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今、知っておくべき注目のトレンドを、ネットメディアを発信する内側の人物、現代の情報のプロフェッショナルたちが日替わりで解説します。

22.03.23

消費者物価、6か月連続で上昇。年内いっぱい上昇か
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルが、注目のニュースを読み解きます。
引き続きコメンテーターは、BuzzFeed Japan News 編集長の神庭亮介さんです。
今朝、取り上げるテーマはこちら!


消費者物価、6か月連続で上昇。年内いっぱい上昇か

吉田:総務省が先週金曜に公表した「2月の消費者物価指数」は、値動きの大きい生鮮食品を除いた総合指数が100.5となり、前の年の同じ月より、0.6%上昇しました。上昇は6か月連続なのですが、神庭さん、これにはどのような背景があるのでしょう?


神庭さん:エネルギーの値上がりが大きく、2月は前年同月から20.5%上昇しています。1981年1月以来、実に41年1カ月ぶりという記録的、歴史的な上昇幅です。内訳を見ると、電気代19.7%、都市ガス代 22.9%、灯油 33.5%、ガソリン 22.2%と軒並み上がっています。エネルギーや電気代の高騰には、大きく3つの要因があります。1つ目は、欧米や中国などで昨年から景気が回復し、経済活動が活発化し始めたことです。これによって世界的にエネルギー需要が高まりました。2つ目は「グリーンフレーション」。気候変動対策でグリーン化を進めていく過程で、「つなぎ」のエネルギーとして液化天然ガス(LNG)の需要が高まり値上がりしました。3つ目は「円安」。日米の金利差が広がっていることを受け、きのう(22日)の東京市場では1ドル120円台と6年1ヶ月ぶりの円安水準となりました。円安が進めば、いままで100円で買えていたものも120円出さないと買えなくなります。インフレはエネルギーだけでなく食卓も直撃していて、輸入牛肉が11.1%、食パンは8.2%、スパゲッティー5.3%、ポテトチップス5.9%と上昇しています。


吉田:ロシアのウクライナ侵攻が、物価に与える影響も懸念されていますが、すでに影響が出始めているようですね?


神庭さん:いま聞いていて「あれ?ウクライナの影響は?」と思った人もいるかもしれませんが、今回発表されたのは「2月」の消費者物価指数です。ロシアのウクライナ侵攻が始まったのは2月24日なので、その影響が本格的に反映されてくるとしたら、3月以降にどれほど値上がりするか考えるだけで恐ろしいです。ロシアは天然ガスの輸出量が世界一、石油も世界2位のエネルギー大国です。西側の裁強化やそれに対するロシア側の報復で、今後さらに原油や天然ガスが高騰する恐れがあります。三井物産や三菱商事といった日本の総合商社はロシアで天然ガスとか原油の事業をしているので、対岸の火事ではないです。また、ロシア・ウクライナは穀倉地帯でもあり、小麦やトウモロコシの値上がりが懸念されています。日本は主に北米やオーストラリアなどから小麦を輸入していますが、これまでロシアやウクライナから輸入していた中東や北アフリカなどの国々が調達先をスライドさせれば、相場は上昇します。日本も間接的に影響を受ける可能性があります。もう一つ懸念されているのが「パラジウム・ショック」。レアメタルのパラジウムは世界シェアの4割をロシアが握っています。パラジウムは自動車の排気ガスを浄化する触媒や、歯の治療に使われていて、ウクライナ侵攻を受けて価格が急上昇しています。それから、アルミニウムの生産もロシアが世界2位。もともとコロナ禍の供給制約でアルミは上昇していましたが、今回の侵攻を受けてアルミ製の鍋やフライパンがさらに値上がりする恐れもあります。


吉田:物価の上昇は、年内いっぱい続くという見方もありますよね?


神庭さん:ロシア、ウクライナ双方が求める条件に隔たりがありすぎて停戦交渉は難航が予想されます。仮にうまく停戦できたとして、欧米によるロシアに対する制裁がすぐさま解除される可能性は薄いと思います。そうなると、年内いっぱいどころかもっと長引いてもおかしくないです。冒頭で説明したように、ウクライナ危機の前からインフレは始まっていました。コロナ禍からの経済再開やそれに伴う供給制約はしばらく引きずると思いますし、グリーンフレーションも長期的な課題です。ジャブジャブの金融緩和もインフレの呼び水になりました。ウクライナ危機はインフレのダメ押し要因ではありますが、それが解決したからと言ってインフレも一緒に解決するわけではないことに注意が必要です。


ユージ:物価の上昇が続いていることを受け、追加の経済対策を求める声もあがっています。現状、どのような対策が検討されているのでしょうか?


神庭さん:自公・国民民主の3党がガソリン税を下げるトリガー条項の発動を検討しているのは評価できます。一方で気になる点もあります。年金生活者への5,000円の給付金案があまりに不評だったので、与党からはより広い世代を対象にした、インフレ対策の給付金として仕切り直そうという動きも出ているといわれています。なぜ「選挙前にお金を配る」という発想から抜け出せないのかが根本的な問題です。物価高騰対策であれば、消費税を減税するのが一番手っ取り早いです。2019年10月に消費税を8%から10%に引き上げる時、安倍さんは「リーマン・ショック級の出来事がない限り引き上げる」とずっと言っていました。そして、その後すぐにコロナショックがきました。インフレが加速して、ウクライナショックが起きて、第三次オイルショック、トリプルショックです。リーマン級どころの騒ぎじゃないです。期限付きでもいいので、消費税を減税してみるのはどうかと思います。


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