父・小澤征爾さんに宛てたお手紙 作家の小澤征良さんが登場!
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- 2025/06/29
作家の小澤征良さんをお迎えして


小山「一度だけパリに向かう飛行機の中で席が前後だったんですよ。『あ、小澤征爾さんだ!』と思って、すごくドキドキしながらちょうど映画の『おくりびと』が機内で上映され始めた時だったんですね。『すみません、今日搭載されている映画の『おくりびと』、僕が脚本を書いたので、よかったらご覧になってください』という話をさせていただきました」
宇賀「観てくださったんですかね?」
小山「いや、ご覧になっていないかもしれないです」
宇賀「征良さんは今のお話ご存じでした?」
小澤「飛行機の中でかどうかはわからないんですけど、『おくりびと』は観ています」
小山「本当ですか!」
小澤「『すごくいい映画』って言っていて」
小山「そうですか、うわあ、ありがとうございます。今日、この話をしてよかった。ありがとうございます」

小山「世界的な音楽家を父に持つってどんな気分なんですか?」

小山「普通だったら音楽の道に進めとかおっしゃるんじゃないですか?」
小澤「それはなかったです。音楽はすごい大変だから、やりたければやるといい。だけれども、『やれ』と言われたことは一度もないですね」
宇賀「お家ではどういうお父様だったんですか?」
小澤「親父ギャグ連発の……」
小山「えっ、親父ギャグ?」
小澤「しょっちゅう連発している」
小山「どんなギャグを?」
小澤「ちょっと今聞かれても思い出せないですけど(笑)、とにかくくだらないことをしょっちゅう言って、とにかく人を笑わせるのが大好きで。音楽家だ、指揮者だ、とかそういうのは全然ない人です」
小山「幼い頃から年を重ねてきた時に、どこかでお父様の印象が変わったりはしなかったんですか?」

小山「そうなんですか。頑固は頑固っぽい感じは」
小澤「音楽もずっとやりたいし、だけど身体がついていかないことってあるじゃないですか。手術したりとか。水飲んで、とか、食べて、寝て、休んで、とか結構喧嘩しましたね。それまではそういうことなかったですけど」

小澤「齋藤秀雄先生という先生がいらっしゃって、彼から指揮を最初に習って海外に出て。齋藤先生が亡くなられた10年後に、教え子たちがてんでんばらばら、世界中でソリストとして活躍している人とか、いろんな方が集まって齋藤先生のためにオーケストラを作ってやったのが始まりなんですね。今から41年前なんですけど」
小山「オザワキネンオーケストラはないんですか?」
小澤「オザワキネンではないですけど、父がベルリンフィルとかウィーンフィルとも50年来の付き合いがあるので、ベルリンフィルとかウィーンフィルのプレイヤーたちが来て、齋藤先生のことは直接知らなくても入ってやっているのが今のサイトウ・キネン・オーケストラなんですね。いろんな国の方たちが入って、日本人で海外で活躍されている方が集まってやっているので、今は結構父のことが好きで入った仲間たちもいるので、サイトウ・キネン・オーケストラですけど父への思いみたいなものが本当に家族みたいにすごく信頼関係と絆が強いです」
小山「ということは、本当に世界トップクラスの人たちが集まっているドリームチームみたいなものですね」
小澤「そうです、オーケストラのドリームチームみたいな。1年に1回しか今のところ集まらない、七夕オーケストラというか。だけど一緒に集まって、オケのリハの初日にポンと音を出すとすごい音が出る。本当にすごいオーケストラです。不思議なんですよ。仕事で集まっているって感じじゃないんです。仕事以上のものというか、絆が強いです」
宇賀「セイジ・オザワ 松本フェスティバルは、今年も8月11日から9月9日まで松本市で開催されるんですね」


小澤「大変です。大変だけど、松本の街の方たちもフェスティバルに対してすごく大事に思ってくれていますし、ウェルカムしてくれてますし。フェスティバルが始まって松本に着くと、特別な空気感があって。それをメンバーもみんな感じるので、ウィーンフィルから来ているメンバーもヨーロッパやアメリカ各地から来ている方たちも、自分の家族を連れて毎年来ていたりすると、小さな子どもだった子が大人になっていたりするわけですよね。第二の故郷みたいに皆さん思っているので、とっても特別な場所ですね。空気感からして違う」
小山「なんか嬉しいですね、そういう形で日本を故郷に想ってもらえるのは」
小澤「本当に奇跡的なことだと思います」


小澤「私からはAirplane Letterと呼んでいたお手紙だったり、メールだった時もありますけど、あとはカセットテープに吹き込んだりとか。私ははがきをもらうのがすごく好きなので、父もそれを知っていていろんなところに行った時に、本当に一言なんですけど、へのへのもへじの顔が書いてあったりとか。征良殿、とか書いてあったりとか。今でもどこかに持っていますね」
宇賀「今日は『今、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただいたんですよね」
小澤「父に書いたんですけど、人の前で手紙を読んだことがないので、すっごい緊張しています」

宇賀「今日の放送を聞いて、征良さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 小澤征良さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
セイジ・オザワ 松本フェスティバル

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皆さんからのお手紙、お待ちしています

引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

吉富郵便局のみなさん
今回のメッセージは、京都府〈吉富郵便局〉小宮 憲次さんでした!
「高校生の頃にボランティア活動でフィリピンに行きました。当時、私は佐賀に住んでいたのですが、フィリピンへ一緒に行った仲間は、京都や熊本など、全国いろんな地域から来ていました。日本に帰国して、メンバーが解散する時に、お互いの住所を交換して、その後も『高校でこんなことが起きた』とか、たわいもないやり取りを手紙でしていたのが、すごくいい思い出です。私がたまたま京都に行った時に、手紙でやり取りをしていた京都出身の仲間と会うこともありました。手紙を通して、人と人との心の繋がりを感じることができた経験です。」
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