KUNG-FU GENERATION)」
アジカンコピーも3バンド目になると、演奏したくてウズウズしだしてきたアジカン先生。山田先生がベースを弾いて教え始めると、それに伊地知先生、喜多先生、後藤先生も続く! なんと「もてん」の為に「羅針盤」のお手本をまるまる1曲演奏!
その音に引き寄せられるように、部員が次々と部室に集まる。曲が終わる頃には、部室は部員でいっぱいに。
そして、ある部員の一言が今回の課外授業最大のサプライズを呼び込む。
「後藤先生、ブルートレインを歌って下さい!」
そう、「羅針盤」ではギターのみで歌わなかった後藤先生。マイクスタンドをいじりながら照れくさそうに答える。
「じゃあ、『ブルートレイン』演ろうか」
ズルい。アジカン先生にこんなこと頼めるなんて。
たった2時間で、すっかり先生と生徒の関係になってる。
演奏の前に機材をセッティングし直すアジカン先生。
徐々に部室の空気が変わり始める。
ドキドキ、ワクワクの中に張りつめる独特の緊張感
ライブ直前の会場の空気だ。
ドラムのカウントが始まる。
2本のギターが交互に響き合う。
その音をひとつに束ねるようにベースが絡む。
“止めどない青さの行き先は
夢から醒めたような 現在“
今、手を伸ばせば届くところでアジカンがライブしている。夢のような光景。
でも、これは夢じゃない。
演奏中、アジカン先生は笑っていた。
それが10年前の彼らの姿に見えた。
大学の軽音楽部で演奏していた頃。
きっと、こんな感じだったんだろうな。