名字研究家の髙信幸男さんが登場
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- 2026/11/01
名字研究家 髙信幸男さんをお迎えして
今回はスタジオに、名字研究家の髙信幸男さんをお迎えしました。
髙信幸男さんは1956年茨城県大子町生まれ。16歳で名字の研究を始め、電話帳を手がかりに全国を訪ね、珍しい名字を持つ方に直接お話を聞いてきました。法務省で長年、戸籍事務に携わり、2017年に退官。『難読稀姓辞典』『名字歳時記』『激レア名字クイズ100』『日本全国歩いた!調べた!トク盛り「名字」丼』などの著書があります。小山「16歳で名字の研究を始めたきっかけは何だったんですか?」
髙信「私は生まれが茨城県の特に山間部なんですね。山間部はあまり人の出入りがないので、近隣は同じ名字なんですよ。中学校に360人いたんですけど、名字の数は30しかないんです」
小山「髙信でも、みんな『幸男』としか呼ばない感じですか?」
髙信「お互い名前で呼び合うところだったんですね。中学校時代まではそういう生活だったんです。高校に行った時に50人のクラスだったんですけど、今度は逆にその中に42の名字があるわけです。みんなバラバラ。その時はじめて『名字ってこんなにあるの?』と気づいたんです」小山「それまでは、みんな同じ名前なのは比較的当たり前だと思っていたんですか?」
髙信「当たり前だと思っていて、名字を言えばどの地域ってわかってしまうものだったんですね」
小山「今だったらインターネットですぐに何でもわかりますけど、その時はどうやって研究を始めるものなんですか?」
髙信「その時、たまたま地元の電話帳を見たんです。今はなかなか電話帳はないですけど、今日まで集めてきました」
小山「電話帳がベースなんですね」
宇賀「50年以上続けていらっしゃることになるわけですよね。名字ってこの50年で何か、変わらないものなんですか?」髙信「実は名字って、最初に戸籍に届けたのが明治のはじめなんですね。今の数と、明治の時はほとんど変わらないんです」
宇賀「逆になくなっていたりするものもあるのかなと思いました」
髙信「実際になくなるのもあります」
小山「絶滅危惧名字みたいなものがあるわけですか?」
髙信「あるんです。私が50年前くらいにはじめて電話帳で見た時は15件の名字があったんです。中数年前に見たら、今度は5件になくなっていたので、あわてて会いに行ったんです、鹿児島県まで。行ったところ、電話帳には5件あったにも関わらず、そこには89歳のおばあちゃん一人しかいないんですよ。どうしちゃったんだろうと聞いたところ、『あなたが見た5件は、私の主人の兄弟だ』と言われたんです。長男、次男、三男、四男は、その名字が嫌で裁判所の許可で変えちゃったらしいんですよ。だから五男だけはこの名字を継げということで、裁判所に許可を取らないで今まで残っているんです」小山「それは何という名字なんですか?」
髙信「鰻さん、という名字で」
宇賀「魚へんの鰻ですね」
髙信「五男だけは残してくれということで、今でも名乗っています」
小山「50年以上研究をされてきて、名字の何が髙信さんを虜にしているんですか?」髙信「日本の名字には必ず、名字の由来と歴史が含まれているというのが面白さですね。電話帳で、四月一日という名字があったんですね。なんと、渡辺さんのところに入っていたんです」
小山「“わ”で始まる……」
髙信「印刷ミスかな、と思って当時、電話をかけたら『はい、わたぬきです』と出たんです。どうしてこれが“わたぬき”になるんですか、と聞いたところ、昔の暦なので、旧暦で5月中旬頃になると。昔は現代のように洋服がないので、和服なんです。そうしますと、夏は薄い浴衣で冬はそれに綿を入れる。綿の出し入れをしていたんです。今の5月中旬になると暖かくなって、冬物の綿入れの半纏から、綿を抜くのでわたぬきなんです、と言われて。こんな歴史があるんだと驚いたんです」
小山「本の帯に書いてあるクイズが気になったんですけど、『47都道府県の中で2つだけ名字にない県があります。さて、何県でしょう?』」宇賀「東京はあります?」
小山「ないような気がする」
宇賀「名字が東京って聞いたことないですよね」
小山「京都さんも聞いたことがないですけどね」
髙信「名字のほとんどは地名から生まれているんです。と、なると……」
小山「わかった、沖縄!」髙信「はい、当たりです」
小山「もう一つは……愛媛?」
髙信「はい、そうです。明治の時に戸籍を作ったんですけど、その時に現在の愛媛県の愛媛と、沖縄という言葉はなかったんですね。言葉がなかったので、名字にはならなかったんです。先ほど東京のお話が出ましたよね。東京っていう地名、今あります?」
宇賀「地名はないですね」
髙信「ないですよね。実は東京さんはいるんです、日本に1件だけ。しかも大阪に住んでいる」
宇賀「えー! 面白すぎる!(笑)」
髙信「なぜ地名がないのに東京という名字が生まれたのかというと、この家の先祖は江戸時代までは名字が江戸だったんです。『江戸が東京に変わったから、うちも名字を江戸から東京に変える』と変えちゃったんです」
宇賀「さて、この番組は『お手紙』をテーマにお送りしていますが、髙信さんがこれまで受け取ったお手紙で、特に思い出深いものはありますか?」髙信「私のうちにはこれまで数百通というお手紙がありまして、今日はほんの一部を持ってきました。いろいろな思いがあります。すごいのがですね、私以上の研究者じゃないかと思うんですけど、高校生かな? 膨大な資料を集めていて、すごいんです」
小山「名字に関して調べたものですね」
髙信「これも当時、中学生でしたけど、中学校時代からずっとお手紙をくれていて。地元の新聞紙の珍しい名字を切り取って全部送ってくれて。そういう方がたくさんいるんですね。だから私の研究というのは、自分一人じゃなくて、多くの方の支えがあって、今ここにいるというのを感じています」宇賀「そんな髙信さんに、今日は『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」
髙信「私が最初に取材を受けた方です。この時、この方が私に取材をしてくれたので、実は現在の私があるんですね。でもその時以来、会ったことないんですよ。その思いを手紙にしました」
髙信さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
(*11月8日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、髙信さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 髙信幸男さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
髙信幸男さん、ありがとうございました!
今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
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坂出文京町郵便局のみなさん
今回のメッセージは、香川県〈坂出文京町郵便局〉西川 小寿恵さんでした!
「昔、私は自分の字にコンプレックスがありましたが、ある時年配のお客様にラベルを書くのを手伝ってほしいと言われました。その時は困ったと思い、『私字が汚いのですがそれでも構いませんか』と伺いました。するとそのお客様が『綺麗な字っていうのは相手が読める字やで、丁寧に書いた字が綺麗な字やけんな』と笑顔でおっしゃいました。私はその言葉のおかげで字を書くことへの抵抗感がなくなり、逆に今では手書きの良さを感じるようになりました。年賀はがきも手書きにこだわって作るようになり、簡単な近況報告を手書きで書いています。丁寧な字で手書きの手紙やはがきをいただくと相手の気持ちが伝わってくる気がしており、自分も同じように気持ちを込めて手紙やハガキを今後も書いていきたいと思います。」
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