22.06.07
岸田総理の「新しい資本主義」

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!
『岸田総理の「新しい資本主義」』
吉田:岸田内閣の看板政策『新しい資本主義』の実行計画の工程表が、今日、閣議決定される予定です。『新しい資本主義』は、去年秋の自民党総裁選で岸田総理が打ち出したもので、5月31日に発表された『新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)』という資料では、『人への投資』、『科学技術・イノベーションへの投資』、『スタートアップへの投資』、『グリーントランスフォーメーション・デジタルトランスフォーメーションへの投資』という4本柱への投資を重点化すると書かれています。
神庭さん、重点化するものが具体的に出てきましたね。
神庭さん:自民党総裁選の時には、『成長と分配の好循環』、『新自由主義的な政策の転換』というのを岸田総理は訴えて、『新しい資本主義』を掲げてきたんですけど、今回、その中身がですね、ボヤッとしていたものに、ようやく輪郭線が与えられて、朧げながらも全貌が見えてきたというところかなと思います。
ユージ:この中で神庭さんが注目したポイントってどこかありますか?
神庭さん:そうですね、、この4本柱の中では、『人への投資』の中に盛り込まれた『男女間の賃金差異の開示義務化』はすごくいいと思いました。これは、従業員301人以上の事業主に対して、男女の賃金の格差について公開を義務付けるもので、さらに、正規・非正規に分けて割合を出させるという内容なんですね。日本は男女間の賃金格差が大きくて、女性のパートタイム比率が高いんです。男性の賃金を100とした時に、女性は77.5。OECD平均は88.4ですから、国際的にもかなり低く、開示義務をつくるとですね、こういう実情を変える大きなプレッシャーになるんじゃないかなと思いますね。
ユージ:確かに!他には、『時給アップ』の話もニュースになっていましたよね?
神庭さん:そうなんです。2025年度までに最低賃金の平均を時給1000円以上に引き上げることを盛り込む方針だと報じられています。2021年度の最低賃金の全国平均は930円なんですね。1000円を超えているのは東京と神奈川だけです。ここのところインフレが加速していますけれども、賃金の上昇は全然追いついていないということなので、『分厚い中間層』の復活を目指すうえでは、こちらも重要なポイントになってくるかなと思います。
吉田:他に注目した内容はありますか?
神庭さん:年末に『資産所得倍増プラン』を策定しますよ、というふうに明記したんですね。岸田総理は宏池会の大先輩である池田勇人元総理の所得倍増計画をなぞる形で、『“令和版”所得倍増計画』というのを掲げていたんですけれども、「このご時世、さすがに倍増は無理じゃね?」というふうに指摘されてきたわけなんですね。そこで今度は、“所得”じゃなくて“資産所得”倍増なんだと絶妙にスライドさせてきたわけなんです。
ユージ:要するに、皆さんのお給料とかそういうものを増やすのを一旦ストップして、貯金とか、そっちの方を増やしましょう!ということですよね?
神庭さん:そうですね、貯金もそうですけど、株式や投資信託のことですね。
ユージ:あっ、株とかね!なるほど!!
神庭さん:報道によると、個人型確定拠出年金『iDeCo』の“加入年齢を65歳以上に引き上げる”ことであるとか、『つみたてNISA』の“非課税枠を拡充する”ことが検討されているということで、タンス預金で資産を眠らせておくよりは、“お金に働いてもらいましょう”という方向性自体はいいと思うんです。ただ、1つ残念だったこともあるんですよね。
吉田:なんでしょうか?
神庭さん:新しい資本主義の『資産所得倍増プラン』というのは、自民党からの提言がベースになっているんですけれども、その提言にはですね、『一億総株主』と書かれていたんですよ。『iDeCo』も『NISA』もやりたい人がやればいい話で、日本人一億人、みんながみんなやらなくてもいいんじゃないかと思っていて、やりたい人にとっては、年齢制限が緩和されたり、非課税枠が増えたりすることはすごく大きなメリットなんですけれども、昨日取り上げた、『国民皆歯科健診』もそうなんですけれども、国民の選択肢が増えるとか、権利が広がる話を、なぜか“義務”の話として伝えてしまって、いらない反発を招いてしまっていると…。コミュニケーションがちょっとへたっぴでですね、ちょっと損をしていると感じますね。
吉田:全体として、この『新しい資本主義』を神庭さんはどう評価されていますか?
神庭さん:新しいというわりには、特段の目新しさはないかなと思っていて、『GX』にしても、『DX』にしても、今まで散々言われてきたことですよね。かなり総花的で、みんなが「まあ、いいんじゃないの」と思うことが全部入りになっていると。参院選直前ということもあって、耳に心地いい話が多いですよね。どこからお金を手当てするかとか、財政の問題も含めて、痛みを伴うような内容は全然ないなというふうに思います。「成長と分配」と言いつつ、当初は分配色が強いとみられていた岸田総理なんですけれども、今回はレバーをグッと“成長”の方に寄せてきました。先月、岸田総理はロンドンの金融街シティで「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と訴えました。安倍元総理がですね、かつて「バイ・マイ・アベノミクス」とスピーチしたことを思い起こさせる流れですけれども、「岸田総理は株式市場には厳しいんじゃないの?」ということで、株価が低迷したときに『岸田ショック』と批判を浴びました。もしかしたら、岸田ショック批判がショックだったのかもしれないんですけれども、投資家フレンドリーな形で政策を微修正してきたなという感じはします。今回、同時期に発表された『骨太の方針』でもですね、安倍元総理への配慮が非常ににじむ内容になっていまして、岸田総理は足して2で割るプロといいますか、星のカービィと一緒でなんでも吸い込んで自分のものにしちゃう、という話をしましたけれども、ついにアベノミクスも半ば取り込み始めたなという感じがします。いくつか課題を指摘しましたけれども、いいこともいっぱい書いてあるので実現に向けて邁進してほしいなと思います。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 7, 2022
「岸田総理の「新しい資本主義」」について
今日、「新しい資本主義」の実行計画の工程表が、閣議決定される予定です。
AUDee JUDGE でも皆さんに星で評価を伺いました。
結果としては星0が69%、とても評価が低いという結果になりました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 7, 2022
「岸田総理の「新しい資本主義」」について
今日、「新しい資本主義」の実行計画の工程表が、閣議決定される予定です。
AUDee JUDGE でも皆さんに星で評価を伺いました。
結果としては星0が69%、とても評価が低いという結果になりました。#ワンモ
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) June 7, 2022
「岸田総理の「新しい資本主義」」について
今日、「新しい資本主義」の実行計画の工程表が、閣議決定される予定です。
AUDee JUDGE でも皆さんに星で評価を伺いました。
結果としては星0が69%、とても評価が低いという結果になりました。#ワンモ