海外旅行のバイブル!『地球の歩き方』ができるまで
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- 2025/02/02
『地球の歩き方』の前編集長 宮田崇さんをお迎えして
今回はスタジオに、『地球の歩き方』の前編集長の宮田崇さんをお迎えしました。
小山「『地球の歩き方』、なんかわくわくしますよね」宇賀「いくつか持ってきていただいていますけど、私のわくわくはこれです、『ロサンゼルス』! 20歳の時に、これを1冊握りしめて1ヶ月行ってきました」
小山「僕の人生初の海外旅行はニューヨークでしたけど、『地球の歩き方』、買いました。そもそも、創刊はいつ頃なんですか?」宮田「1979年の9月に創刊しまして。最初はアメリカとヨーロッパを周遊するような分厚い本が1冊ずつですね」
宇賀「宮田さんは何代目の編集長だったんですか?」
宮田「7代目です。2001年に入社をした時からずっと『地球の歩き方』をやっていたんですけど」小山「『地球の歩き方』がやりたくて入社したんですか?」
宮田「たまたま縁があって、『地球の歩き方』を作るという仕事があるということがわかって、本当にたまたまですね」
宇賀「創刊当初は2種類だったわけですが、今って何都市あるんですか?」
宮田「今は120アイテムありまして、160の国と地域です」
宇賀「私、この年末年始は南米に行っていたんです、ペルー、ボリビア。やっぱり『地球の歩き方』がいちばん詳しいし、歴史とか文化までちゃんと書いてあるからお勉強して行けるのが楽しんですよね」小山「ここを出そう、というのは編集会議で決めてきたんですか?」
宮田「結構分かりやすくてですね、『直行便が飛ぶぞ!』というニュースが入ると……。直行便は強いんですね。特に、海外の方は経由便でも全然気にならないというんですけど、日本人は直行便がすごく好きみたいで」
小山「『地球の歩き方』というネーミングが秀逸だと思うんですけど。誰がつけたんですか?」宮田「これが永遠の謎でして……6人くらいの方が『私が名付けた』って言うんです」
小山&宇賀「(笑)」
宮田「多分、皆で話した中でつけたと思いますけど、結構皆さん、『俺が俺が』『私が私が』で(笑)」小山「ヒット作にありがちな感じですね」
宇賀「売れているのはどこの国なんですか?」
宮田「これも毎年、直行便が増えたり減ったりトレンドはあるんですけど……どこの国だと思いますか?」
宇賀「やっぱり平均的に日本人が好きなのって……ハワイ?」
宮田「さすがです! ハワイは本当に強くてですね、弊社だけじゃなくてどのガイドブックもいちばん売れていると思います」小山「ハワイは1冊だけですか?」
宮田「『地球の歩き方』の場合、かなり細かく出していまして。オアフ島、ハワイ島、カウアイ島、マウイ島、それぞれ別に出していますね。考え方としては、オアフ島で儲けたお金でカウアイ島を出す、みたいな」小山「なるほど。逆に、まったく在庫が動かないところもあるんですか?」
宮田「ございます。理由はいくつかあるんですけど、治安が悪くなったりですとか、地政学的な問題で出せなくなるっていう部分もありますし。あとは単純に私が作った本ですと、パプアニューギニアを出したんです。あそこはすごくお祭りが面白くて。シンシンというお祭りがあるんですけど、それがすごくかっこよかったので『これは売れる』と。それで出したら、翌日から返品が来るくらい売れなくてですね」小山「売れそうな感じありますけどね」
宮田「それは20年前くらいに作ったんですけど、ちょっと作る時代が早すぎたのかなと」
小山「編集長って普通、1つの雑誌に1人じゃないですか。すべての雑誌を束ねるのが編集長なんですか?」宮田「まさにおっしゃる通りで、本それぞれにはプロデューサーという担当がいてですね、プロデューサーが本の方針を1冊1冊決めているんですね。ただ、全体の方針を出す時、たとえばコロナが明けそうだという時に、海外の物価がものすごく上がっている。じゃあ全体の方針で、10ドル以下で楽しめるスーパーマーケット、定食屋を必ず入れてください、と。そうすると、すべての本に同じテーマのものが実は載っているんです。そういう方針を決めたりですとか、あとはラインナップの中で、『ベトナムが盛り上がってきているから、ダナン・ホイアンだけで1冊作る準備をしてくれるか』とか、そういう全体のマーケットを見ながら方針を出していきます」
宇賀「ちなみに海外のイメージが強い『地球の歩き方』ですけれど、国内も出していらっしゃるんですよね」宮田「東京版から始まりまして、今は20アイテムくらい出しています」
宇賀「東京23区、大阪、横浜と……」
宮田「これ、実は1月30日発売なんです」
小山「出たばっかりですね。東京23区もはじめて出たんですか?」
宮田「それが、最初のタイトルは『東京』だったんですけど、読者の方から『東京なのに多摩地域のページが少ない』とクレームをいただきまして。じゃあ東京を三部作にしようということで、多摩地域版と、東京の島々と、東京23区」宇賀「大阪はやはり万博に合わせて?」
宮田「あまり大きな声では言えないんですけど、便乗しました」小山「これを持って旅人の気分で東京を巡ると面白そうですね」
宇賀「実は東京で生まれ育っていても、行ったことのない場所っていっぱいあるので。面白いですよね、旅行気分で回ったら」
宮田「私の友達も、子どもと一緒にバックパックを背負って東京を歩いてみたという人もいました」
小山「横浜は、Amazonランキング1位と書いてありますね」宮田「横浜市民の皆さん、377万人のお力でですね、本が出る前に予約だけでAmazonランキングで上位になりまして」
小山「これは誰が作ったんですか?」
宮田「わがままで申し訳ないんですけど、私が担当させていただきました」小山「編集長が自ら、ここは俺がやるっていうことがあるんですか?」
宮田「まれですね。この本しかないです」
小山「それは横浜に愛があるから?」
宮田「横浜生まれ横浜育ちなので。国内シリーズが始まった時に、そろそろ私も編集長を退かないといけないタイミングだけど、早め早めに横浜市版を作れないかなとずっと思っていたので」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきてくださっているんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」宮田「私の先代の編集長の鈴木達也さんです。私の前は3人同時に編集長がいたんです。そのうちの私の直属の第3編集部の編集長です」
宮田さんから、鈴木達也さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(2月9日まで聴取可能)。宇賀「今日の放送を聞いて、宮田さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 宮田崇さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
宮田崇さん、ありがとうございました!
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、石川県〈粟崎郵便局〉松田雅之さんでした!「以前、大雨の日に配達をしていた時、お年寄りの方に『雨の中、ご苦労様』と声かけていただき、やりがいを感じました。
自分が小学生の頃、祖母となかなか会えない分、手紙でやり取りしていましたが、祖母から『体に気をつけて』とか、『元気にしとるか』という手紙が届くと、心に響くものがありました。祖母が心配してくれていると分かるので、すぐに返事を書いて、『自分は元気だよ。』と伝えていました。メールよりも手紙の方が心に響くと思うので、想いを伝えたい方には、積極的に手紙を出していただきたいと思っています。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
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〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
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