22.06.15
イーロン・マスク氏、従業員に出社命令

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
情報社会学がご専門の学習院大学 非常勤講師、塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『イーロン・マスク氏、従業員に出社命令』
吉田:アメリカの電気自動車大手『テスラ』のCEO、イーロン・マスク氏が従業員に対し、“リモートワークを認めない”考えを示しました。従業員向けの5月31日付のメールで、週40時間の出社を求めたうえで「もし姿を見せなければ、あなたが辞職したとみなす」と述べたということです。また、このメールには「テスラは、地球上のどの企業よりもエキサイティングで意義深い製品を生み出してきたし、これからもそうだろう。これは、電話では実現しない」とも書かれていまして、リモートワークを否定しています。
塚越さんは、イーロン・マスク氏のこのメール、どのように受け止めましたか?
塚越さん:もしかしたら、社内ではもっと丁寧な説明があるかもしれませんが、もうちょっときちんと説明すればよかったのになというのが第一印象です。その上でですね、マスクさんの考えは非常に特殊な事例で、アメリカでも通常では許容されていないんですね。というのは、アメリカは、国土が広いとか、いろんな理由がありまして、コロナ前からリモートワークが非常に進んでいる国なんですね。特にIT業界は優秀な人材の獲得競争になっていまして、「リモートOKですよ」というのが企業にとってのアピールにもなっているので、『GAFA』といわれる大きいところでは、通常、リモートを認めているところが多いんですね。
ユージ:これはもう、“そもそも”の話ですよね。そもそも認められていたというね。
塚越さん:そうですね。
吉田:イーロン・マスク氏の「リモートワークでは、エキサイティングで意義深い製品は生まれない」という発言も印象的なんですが、こちらについて、塚越さんはどのような印象を持たれましたか?
塚越さん:一方でマスクさんの言いたいこと、確かに分かる部分もあるんですね。例えば、IT企業が多いシリコンバレーではですね、社内で出会った際に社員同士の雑談したりとか、あるいは、街のカフェとかで、いろんな人が出会って話をする、そこでひらめき、いろんなモノが生まれる。ということで、対面の価値が重視されていますね。実際、オンライン会議だと雑談がないというのはよく聞く話だと思います。したがって、近年、日本でも『シェアオフィス』なんていうように、フリーランスの人でも、わざわざ人が集まる場所に出向いて、雑談したりしながらアイデアなどを練っているケースもあるんですね。なので、対面の価値はあるんですけれども、ただ、それにしても、社員全体ではなくて、ある時期のある業務に携わる人は対面、他のところはオンラインでとか、細かな設定はできるように思われるので、マスクさんもそうすればよかったのになとは思いますね。
吉田:日本のリモートワークの実施率に目を向けると、東京都が4月に実施した調査では、東京都内の企業のテレワーク実施率は52.1%でした。3月の調査に比べて10.4ポイント減少しているんですね。日本のリモートワークの現状については、どのようにご覧になっていますか?
塚越さん:いろいろな計算方法や統計データがあるんですね、他の調査ではもうちょっと実施率の低い数値のところもあるにはあるんですけれども、概ねですね、緊急事態宣言が終わったりとか、社員数が少ない企業になればなるほどリモートワーク率が下がる傾向にあるということなんですね。最近、またちょっとリモート率が上がったという統計もありますが、電車に乗ってもかなり人が増えている、戻ってきているなというのがみなさんの思うところだと思うので、なし崩し的に対面に戻っちゃうというのは、どうなのかな?というところもありますね。
ユージ:日本で、『リモートワーク』、もしくは、リモートワークと出社を組み合わせた『ハイブリッド勤務』を定着させるのは、難しいのでしょうか?
塚越さん:実際にリモートで機械を動かして、設備の保守点検を行う技術も一部ではあったりするので、将来的には、対面じゃなくていろんな仕事がリモートでできる可能性はありますが、今のところは、難しいですよね。特にエッセンシャルワークと言われている仕事は難しいところはありますよね。重要なのは、“その仕事がリモートで大丈夫なのか?対面じゃないといけないのか?”というのを経営陣が見極める必要があるということだと思いますね。なので、マスクさんは極端ではありますが、1つの考えを持っていたということになります。日本の場合は、どうしても、職場というのは、対面重視の傾向があるんですよね。なんですけれども、その傾向にとらわれずにいろいろ考えてみて、リモートでもOKなところはOKにする。こういったことをアピールしていくと、同じ業種でも、求人で入社希望者に偏りが出てくる、リモートOKのところに人が集まるという傾向も出てくるかもしれませんよね。逆に、対面が必要だという場合にはですね、懇切丁寧にですね、論理的に説明して、納得して入社していただいて、対面を重視する。となるとですね、長期間働いてくれることにもなるだろうと思いますので、いずれにしても、コロナに関係なく、その仕事は、“リモートでいいのか?対面がいいのか?”ということを、ちゃんと説明したり、アピールしていくことが、これからは求められていくんじゃないかなと思いますね。
ユージ:そういう意味では、今回のイーロン・マスク氏の発言というのは、発言の仕方というか、モノの伝え方に少し問題があったのかも知れないんですけど、僕個人的には、やっぱり、対面で仕事をしたいタイプなので、僕は、イーロン・マスク氏の言っていることは理解できたんですよね。
塚越さん:そうですよね。そういう方もいらっしゃると思うし、オンラインでいいという方もいると思うので、場所を考えていくというのが重要になりますよね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ワンモ #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2022
今朝は「イーロン・マスク氏、従業員に出社命令」でした。
アメリカ・テスラ社のCEOイーロン・マスク氏が従業員に対して、リモートワークを認めない考えを示しました。現在、アメリカの長者番付1位の社長がこういう発言をする影響は大きいと思います。
#ワンモ #ユジコメ ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2022
そして、このリモートワークを認める・認めないという話、僕の意見としては仕事上、あまり得意としていないため、対面でアイデアが生まれる方が有益だと思います。
#ワンモ #ユジコメ ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2022
たとえば、僕はアパレルの会社を運営していますが、やりたいことの意思確認はリモートでも上手くいきました。ただ、実物を目の前にしての打ち合わせにはリモートは向いていませんでした。これはやる気がグッと落ちてしまいました。
#ワンモ #ユジコメ ④
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 15, 2022
業種によって向き不向きあると思うので、リモートワークの使い分け=ハイブリッド型になっていくのが良いと思います。