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『手紙から始まる物語。』
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もうすぐ「山の日」! 登山家の渡邊直子さんが登場

  • ON AIR
  • 2025/08/10

登山家の渡邊直子さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、日本人女性で初めて8000m峰14座を制覇された渡邊直子さんをお迎えしました。
写真 宇賀「渡邊さんは福岡県生まれ。幼少期より登山に親しみ、社会人になったあとも、看護師として働きながら世界の山々に挑戦。2006年のチョ・オユー登頂から本格的に8000m峰への挑戦を開始。エベレストやK2を含む世界の高峰を次々と制覇し、2024年10月、シシャパンマ登頂により、日本人女性として初めて8000m峰 14座すべての登頂に成功されています。現在は看護師を続けながら、講演や、初心者と一緒に行くヒマラヤトレッキングにも力を入れていらっしゃいます」

小山「すごい、渡邊さんは今おいくつなんですか?」

渡邊「43です」

小山「始めたのはいつ頃だったんですか?」

渡邊「気がついたらやっていた感じなので、3歳かな?」

宇賀「それは親御さんの影響とか?」
写真 渡邊「母が看護師で、母が勤めていた障害児の養育施設の園長先生がすごく素晴らしい方で。夏になったら森で遊ばせるようなキャンプを開催していて、それに3歳からずっと1人で行かされていて。その中に山登りもガンガンあったりしたという」

小山「8000mを登るには、素人のイメージだといろんなスタッフを連れて行かないといけないとかシェルパの人も連れて行かないといけないとか、お金がかかるイメージがあるんですけど、それはどうしたんですか?」

渡邊「全部自分で集めています。バイトをしたり。今は1人の登山者に1人のシェルパ、ガイドがつくのが当たり前なんですけど、1座目の時は4人のメンバーに1人のシェルパというのもあるし、装備とか食料を全部日本から持って行ったりして、すごく安く行けたという。バイト内で行けたんです」
写真 宇賀「そこまで登山に魅了されるのはなぜですか?」

渡邊「山に登ること自体が楽しいわけじゃなくて、1個行くのに何ヶ月もかかるから、もう生活じゃないですか。はじめましての人達と家族のように生活をする。その中でいろんなハプニングが起こったり、生死に関わるような場面もいっぱいあって。それが刺激になって勉強になったり、シェルパたちと一緒に楽しく過ごして素直な自分に戻れたりとか。そっちの方が楽しくて行っている感覚なので。それも全部含めて、登山という感じ」
写真 小山「きつくてもう嫌だ! と思ったことはないんですか?」

渡邊「恐怖の場面はもう恐怖なんですけど、終わったら『面白い体験できたわー』って」

宇賀「8000mレベルってもう全然違うんですか?」

渡邊「私の中では一緒かな。標高が高いところに行きたい、じゃないですね。より長く行けるからです。6000m峰が3ヶ月くらいあってくれたらそっちに行くし。8000m峰の方がより長く生活できるから行く、って感じで」

小山「どれくらいの日数を大体行くんですか?」
写真 渡邊「1座だけ登ろうとしたら2ヶ月くらいかかるけど、最近はそのシーズン、2ヶ月の間に5座、6座とか登頂した方が効率がいいみたいな流れもあったりして。そしたらもう1週間で遠征が終わったりとかも。高度順応がいらないので」

小山「高度順応に時間がかかるんですね」

宇賀「8000mって想像つかないですね」
写真 小山「つかないですね。でも我々が見たこともない風景が、たとえば夜に星が綺麗だとか、朝焼けが綺麗とか、鳥肌が立つような光景は何度もご覧になっているんですか?」

渡邊「ありますね。それがクライマーズ・ハイみたいな感じになって、きついのを忘れてどこまででも行ける瞬間があります」

宇賀「それぞれの山ごとに全然違うんですか?」

渡邊「違いますね。来る人も変わるし、エピソードも変わるから、同じ山に行っている感じがしない。何回も同じ山に行っているんですけど」

小山「数ヶ月間一緒にいた仲間達と別れる時は、涙、涙の別れになるんですか?」

渡邊「ないですね(笑)」

小山「あ、そうですか(笑)」
写真 渡邊「私、シェルパ族のコミュニティにずっといるんですよ。登山家達の方にはいなくて。結構あっさりしているんですよね。死生観もちょっと変わっている。死んだことが悪いことじゃない、みたいな感じ。覚悟して来ているし、私も看護師なので亡くなるような場面にいっぱい立ち会ってきたというのもあってちょっと慣れもあるんですけど。切り替え、それが運命、みたいな感じ」
写真 宇賀「14座すべて山頂まで登ったことがある方って世界で何人くらいいるんですか?」

渡邊「数えたんですけど、80人くらいだと思います。女性は20弱くらい」

宇賀「その中の1人なんですね!」

渡邊「いや、もう誰でもできる……」

宇賀「できないですよ」

渡邊「そういう時代なんです。日本が知らない、情報が来ていないだけで」
写真 小山「渡邊さんは登山に関する特別なトレーニングを受けたわけではないんですか?」

渡邊「ないです。日本のロープワークと向こうのロープワークは全然違う。登り方も。現地で『わからない』とか言ったら通りすがりのおじさんの登山家とかが『もっとロープを短くした方が登りやすいよ』とか、シェルパとかに登り方を教えてもらって、やるっていう感じで」

小山「ロープというのは、イメージでは崖にくさびを打って上に登っていくみたいな?」

渡邊「私たちはしなくて。シェルパ達にいちばん最初にロープを張りに行く人達がいるので、その後ろを行くという」

小山「ただ歩いていくだけの登山じゃないわけですもんね」

渡邊「歩いていくだけの方が好きなんですけど(笑)。崖とかが来たら『うわ、登らなきゃ行けないのか』って」

小山「今まで山の中で食べていちばんおいしかったものは何ですか?」
写真 渡邊「最近のブームはオイルサーディンです。缶詰で。ロシア人の登山家の友達にもらって、『何これおいしい!』と思って、似た味をずっと探したんですよ、東京中。見つかったのでそれをずっと持っていって、それを楽しみに登っている感じです」

小山「山から下りたらこれを食べに行こう! と妄想はするんですか?」

渡邊「日本米のおいしい米とか生魚、刺身、寿司とかです」

小山「やっぱり恋しくなりますか?」

渡邊「そうですね、帰ったらすぐに食べますね。カトマンズで、爆食いです(笑)」
写真 宇賀「この番組はお手紙をテーマにお送りしているのですが、登山家として世界各地を回られていると思いますけれども、手紙を書きたくなる場所はありますか?」

渡邊「やっぱりヒマラヤから書きたくなりますかね」

宇賀「そんな渡邊さんに、今日は『今、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」

渡邊「人生に疲れた方々へ。大きいテーマになりました」

渡邊さんから、人生に疲れた方々へ宛てたお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください。
*8月17日まで聴取可能
写真 宇賀「今日の放送を聞いて、渡邊さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 渡邊直子さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

宇賀「今後の登山の予定は決まっているんですか?」

渡邊「8月の末から8000m峰にまた初心者を頂上まで連れて行きます。トレッキングの人もいます」
写真 渡邊直子さん、ありがとうございました!

渡邊さんは8月23日(土)に、渋谷で「世界女性最多〈K2〉3度 登頂報告会」を開催されます。詳しくは渡邊さんのインスタグラムをご覧ください。

渡邊直子さんインスタグラム

今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。

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皆さんからのお手紙、お待ちしています

写真 毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆「文風」をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
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今週の後クレ

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国立郵便局のみなさん


今回のメッセージは、東京都〈国立郵便局〉松本 陽一さんでした!

「書留の配達に伺った際、お客様が出てこられて、そのときに一緒に小さなお子さんも出てきたのですが、なんとその子からお手紙をいただいたことがありました。帰ってから開けてみると、子どもの字で『いつもありがとう』という一言が書かれていて、すごく嬉しかったのを覚えています。その手紙を通して、心のこもった手紙を受け取るということが、こんなにも嬉しいことなのだなと実感しました。手書きの文字には、やっぱりすごく“味”を感じます。今回いただいたのはお子さんからのお手紙でしたが、一生懸命に書かれた文字を見て“頑張って書いた”ということが伝わってきて、とても素敵なことだなと思いました。」

※出演した郵便局、及び郵便局員宛ての手紙はいただいてもお返事できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
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