私にとって、父親と2人で暮らしている今の生活がとても幸せです。
2022
放送後記

私にとって、父親と2人で暮らしている今の生活がとても幸せです。

こもり校長

毎週月曜日のこの時間は、『SOCIAL LOCKS!』。生まれた環境のこと、性のこと、障がいのこと、さまざまな生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

今夜、声を届けてくれるのは…!

Percussion@しろまる

大分県 16歳 高校1年生 RN Percussion@しろまるです。

私は今、母親と別居していて、父親と2人で暮らしています。
小1のときに両親が離婚して、母親の再婚相手とその二人の間にできた妹と5年ほど住んでいましたが、折り合いがつかず、2年前から父親と暮らすようになりました。世間的に見れば決して普通の家庭環境ではありませんが、私は今の生活がとても幸せです。

母親と過ごしていたときは精神的に辛い思いをすることが多かったのですが、今は自由で、何にも怯えることがなく、父のもとに来て本当に良かったと思います。
しかし、授業参観など、学校で親の話題が出たときに、友人や周りの大人から「お母さんいないの?かわいそう」とか、「普通はお母さんに来てもらうけどね」などと言われることがあります。

悪気はないと思いますが、自分のことをかわいそうだと思ったことがないので、「かわいそう」と言われると腹が立つし惨めな気持ちになります。
これからも母親に来てもらえない自分にとって、「普通は」という言葉に胸が苦しくなります。

みんなには「自分が思っている普通は、他人にとっては普通じゃないかもしれない」ことを頭の片隅に置いておいてほしいです。今自分が考えている幸せの形が、世界のみんなの幸せな形だと思わないでほしいです。

人によって、家庭の事情は様々です。父親がいて、母親がいて、もしかしたら兄弟や親族がいて。そこまでそろっていて「幸せな家族」という考え方を他人に押し付けないでほしいです。
私にとって、父親と2人で暮らしている今の生活が、とても幸せです。

こもり校長
こもり校長

“今の生活が幸せで、だからこそ、「普通」という言葉に傷つくことが多い”と。

ぺえ教頭
ぺえ教頭

でも、今の自分をしっかり「幸せだ」って言えることがすごく素敵だなと私は思った。

こもり校長

そうだね。そこは、「家庭環境がどうだから」というのは関係ない話だよね。今のこの話の中で言うならば、母親と父親がいる家族構成でも“自分は幸せじゃない”って思う子もいるわけだから、今の状況下で何が幸せかという条件は、(誰にとっても)絶対条件じゃない。教頭が言うみたいに、「自分が幸せです」って思えることに価値があるし、それを言葉にできるということに意味があると思う。
校長先生も母子家庭で、物心がついた時には母親しかいなかったから、Percussion@しろまるが言われたようなことは理解できるし、イメージできる。

僕も授業参観で、母親が仕事で来れなかったら誰も来なかったりしたから、「母親やご家族の方と一緒に」という時にはいつも先生と一緒にやっていたし、幼稚園のお迎えとかも、ギリギリまで母親が来なかったりということもあった。あと、東京に出てくる時には「母親1人残して…」みたいなこともすごくたくさん言われた。

だから“自分はみんなが思う形と違う形を持ってるんだな”とは思っていたけど、Percussion@しろまるが「自分が思っている普通は他人にとっては普通じゃないかもしれないことを頭の片隅に置いておいてほしい」って言ってたけど、僕は逆に、それを自分に言い聞かせることで楽になった時もあった。“周りの人が普通だと思っていることがうちは普通じゃなくて、僕が普通だと思っていることが周りの人には普通じゃないんだ”って。

ぺえ教頭

お互いがね。

こもり校長

そう。お互いが“普通じゃない”と思い合ってるからこそ、言葉にしたり話し合ったりすることによって解決できることなんだなって、意外と簡単に思える瞬間が僕の中にはあった。
だから、お互いがそう思い合いながらコミュニケーションを取っていくことがやっぱり大事なんだなということは自分の実体験としてあるし、改めて、Percussion@しろまるがこういう風に声にして伝えてくれたから、僕も思い出すことがありました。ありがとう!

『SOCIAL LOCKS!』では、引き続き色々な生徒の声を届けていきます。

ぺえ教頭

みんなにわかってほしいのにわかってもらえないこと、毎日の中で“もっとこうなればいいのに”と思っていること、ぜひ直接届けてください。特設サイトで待ってます!

2022.2.21私にとって、父親と2人で暮らしている今の生活がとても幸せです。
TwitterでシェアLINEでシェア
TOP