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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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日本一の魚屋さん「根津松本」の松本秀樹さんが登場!

  • ON AIR
  • 2025/05/04

「根津松本」松本秀樹さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、“日本一の魚屋さん”と呼び声高い「根津松本」の松本秀樹さんをお迎えしました。
写真 小山「今日は海苔弁を持ってきていただきました! まずは名刺代わりの海苔弁をいただく方がいいんじゃないですか?」

宇賀「いきなりいいんですか?」

松本「どうぞどうぞ」

小山「これ、本当に世界一の海苔弁だと思うんですよ」

宇賀「薫堂さんはよく召し上がっているんですか?」

小山「大好きです」

お弁当を開けた薫堂さんと宇賀さんは……。
写真 写真 宇賀「美しい! きれい!」

小山「これ、完璧なバランスじゃないですか? ちくわの磯辺揚げがあって、鮭の塩焼きがあって、いかにも甘そうな卵焼きが2つ。銀鱈の唐揚げ。そしておじゃこが」

宇賀「ぎっしりと詰まっていますね、海苔が見えないくらい」
写真 小山「(食べて)なんか凛としていますよね、海苔弁が。海苔弁が海苔弁として誇りを持っている」

宇賀「シナシナになっている部分が一つもないですよね。いつからこの海苔弁はあるんですか?」
写真 写真 松本「ちょっと変な話なんですけど、どこかのお店で海苔弁の行列ができていたんですよ。僕も並んで食べたんですけど、僕の口には合わなかったんです。そして冗談まじりで作ったのが始まりなんです」

宇賀「すごい!」

小山「じゃあ最初は、限定品みたいな感じで?」

松本「売るつもりもなく、ふざけて作ったんですよ。それがあれよあれよという間に」
写真 小山「そもそも、魚屋さんは松本さんのお父さんが始めたんですか?」

松本「魚屋さんは、じいさんの代からあって。北海道の網走の方でやっていて、それをうちの父親が手伝っていたんだけど、父親が独立して旭川でやっていて。僕はまったく関係なく東京で始めたんです。全員魚屋なんだけど、全員別々」

小山「なぜ、根津だったんですか?」

松本「それも偶然で。うちの家内が車で通っている時に『この道には龍が通っている』と言い出したんです。ということで、そこに開くことになったんです」

小山「別に、根津と何か関係があったわけでもなく?」

松本「まったくです。たまたまです」

宇賀「子どもの頃からいつか魚屋さんになろうとは思っていたんですか?」

松本「全然思っていなかったです。選択肢にはなかったです」
写真 写真 小山「おいくつの時ですか、根津松本をつくられたのは」

松本「お店をつくったのは35くらいでしょうか。その前も、結局は働くところが魚屋だったんです。独立しようとも思っていなかったんですけど」

小山「最初につくろうと思った時に、他とは違うこだわったところはあるんですか?」
写真 松本「すべて自分の手を通過したものを売りたいと思ったんですよ。たとえば市場に行けば、干物でも山椒ちりめんにしても売っているんです。でもそういうのが嫌で、全部自分の責任のもとでやりたかったんです。そういうお店を作りたくて」

小山「目利きを全部自分でして仕入れてくる?」

松本「それはもちろんですね」

小山「いろんな魚屋さんがありますけど、目利きで仕入れる価値を作るってどういうことなんですか?」
写真 松本「目利きというのは感覚の違いだと思うんですよ。僕がいいと思っている魚が、隣の魚屋さんがいいと思っているとは限らないというのはもちろんあるんですけど。ピンの魚はまず見せてもらえないんですよ、市場の中でも。だいたい決まった人が買うことになっているので。その中にどうやって入っていけるか。魚屋の商売の中では、その中に入るのは非常に難しいです」

小山「お鮨屋さんとか日本料理屋さんとか、いわゆる高く買ってくれるところが」

松本「そうですね。一般小売がそれを売るのは難しいと思うんです。たとえば金目鯛がスーパーで一切れ500円で売っているとして、僕は、500円で売っているものの5倍くらいの値段で仕入れていると思うんです。だからスーパーだと5倍くらいで売らなきゃだめになっちゃう。僕は4,500円とかで売るので、一切れ」

小山「えっ、一切れをですか」

松本「たとえばですけど。そういうふうに値段がついちゃうんです」

小山「そういうものを仕入れるので、ピンの世界の在庫を見に行けるポジションを得られる?」

松本「得られるというか、そういう中に食い込んだ感じですね」
写真 小山「ど真ん中の麻布とか銀座だったら売れそうな気がするんですけど、根津でそんなに高い魚を売る自信は、最初からあったんですか?」

松本「売れなかったです。僕はどこでもいいと思っていたんです、場所は。良ければ売れるだろうと信じていたんですけど、やっぱり現実はそんなに甘くなくて、売れなくて。そこで品物を落としちゃうと、自分のアイデンティティとして成立しないので、それでもずっと我慢して。借金して、ずーっとやっていたら何とかなってきた」

宇賀「最初はどういう方達が来てくれたんですか?」

松本「最初は近所の方です」

小山「風向きが変わるな、という瞬間はあったんですか?」
写真 松本「まだ変わっていないような気がします。まだ苦労しています。普通じゃないんで、やっぱりいろんなものが。一般の人たちがそんなにそんなに毎日食べるような値段でもないですし。日々苦労していますけど、いちばん変わったのはNHKのやつかなと」

小山「『プロフェッショナル』ですね。あれに出て、仕事とは? というものには何と答えられたんですか?」

松本「何て言ったんでしょう、覚えていないですね(笑)」

小山「じゃあ今改めて、仕事とは? と問われれば何と答えますか?」

松本「本当に愚直にやるしかないと思っているので。ただいい魚を仕入れて、はいどうぞ、というのでは売れない時代なのはもう間違いないので。どこまで僕が磨き上げることができるか、ということが僕の腕にかかっているのかなと思います。手を抜かないことですね、やっぱり」
写真 宇賀「これまでお店を営んでこられた中で、いちばん嬉しかったことはなんですか?」

松本「いちばん嬉しかったというよりも、日々お客さんが『この前のおいしかったよ』と言ってくれるだけで十分です。あとはお客さんが店に入って来てくれて『きれい』だとか『魚くさくない』だとかそう言ってくれるのが嬉しいです。そのためにやっているので」

小山「毎日、お掃除は相当入念にされているんですか?」
写真 松本「そうですね、掃除は大好きですね。魚屋は魚の匂いがしちゃだめだと思っているので、僕は。狭い中でいっぱい魚をさばくんですけど、掃除は1日に何回もします」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、今日は松本さんに『いま、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」

松本「もう一人の僕に書きました。自他ともに認める二重人格者で」

小山「どんな自分とどんな自分がいるんですか?」

松本「すごく真面目な自分と、だらしない自分と」

小山「今日は真面目な方ですよね?」

松本「今は真面目な方です」

小山「じゃあだらしない自分への手紙っていうことですか?」

松本「だらしない自分を叱咤している真面目な自分でしょうか」
写真 松本さんから、もう一人の自分に宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(5月11日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、松本さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 松本秀樹さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

松本秀樹さん、ありがとうございました!
写真 写真

ポストカーが東京蚤の市におじゃまします!

ポストカー「東京蚤の市 2025 SPRING」に登場します! 今回の東京蚤の市の開催は5月16日(金曜日)から18日(日曜日)まで。会場は東京立川市にある昭和記念公園です。
始まりは朝9時30分からで、手紙社が選び抜いた素敵なお店が200組以上も出店します。今回初開催となる、全国のパン、ピザ、ドーナツ、サンドイッチにクレープが勢揃いする「こむぎフェス」にも注目です。
ポストカーでは会場限定のポストカードで、お手紙を書くことができます。ポストカーのお手紙は無料でお楽しみいただけますが、蚤の市には入場チケットが必要です。
詳しくは東京蚤の市の公式サイトをご覧ください。

東京蚤の市 公式サイト

皆さんからのお手紙、お待ちしています

毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、千葉県〈富来田郵便局〉緒志大介さんでした!

「ご来局いただいたお客さまの顔は必ず覚え、時には友人のように、時には家族のように接することを心がけています。約十年前に勤めていた郵便局の社員から「お客さまに『緒志君はどこにいるの?』と尋ねられました」と聞き、嬉しかったです。お客さまに対して孫や息子のような関係性で接することができていたからだと思います。より多くのお客さまから、身近な友人や家族のように感じていただけたらと思ってます。」
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