フリージャーナリストの堀潤さんが登場
-
- 2026/04/26
フリージャーナリストの堀潤さんをお迎えして
今回はスタジオに、フリージャーナリストの堀潤さんをお迎えしました。堀さんと宇賀さんは立教大学の先輩・後輩でもあります。
小山「大学時代は全然被っていないんですね」宇賀「そうなんです。一度、大学のイベントでお会いして」
堀「立教大学は割とみんな単体で動いていて、社会で出会うと、メタルスライムみたいに『あ、ここにいたんだ!』と。そんな感じですよね」
宇賀「そんなに人数も多くないので、『え!』となりますよね」
小山「しかも同じアナウンサーですからね」
堀さんは1977年生まれ。立教大学を卒業後、NHKに入局。キャスターとして報道現場を担当されます。2012年に、市民投稿型ニュースサイト「8bitNews」を設立され、翌2013年にNHKを退局。2020年に、映画「わたしは分断を許さない」を監督。現在はTOKYO MX「堀潤 Live Junction」などに出演しながら、ジャーナリストとして国内外で取材・発信を続けていらっしゃいます。小山「NHKに入ったらいろいろ厳しそうなイメージがあるのですが、特に気をつけられていたことはありますか?」
堀「これが僕のNHKに入局する一番の理由にもなるんですけれども、やっぱり放送局の発信って強力だから、事実だと皆さんが思っていただけるじゃないですか。でも、僕が大学の時に研究していたプロパガンダは、事実じゃないのに事実だと思わせて、いろいろな悲劇が起きたわけで。当時、太平洋戦争最中のNHKのあり方なども学生時代に研究対象だったので、自分がNHKに入るからには皆さんが『これ、本当なの?』と言われたことに対して、『いろいろジレンマありまして』と。『完全に間違いじゃないんですけども、おっしゃる通りです。なので一緒にやりましょう』とフェアな放送にしたいなというのはすごく大事にしてきました。NHKは新人時代でも、フリーで喋らせてもらえることが本当に多くて。当時、NHKの選挙報道ってまさにガチガチの原稿で、Q&Aも固まってたのを、『フリーで話しませんか?』と。決められたQ&Aじゃなくて、先輩たちが取材して持っている情報を生放送でやる選挙特番をやりましょうよと提案をしたら、『いいね、それやってみよう』ということで、フリートークのNHKの選挙特番っていうのを通したりとかして。みんな慣習でこうしなきゃいけないもんだと思っているけど、意外に『やってみたら面白くないですか?』ってなったら、そういう気運が生まれるんですよ。そういうのを大事にしていたら、だんだん組織にいるのが窮屈になって、飛び出したという感じなんです」
宇賀「この20年間で、かなり世の中もメディアも変わってきたと思うんですけど、それについてはどう思われますか?」堀「テクノロジーの進化でメディアを届ける媒体は変化したけれども、困っている人がSOSを発信してそれに応えなきゃいけないとか、一方で届けた先は意外に移り気で、同じようなことを何回も何回も繰り返してしまうような大衆の弱点みたいなのも、そこは普遍的にあんまり変わっていないんです。ただ、メディアも経営が厳しくなってきていますから、取材者を派遣できないとか、夕刊を終わらせちゃいますとか、支局を閉鎖しますとか、肝心要の一次情報の供給がだんだんだんだん先細ってきているので。ここは踏ん張って、ひたすら現場、ひたすら当事者、ひたすら一次情報というのをみんなでやろうよ、というのは新しい仕組みをいろいろ導入しながら僕もトライを続けていますね」
小山「じゃあ今も比較的、取材現場には出られているんですか?」堀「そうですね。もう毎日のようにあちらこちらに行っています」
宇賀「取材をされる際に一番大切にしていることは何ですか?」
堀「当事者の声ですね。思い込みじゃなくて、結構自分のしたい取材、伝えたいメッセージをニュースにしてしまってませんか? という課題意識もあるんです。現場の人たちの目の前の声をちゃんと聞いていれば、そんな結論にはならないはずなのに、最初から『これを伝えたいから』とその現場に行って、正解を探すような取材をして。それがマスメディアに対してのいろんな方々の不信感みたいなものにも繋がっていただろうなと思うので、私が伝えたいことじゃなくて、あなたが伝えたいことを私たちの技術で一緒に伝えましょう。そういうメディアがあってもいいんじゃないかと。それで自分でメディアを立ち上げて運営を続けてきました」小山「さすが先輩ですね」
堀「いやいや(笑)」
小山「後輩、どうですか?」
宇賀「先輩です! 大変勉強になりますし、世の中がどんどん変わっていく中で、自分のあり方をどうしておくべきかというか。それは常に考えますね」
小山「堀さんとは熊本の地震のあとの復興、子どもたちへの復興をお手伝いいただいていまして。くまモン記者団というのを作りまして、その先生になっていただいて。子どもたちにどういう取材をしたらいいかとか、現場での振る舞いとか、いろんなことを教えていただいたんです。もう10年になりますよね」堀「最初は南阿蘇村で、橋が落ちてしまって非常に甚大な被害が出た地域でした。南阿蘇村に熊本各地から子どもたちが集まって、何を伝えようかなと僕も思ったんですけれども、『見えないものを見せる力っていうのみんなに授けるよ』と。『見えないけど大事なものってあるよね、見えないけどあるっていうもの、いろいろあるんじゃない?』と聞いたら、本当にたくさんすぐに返ってきて。愛情とか平和、自然とか。『確かに、自然はどこが自然か表現しづらいよね。じゃあスマートフォンでみんなが思う大好きな南阿蘇、大好きな地元を撮ってみようか』と、写真を撮ってみるワークショップをやるところから始めまして。大人の背丈では見えないような草木だったりとか、僕らが見落としてしまって、ついつい被害が大きいところに目が向きがちなところを、そこに大事に流れている水だったりとかを子どもたちが切り取ってくれて。大人たちがそれを見て、『これをやっぱり僕らは大事にしたいよね』『復興したいよね』と、子どもたちが逆に僕らに教えてくれるような。くまモン記者団はそういう体験がいいですよ」
小山「本当にありがたいんです。今もやっていただいているんです。最初の一期生の彼らと今もお付き合いはないですか?」
堀「直接会うことはないんですけれども、親御さんが『あの時に上の子が通ったから、下の子を通わせたい』と言ってもう一度入団してくれる子がいたりとか。そろそろ、社会でこうやって働いていると、『あの熊本記者団一期生です』『今、何やってるの?』『新聞記者です』とか、出てくる可能性がありますよね」小山「そういう子を一人でも生み出せたらいいなと思ってこの活動を続けてきたんです。でも、新聞記者にならなくても、堀潤さんに教わったことがきっと何かで役立ちますよね」
宇賀「この番組は『お手紙』をテーマにお送りしているのですが、堀さんは手紙が書きたくなるような場所はどこかありますか?」堀「やっぱり現場ですかね。目の前にあるものを見ながら書きたいというか。もう一回、今年訪ね直したいなと思っているのがアフリカのスーダンなんですよ。はじめてアフリカで取材した現場がスーダンだったのですが、ものすごく綺麗だったんですよ。抜けるような空と土の大地と人々のパワフルさと、まとっている衣装のカラフルさ。あれを見た時に、当時は写真でどんどん収めましたけど、そこから何か手紙を書いてくださいと言われたら、すごい勢いで書いただろうなと思うし。でも今は内戦で苦しんでいまして、そういったところに行くと書く目的が明確になるから」
小山「そういう時は誰に書くんですか?」堀「難しいですね。自分かもしれないですね。自分の気持ちをきちんと整理するために」
宇賀「今日は堀さんに、『今、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」
堀「笹森恵子さん。被爆者の方なんですけれども、一昨年お亡くなりになりまして。笹森さんに以前取材をした時に、本当に大事な言葉を教えていただいたので、直接気持ちを伝えられなかったんですけれども手紙にしてみました」
堀さんから笹森恵子さんへ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。(*5月3日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、堀さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 堀潤さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
堀潤さん、ありがとうございました!今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。
「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆「文風」をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
徳島中央郵便局のみなさん
今回のメッセージは、徳島県〈徳島中央郵便局〉忽那 政宗さんでした!
「ちょうど僕がポストの収集に行った時に、おそらく近くにある保育園の行事かなにかで園児の子たちが年賀状を書いて、それをポストに出しに来ていました。ちょうどポストに入れるタイミングだったので、僕が受け取ったのですが、そこでその園児の子たちからありがとうと言ってもらえて、年末で忙しかったのですが心が温まりました。園児から感謝されたことで自分たちは人に思いが伝わるものを配達しているんだという実感が湧き、きっちり届けようと改めて思うことができました。」
※出演した郵便局、及び郵便局員宛ての手紙はいただいてもお返事できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
MORE
この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛








