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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
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女優の草笛光子さんが登場

  • ON AIR
  • 2021/10/03

女優の草笛光子さんをお迎えして

写真 今回はゲストに女優の草笛光子さんをお迎えしました。
宇賀「草笛さんは1933年10月22日生まれ、神奈川県のご出身です。1950年に松竹歌劇団に入団。松竹大船、東宝を経て、数多くの舞台や映画にご出演されています」

小山「今月、まさにお誕生日を迎えられて、88歳ですか?」

草笛「それはびっくりなさっているの? おかしがっているの?」

小山「いえいえ、お若いと思いまして! 今日は客船のTシャツで……」
写真 草笛「これはギリシャの船旅の思い出。生まれて初めて連れて行ってもらって、どこかで買ったんですよ」

小山「スニーカーもブルー系で揃えられて」

草笛「これはね、天海祐希さんがくださったの。この間、ニューイヤーコンサートでウィーンに行ったんですよ。街をずっと歩いていて、天海さんが履いていたのがいい色だったので、あの色欲しいなあと思っていたのをふいに言っちゃったんです。そうしたら次の日、買ってきてくださって」
写真 宇賀「10月30日に『老後の資金がありません!』という映画が公開されます。こちらの主演が天海祐希さん」

草笛「私の嫁の役ですね。だから嫁にとっては敵役です」

宇賀「以前、番組にも来ていただいた毒蝮三太夫さんも出ていらっしゃいますね」

草笛「この映画で、大きなスクリーンに私のアップの顔が出たら、もう女優はおしまいでしょうね。ひどい顔を出しちゃったんですよ。今まで松竹、東宝といろいろな映画をやってきましたけど、あの顔を出したことはなかったですね。だから私、もう人生あきらめているんです」

宇賀「パワフルな役だったんですね」

草笛「嫁が一生懸命働いているのに、私はいいようにみなさんにご馳走をしちゃったりね。そういうところ、私に似ているんですけどね」
写真 小山「では、素で演じられた感じですか?」

草笛「大きな声では言えませんけど、本当に似ているの(笑)。おごっちゃうのが大好きで。最近はありがたいことに、おごる場面があまりないんですけどね」

宇賀「映画では歌ったり踊ったりされているシーンもあるようですね」

草笛「生前葬をやろうと(台本に)書いてあったんです。『歌って』と言われたんですけど、もう歌は忘れた、忘れようとした方ですから。いっぱいミュージカルをやってきたのに今さら恥さらしで歌うことはないから、嫌だと言ったんです。でも天海さんが宝塚でしょう。私が松竹で、(監督が)持ってきた曲が越路(吹雪)さんが歌っていた歌なんです。歌わないと言ったんですけど、どうしてもやれって言うので」

小山「『歌わない』と言われると監督は困るでしょうね」

草笛「だって歌わなくたっていいでしょう。でもとうとう、歌わせられちゃって。恥ずかしいですけど」
写真 小山「監督が前田哲さんですよね。以前、東北で大学の仕事をしていた時に、彼は映画学科の教授だったんです」

草笛「ご存知ですか? ひどいですよね」

小山「(笑)ひどかったですか?」

草笛「だってあんなことを言って出演を頼みに来た方っていないですよ」

宇賀「何て言われたんですか?」

草笛「これはね、読んだらかき回すような役で、朗らかでしっちゃかめっちゃかでワガママなババアで。『どうやったらいいでしょう?』って聞いたら、『いえいえ、演じないでそのままで』『草笛さん、何もしなくてもおかしいですから』と言われて」

小山・宇賀「(笑)」
写真 写真 草笛「私、この歳までそんなことを言われて出演を頼まれたことはないんですよ。嫌だこの方、と思ったんですけど、そこまでおっしゃるということは、何かあるなと思ったんです。何がおかしいのか、私が自分のことを知るチャンスかもしれないし、何を感じていらっしゃるのか、私が監督を知りたくなったんです。じゃあ、やろうじゃない、と始めました。だからスルスルいっちゃいましたよ。別に喧嘩もしないし」

小山「今まで撮影の時に喧嘩をされたことはあったんですか?」

草笛「ないですよ。社長シリーズは喧嘩なんかするどころじゃありませんでしたから。森繁さん、のり平さん、おかしい方ばっかりで笑っちゃって。カメラマンがぶれちゃうんです。カメラマンのためにNGが多かったんです」

小山「今までたくさんの作品に出演されていますが、ご自身でいちばん好きな、これ良かった、という作品はありますか?」

草笛「舞台かな。目の前にお客様がいらっしゃって、そこで私は勝負が決まっちゃうんです。映像やフィルムに入るんじゃなくて、本当に地で、その場で勝負。これが怖くてたまらないですけども、やる甲斐はありますね」

小山「それでもやっぱり続けるのは、それ以上の幸福感が得られるからですか?」

草笛「幸福だったか、どうだったか。もうすぐさよならですけども、そういう風に考えると……どうなんでしょうね」

宇賀「でも、まだ知らない自分を探す、というのはすごいですね」

草笛「びっくりしましたね。だけどこれはね、すごいことがあったんですよ。ある場面で歯がぽこっと抜けちゃったの、喋っていて。くっつける糊を買ってきて! と言ったんだけど、監督が『そのままで映させてください!』と。大きな劇場のスクリーンで映されると思うと、一瞬目の前が真っ暗になりましたね。だけど、よし、やろうじゃない! と思って。私のひどいところを全部出した映画ですね」
写真 小山「映画の次にやってみたいお仕事はあるんですか? 次は舞台ですか?」

草笛「そう。この歳になって、めずらしいものをいただきましたね。不条理劇なんです。しかもちょっとしか出ないんです。男3人と、女は私1人。この歳になった女優が巡り会う役ってこれかな? と、ちょっとゾッとしましたね。これがスルッとできたら、私このままあの世にいっちゃうんじゃないかなと思って。演じているように見えないで演じていて、人に何気なく影響は与えちゃって、いてもいないような、『あれは神かな』と男たちに言われるセリフもあるんですよ。私はどうやって舞台にいればいいんだろう、と。こんなものにぶつかるのは88歳になって初めてですね。今まではセリフがたくさんあって、出るところもいっぱいあって、歌っちゃったり踊っちゃったりもたくさんありますけど、一切そういうものがなくて。何時間もやった最後に、とろとろと出てきて。この難しさ、失敗したら私のせいね」

小山「今のお話を聞いただけで気になりますね。まだタイトルは発表できないんですね」

草笛「イタリーの作品ですね。これは暗闇の中に突進していくみたいな勝負ですよね。かと言って、うまくやろうとか、こんな風にやろうとか、考えちゃいけないかな、でも考えなきゃいけないかなって」
写真 宇賀「プライベートでこれからやってみたいこととか、挑戦したいことってありますか?」

草笛「私ね、趣味がないんですよ。だからやっぱり、最後まで人の役に立っている女優でいたいですね。やっぱり人の役に立たないでいるのは嫌だ」

小山「欲しいものはあるんですか?」

草笛「やっぱり女として魅力が欲しい。それがないんです。女優としても女としても、きらきら魅力がほしいですよね。そういうのは一生懸命家に帰って磨いてできるものでもありませんから」

宇賀「十分きらきら輝いているように見えます」
写真 草笛さんには、「今手紙を書きたい人」に宛てたお手紙を書いていただきました。

宇賀「どなたに宛てたお手紙ですか?」

草笛「市川崑監督へ。作品にも随分たくさん出していただきました」
写真 市川さんに宛てたお手紙は草笛さんご本人に朗読していただきました。ぜひradikoでお聴きください(10月10日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、草笛さんへお手紙を書きたい、と思った方もいらっしゃると思います。ぜひ番組にお寄せください。ご本人にお渡しさせていただきます。【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST草笛光子さん 宛】にお願いします」

草笛光子さん、ありがとうございました!

#手紙にしよう

おうち時間が続く今日この頃、手紙をきっかけにちょっとしたお出かけをしませんか?
夜道の灯りにあたたかいメッセージを添えられる、月明かりバージョンと、街灯バージョンのポストカードをご用意しました。
ぜひ早朝の散歩や夕方のランニングなど秋の風を感じながら、ちょっと遠いポストまでのリフレッシュタイムをお楽しみください。

「&POST #手紙にしよう」

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、山口県〈由宇郵便局〉松本幸隆さんでした!

「お客さまと接することが多いので、挨拶や身だしなみに気をつけており、今は特に、コロナ禍でマスクを着けているため、マスクの上からでも笑顔が伝わるように意識しています。また、畑で作業をされているお客さまから、採れた野菜や果物などを「みなさんでどうぞ!」といただくことがあります。先日は、「ビワがたくさんなったので!」と持ってきていただきました。大変嬉しく思い、これからもお客さまとの繋がりを大切にし、コミュニケーションを取っていきたいと思います。」
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