22.03.28
首都高速・インフラの老朽化の問題

ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
今日は「BuzzFeed Japan」編集長の神庭亮介さんにお話を伺いました。
神庭さんが注目した話題はこちらです。
【首都高速・インフラの老朽化の問題】
吉田:先週水曜日、1964年に開通、およそ60年が経ち老朽化が深刻な問題となっている首都高速道路の羽田トンネルの状況が初めて報道公開されました。神庭さん、改めてこのニュースの概要について教えてください。
神庭さん:羽田トンネルというのは、1964年の東京オリンピックに合わせて、羽田空港近くに建設された首都高初の海底トンネルです。都心と羽田空港を結ぶ全長300メートルのトンネルで、東京湾をくぐり抜ける形で通っています。首都高速道路株式会社の資料によると、2014年~2018年の5年間に、鉄筋の腐食や露出、ひび割れなどの損傷が297件発見されました。その前の5年間に比べると1.9倍近くに増えているんですね。建設から58年ですから、人間で言ったらおじいちゃん。急速に老朽化が進んでいる状況が伺えます。経年劣化もありますし、海底トンネルなので海水が染み込むことによる塩害・腐食も激しいです。今回、報道陣向けに損傷箇所が公開されましたが、コンクリートの中に入っていたはずの鉄筋が腐食して消えてなくなってしまったり、トンネルの上部から水が漏れ出したりと、老朽化が進んでいる様子が露わになったということなんです。
ユージ:それだけ老朽化が進んでいるとかなり心配ですが、大丈夫なんですか?
神庭さん:報道によると現状でも頻繁に漏水が発生していて、月に1回程度、車線規制されているということです。すぐさま何か問題が起きるわけではないとしても、放置していれば、いつか重大な事故に発展してもおかしくはないと思います。笹子トンネルのような事故が起きてからでは遅いので早め早めの対応が求められます。
ユージ:今後の対策はどうなっているんですか?
神庭さん:塩害を受けたコンクリートを打ち直すとか、トンネルの天井部分を交換するといった抜本的な対応が必要になるのではないかと思います。ちょこちょこ補修していいくだけでは限界があるので、首都高では2024年度以降に大規模な修繕・更新工事を検討しているそうです。羽田トンネルは1日10万台が通る大動脈でもあるので、大規模工事の間も渋滞などの影響を最小限にとどめないといけません。そのために、近くにあって今は使われていない可動橋を迂回路として活用する案も出ているということです。
ユージ:これは結構な大プロジェクトになりそうですね。
吉田:首都高速というと、4月からは値上げもありますよね。
神庭さん:普通車の場合だと、上限額が1320円から1950円にアップします。これまで35.7キロ超走った場合、1320円から上がることはなかっんですが、これが55キロ超の走行で上限1950円という形に改められます。要は長距離を走れば走るほどお得、という状況を変えたいみたいなんです。昨年4月の朝日新聞の記事によると、たとえば、横浜横須賀道路の朝比奈ICの朝比奈ICから東北道の浦和ICまで移動する際に、東名高速経由だと3640円なのに対して、首都高経由だと1960円でかなり割安になる。その結果、9割近くが首都高を使っている。ほかの高速に比べて割安になことで、首都高の一部区間に車が集中し、混雑の原因になっていることが、値上げの背景にあるようです。利用者からすると、うーーーんという話ではありますよね。
ユージ:よく使っている人は、大変ですよね?
神庭さん:一応、運送・物流業界への配慮もあって、「ETCコーポレートカード」という法人向けカードの利用者の場合、「大口・多頻度割引」の割引率はこれまで最大35%でしたが、これを45%まで拡大します。また、混雑する昼間から空いている深夜へ利用者を誘導するため、深夜割引も始めます。深夜0時~明け方4時までにETCで入った車は20%の割引が受けられるということです。それでも、ネット上では「キツイ」「本当に無理」と悲鳴が上がっています。
ユージ:神庭さんは首都高の値上げ、神庭さんはどう思いますか?
神庭さん:「償還主義」といって、高速道路は建設費を返し終わったら無料にするのが原則なんですね。それは法律でも決まっています。2005年、旧道路公団民営化の時点では、2050年までに無料化するはずだったんですが、「やっぱり無理です」となって2014年に無料化の期限が2050年から2065年へ延長されました。しかし、それも無理だということで、国土交通省はさらに延期することを検討しているんですが「いつか遠い将来、無料にします」というのはハッキリ言ってまやかしで、できっこないと思いますから、どこかのタイミングで「ごめんなさい。間違ってました」と認めて、軌道修正した方がいいと思うんですね。首都高に限らず、各地の高速道路で老朽化が進んで改修は待ったなしになっています。一方で建築資材は高騰していますし、仮に無料化したとしてその後のメンテナンス費用は一体どうするのという問題もあります。そういった点を丁寧にきちんと説明して、利用者の理解を得ないといけません。「いつかは無料」という幻想を振りまきながら、ズルズルと問題を先送りするのはやめた方がいいと思いますね。
そして、今日の #ユジコメ はこちら。
#リポビタンD TREND NET #ユジコメ①
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 28, 2022
テーマは、「首都高の羽田トンネル、損傷部分を初公開」について
トンネルや高速道路は永久に使えるわけではない。
補修や点検だけではどうしても限界がくる。
今回老朽化により状況が公開された羽田トンネルの場合は
建設からおよそ58年が経っています。#ワンモ
#ユジコメ②
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 28, 2022
高速道路は建設費を返し終わったら無料にするのが原則。
しかし現在は、建設費が返し終わらないうちに
老朽化による補修・改善等などが重なり、
無償化どころか値上げも行われている状態で、
その期限さえも当初から延長されている。#ワンモ
#ユジコメ③
— TOKYOFM/JFN『ONE MORNING』 (@ONEMORNING_1) March 28, 2022
個人的な意見だと、高速料金が無料になったら嬉しい。
でも、安全が第一。
なので、“無料化は無理だけれど、その代わり料金のお金を使って
確実に安全なトンネルを維持します”として、
この先も安心安全であることが第一優先がいいと僕は思いました。#ワンモ