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22.03.22

アメリカのFRBが利上げを決定。日本への影響
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ネットニュースの内側にいるプロフェッショナルがニュースを読み解きます。

BuzzFeed Japan 編集長の神庭亮介さんにお話を伺います。
神庭さんに取り上げていただく話題はこちら!


『アメリカのFRBが利上げを決定。日本への影響』


吉田:アメリカの中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が16日、新型コロナウイルス危機の対応で2020年3月に導入した事実上のゼロ金利政策を解除し、政策金利の0.25%引き上げを決めました。利上げは3年3カ月ぶりで、金融緩和から引き締めに転換し、歴史的なインフレの封じ込めに乗り出します。一方で、ロシアのウクライナ侵攻などで、景気への先行き不安も増しています。今回のFRBの利上げは私たちの生活にはどんな影響があるのでしょうか?
神庭さん、基本的なところで『利上げ』というのは、まずどんな状態なのでしょうか?教えてください。


神庭さん:端的に言うと、利上げは『政策金利を引き上げる』こと。その逆が『利下げ』といいます。アメリカのFRBに限らず、各国の中央銀行は、不景気の時は政策金利を下げるんですね。具体的に言うと、『市場にマネーをじゃぶじゃぶ流し込む』ということです。金利が低いとお金を借りやすくなって、社会全体が「どんどんお金を借りて投資しよう!」という雰囲気になって、景気がだんだん上向いていく…。というのが一般的な流れなんです。これを『金融緩和』と言って、マネーの蛇口が開いている状態なんですね。コロナショックで不況に陥った時に、各国はこの金融緩和を行いました。『ゼロ金利政策』であるとか『マイナス金利政策』をとって、景気刺激に努めたんですね。そうすることによって、緩和マネーは株式市場に流れ、株価は急回復しました。ただし、副作用もあって、『カネ余り』になると、お金の価値が下がってしまいます。そうなると、相対的にモノの価値が上がって、インフレになっていくんですね。給料も上がる『良いインフレ』だったらいいんですけど、資源高も相まって『スタグフレーション(悪いインフレ)』になってしまう懸念もあるんです。


ユージ:そこでアメリカは、最近、耳にする『スタグフレーション』、『悪いインフレ』をどうにかしようと金融緩和から引き締めに転換しようというわけですね?


神庭さん:アメリカは一応、賃金も上がっているんで悪いインフレとまで言えるかはわからないんですけれども、このままいくとそうなってしまう可能性もあるということですよね。やっぱりですね、景気が過熱するとインフレも加速して、各国の中央銀行はインフレ退治に乗り出さざるを得なくなるんですね。インフレ退治の最大の武器になるのが『利上げ』。つまり、『金融緩和と逆のことをする』ということなんです。政策金利を引き上げることで、市場からマネーをどんどん吸い上げていく。そうすると、お金の価値が上がって、相対的にモノの価値が下がっていく。それを狙っているんですね。インフレ対策という意味で、欧米は金融緩和の出口を昨年から探ってきたんですけれども、アメリカもですね、2月の消費者物価指数が前年同月からプラス7.9%。1982年以来、40年ぶりという歴史的な水準に達しているんですね。ガソリン価格が1年で1.5倍になっちゃっています。アメリカ国民の生活は非常に圧迫されているということで、インフレ退治が急務になっていました。FRBは年内にあと6回、来年も3~4回とハイペースで利上げしていく見通しなんですね。


吉田:このアメリカの利上げ、私たちにはどんな影響が考えられますか?


神庭さん:アメリカは今、“利上げしてインフレを抑えよう”という金融引き締め寄りの立場をとっています。一方で日本は、利下げ、金融緩和、“景気刺激に前向き”なスタンスをとっているんですね。日銀の黒田総裁も「金融を引き締める必要もないし、適切でもない」と発言しています。日米で緩和・引き締めでスタンスが分かれて金利差が開くとどうなるか?ということなんですけど、アメリカは引き締めで通貨ドルの価値がどんどん高まっていく一方で、じゃぶじゃぶ緩和を続ける日本は相対的に円の価値が薄まっていくわけです。そうすると、円安ドル高が加速しますよね。実際、FRBや黒田さんの発言などを受けて、先週末のドル円相場は一時119円台前半まで下落しました。6年1ヶ月ぶりの円安水準なんですね。


吉田:円安になると、どんな問題が考えられますか?


神庭さん:円安はもともと自動車産業とかですね、輸出企業に“有利”というように言われてきたんです。ただ、日本企業が海外に続々と拠点を移したことで、円安のメリットが昔より“薄まりつつある”というようにも言われているんですね。円安によって日本の『買う力』が年々弱まっていて、例えば、食料品を輸入するにしても、中国とかアメリカに、『買い負ける』という例が相次いでいると報じられています。ウクライナ情勢もあって、ただでさえ資源高・物価高が進んでいるのに、円のパワーがここにきて落ちてしまうと、輪をかけて輸入価格が上がってしまいます。それは、ダブルパンチになってしまうということですよね。日銀の黒田さんは「円安が経済・物価をともに押し上げ、全体として我が国経済にプラスに作用しているという基本的な構図は変わりはない」と言っているんですけれども、本当にそうなのかな?と…。これは『悪い円安』なんじゃないか?という懸念が広がっていて、『悪いインフレ』の上に『悪い円安』、もう、悪い、悪いばっかりになっちゃうんですけれども、かといってですね、これは悩ましいんですけれども、アメリカのように金利を上げて引き締めに転じると、景気に急ブレーキがかかって、景気が腰折れしてしまう可能性もあるんですよね。景気を刺激するために緩和を続けるか、インフレ退治のために引き締めに乗り出すか。日銀は金縛り状態になっちゃってて、なかなか身動きがとれない、非常に難しい舵取りを迫られているというふうに思いますね。


ユージ:これは本当に重要な選択で簡単に決められる選択ではないですよね?


神庭さん:そうなんですよね。どっちをとっても必ず、メリット・デメリットがありますので、適切なタイミングを見極めていく必要があるだろうなと思います。


ユージ:どっちのほうがメリットが多いかなという判断になりそうですね。



そして、今日の #ユジコメ はこちら。






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