22.04.06
「ゆるい職場」の弊害

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。
学習院大学 非常勤講師の塚越健司さんにお話を伺います。
塚越さんに取り上げていただく話題はこちら!
『「ゆるい職場」の弊害』
吉田:『ゆるい職場』。これは、“労働時間が長くなく、ストレスも感じないが、成長の実感もない職場のこと”です。この『ゆるい職場』に関して、リクルートワークス研究所の研究員、古屋星斗さんによりますと、今、大企業に入社した若手社員の早期離職が増えていて、『ゆるい職場』がその一因になっている可能性があるということです。若手社員の早期離職の一因が『ゆるい職場』ということなんですが、これは、どのような調査で分かったのでしょうか?
塚越さん:これはですね、リクルートワークス研究所が大企業の新入社員を対象に調査したんですね。労働時間は減っていますし、月の残業時間に直すとですね、20年くらい前はおおむね45時間だったのが、今は20時間ほどになっています。かつ、仕事に関わるストレスも全体的に低下してまして、面白いのがですね「上司に怒られたことがない」という新入社員が20年くらい前は10%ほどだったんですけれども、現在はですね、約25%、4人に1人は1回も上司に怒られたことがないということなんですよね。なんですけれども、一方で、“不安”を感じる新入社員が20年くらい前と比べてですね、ちょっと増えている、微増という傾向があるんですね。したがって、ストレスはないんだけれども不安は感じる。この中で、特に不安を感じる傾向は、インターンなど、学生時代にいろんな社会経験を多く積んだ人ほど、不安だと感じる人が多くてですね、新入社員の48.9%が「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じます」と回答されているんですね。
吉田:『ゆるい職場』をめぐる、こうした状況、塚越さんはどのようにご覧になっていますか?
塚越さん:コロナだったり、戦争だったりとか、あるいは、環境問題、日本だけではなく世界レベルで10年後先も何が起こるのか全然分からない社会ですよね。なので、“自分でなんとかしなければならない”と感じている若者が増えていて、そうした人たちがある意味で孤独感を感じているんじゃないのかなと思うんですよね。そういう意味で、“ゆるい職場で楽しいんだけれども、なんとかしないといけない…”と思っていて、会社にいるんだけれども、個人事業主・フリーランサーのような気持ちなんじゃないのかなというふうに思うわけですよね。そういうときに重要なのが、人と話をしたり相談したりとかして、「不安なんだけど…」という話を上司も含めて、同僚とかとすることが大事だと思うんですね。けれども、これもコロナの影響で、入社してからずっとリモートワークという人もいると思うので、なかなか相談もできないということもありますよね。そうすると、会社側も若手や入社してきた人に教育する機会があまりなかったりということもあるので、全体的にですね、他人に頼ることを“しない”、あるいは、“できない”という、コロナの影響も垣間見える結果なんじゃないかなと思いますね。
ユージ:この調査結果を踏まえて、職場の環境をどのように変えていけばいいと、塚越さんは思いますか?
塚越さん:先程のリクルートワークス研究所の研究員、古屋星斗さんによればですね、「若手社員に求められているのは、『会社・職場が育ててくれる』というこれまでの常識ではなく、『自分が会社・職場を使って育つ』という発想の逆転だ」と指摘されているんですね。これは、先程申し上げたように、会社にずっといるだけでは自分の将来がわからないので、会社を使ってでも自分のステップアップにしていくということなんですけれども、難しい話ですが、これってやっぱり、会社にいながら自分自身は個人事業主・フリーランサーのように、自分をとにかく育てていかなければいけないという、そういう証左なんじゃないかなと思うわけですよね。会社って、入社したらいろいろ育ててくれるということで、安心したり、感情が解けていくということが大事だと思うんですけれども、なかなかそれができないので、対処としては、インターンしているときとか、学生時代にいろんな人とコミュニケーションしていって、不安を中和する必要があるんじゃないかなと思うし、会社側も『ハラスメント対策』ということで、怒れないとか、そういうこともあると思うので、怒るだけではなくて、例えば、「○○がダメだ!」というんじゃなくて、「○○が課題だよね」というふうに言うことによって、怒るわけじゃないけれどもちゃんと心を開いてもらうようなコミュニケーションをすることが非常に大事じゃないかなと思うんですよね。
ユージ:塚越さんは、『ゆるい職場』と『厳しい職場』、どちらで働きたいですか?
塚越さん:ブラック企業は論外ですけれども、ゆるくても厳しくても、“仲間がいる”ということが、やっぱり大事だと思うんですよね。仲間を作れる、心を開ける、という職場があれば、一定の難しさがあっても、何とか生きていけると思うんですよね、だから、“自分だけじゃない、みんないる!”ということを考えて欲しいなと思いますね。
吉田:チームワークですもんね!
ユージ:そう!おっしゃるとおりです!
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET#ワンモ #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 6, 2022
『“ゆるい職場”の弊害』
ゆるい職場というのは、負担も少なく好きなことができそうないい部分が見えますが、その一方で、締まりがないという見方もできます。やらなければいけないことがなあなあに、適当な感じになりかねないという怖さがあります。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 6, 2022
僕が通っていた高校は、生徒たちのやりたいことを尊重してくれる自由な学校で、3年間通して“自由”について問い続ける学校でした。“ゆるい職場”は“自由”というわけではないですが、“ゆるさ”の中にも“厳しさ”が必要で、その点は自由もおなじです。
#ワンモ #ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) April 6, 2022
僕が通っていた高校は、生徒たちのやりたいことを尊重してくれる自由な学校で、3年間通して“自由”について問い続ける学校でした。“ゆるい職場”は“自由”というわけではないですが、“ゆるさ”の中にも“厳しさ”が必要で、その点は自由もおなじです。